ベオグラード大学GJO活動日誌/University of Belgrade GJO Activity Report

活動日誌 2021年10月 / October 2021 Activity Report

2021年10月31日 / October 31, 2021
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
宮本 冬美花 / Miyamoto fumika

 まずは、簡単に自己紹介をさせていただきます。初めまして。10月からGJOベオグラードのコーディネーターを務めます、宮本と申します。私は秋田にあります、国際教養大学の大学院出身です。昨年の10月からベオグラード大学文学部日本語・日本文化専攻課程の日本人客員講師として現地で働いており、GJO活動のサポートも時々させていただいておりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 10月から新年度が始まりました。現地の状況としては、コロナウイルスの感染者数はまだ完全には収まりそうにありません。ですが、ベオグラード大学側からの「できれば対面の授業を行ってほしい」との要請により、私は対面とオンラインライブを同時に行うハイブリッド型で授業行っています。学生からは去年から対面で授業をしてほしいとの要望が出ていましたが、学生と学生のご家族の健康面などから対面では参加できない学生もいるので、このような形をとることになりました。1年生はまだひらがな、カタカナが完全に定着しておらず、学生同士の会話がままならないオンラインには限界があるので、対面授業に来る学生が多いです。最初に挫折せず、モチベーションを高く持ち続けてほしいです。
 今月の課外活動は「本の貸し出し」「夜間日本語クラス」「Japan Cafe」「読書の会」「ペラペラカフェ」の5つを行いました。
 「本の貸し出し」では、12月に行われるJLPTに向けての対策本や教員室に置いている多読文庫の本などを学生に貸し出しています。過去の活動では隔週で「読書の会」を対面で開いていましたが、対面での接触を最低限に止めるために、対面授業の前後で学生に個別で貸し出すことにしました。ひらがな・カタカナを勉強したばかりの1年生の貸し出しは少ないですが、2年生は毎週異なる本を借りていく学生がいます。今まで様々な形で支援をいただき、蓄えた貴重な日本語の情報源なので、宝の持ち腐れにならぬよう、有効活用する体制を整えていきたいです。
 「夜間日本語クラス」は、火曜日から金曜日の午後6時ごろからオンラインで行っている夜の日本語のクラスです。日本語専攻の普段の授業ではどうしても試験に合格するという目標があるため、文法重視になってしまう傾向があります。また、日本語専攻ですから、新しい内容を早いペースで勉強していかなければなりません。他にも、高校で平常授業の内容はすでに学習済みだったり、独学で授業の進度よりも先の勉強をしている学生もいます。そこで、平常授業とは別に、復習も兼ねて、学年に関係なく日本の文化として生活の日本語を勉強してほしいという思いから夏休みに始めた活動です。初級の学生には国際交流基金から提供されている「いろどり」を使った授業をしています。また、中級以上の学生とは生教材の読解問題を解いて、それに関する話をしたり、日本人の会話を使った教材でディスカッションをしたりしています。少しでも日本について勉強する機会を増やしてほしいと思っています。
 「Japan Café 」は、1年生がイベントに参加するハードルを下げるため、日本語で話すことを強制しない文化イベントとして企画しました。10月16日土曜日の11:00-12:00にオンラインで行いました。今月は「食欲の秋」ということで、食べ物をテーマにした会にしました。参加者は16名。学生が揃うのを待つ間はNHKの日本食についてのサイトの動画を見ました。(https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/2019277/)その後、どんな日本食を知っているか、食べたことがあるか、セルビアで食べられるものはないか、行けるレストランやお店情報の共有などをZoomのブレイクアウトルームを使って話し合ってもらいました。セルビアで食べられる日本食の情報共有は特に盛り上がっており、参加者も楽しかったという感想を残してくれました。来月からも続けていく予定です。

 

 「読書の会」は、10月23日土曜日の11:00-12:00に行いました。今まで恒例だった読書の会を継続したものです。今回は45分時間をとり、オンラインでひたすら読書をする会にしてみました。今回はKCよむよむのサイトを使用させていただきました。読書の後は何を読んだか話し合い、学生のお気に入りの本を紹介してもらいました。「月見」(https://kansai.jpf.go.jp/clip/images/page/yomyom/002_tsukimi.pdf)という本について、世界各地域の月の見え方の話で特に盛り上がりました。本の中で、東ヨーロッパでは髪が長い女の人が見えると言われている、との紹介があったのですが、学生に聞いてみるとそうでもないとのこと。特に月をそのようにみたことがない、と言っていました。「月のうさぎ」という一般的に共有されている考えがあり、満月をかたどった団子を食べる日本とは大違い。文化の違いがこんなところでもみられました。今回の参加者は2名でした。今後の課題はオンラインにある読み物を読み尽くしてしまった学生がいることです。今後の対策としては2通り考えています。1つ目は大学の本を借りてもらい、オンラインでの読み物不足を解消する方法。2つ目は読書という括りをなくし、動画の共有とそれについて話す会にしていく「Watch party」のようなイベントに切り替えていく方法です。学生の反応も見ながらどうすべきか考えていこうと思います。
 今月の最後のイベントは「ペラペラカフェ」でした。以前から継続している日本語を話す会です。10月30日土曜日の11:00-12:00に開催しました。10名での会で、今回は年度1回目ということもあり、1年生の参加があったので、自己紹介からはじめました。好きなもの、好きなことについて話してもらいました。自己紹介から派生した趣味の話や日本の文化についての質問で盛り上がっていました。英語やセルビア語も混ざった会話でしたが、日本からの方と話す良い機会なので、これから日本語を勉強するモチベーションにしていってほしいです。
 ということで、今月の活動は以上です。今後も自分ができる限り日本に関わるイベント・活動を続け、少しずつ輪を広げて行ければと思っています。


活動日誌 2021年9月 / September 2021 Activity Report

2021年9月30日 / September 30, 2021
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
八木はるか / Yagi Haruka

    9月はベオグラード大学日本語専攻の学年末であり、最後の期末試験が行われました。長かった試験期間もこれで終わり、10月からは新年度が始まります。
今月の「ペラペラカフェ」は、9月12日(日)18時~19時(日本時間)にzoomで実施しました。参加者は計10名で、日本語母語話者が7名(ベオグラード大学への留学経験がある本学の学生・卒業生2名、在セルビア邦人の方2名、元教員1名、教員2名)、セルビア語母語話者2名(ベオグラード大学日本語専攻の学生1名、教員1名)、中国語母語話者1名(以前ベオグラード大学に留学し、日本語も勉強中の大学生)でした。
今回も、zoomの投票機能を使い、話したいトピックを参加者に選んでもらいました。その結果、1回目のブレイクアウトセッションでは「コロナのパンデミックが終わったら、したいこと」、2回目は「私が不思議だと思う日本・外国の文化」と「フリートーク」が同率で選ばれました。

「コロナのパンデミックが終わったら、したいこと」について話した際、学生は「教室に戻りたい」と言っていました。昨年3月にセルビアで初めての感染者が確認されて以降、ベオグラード大学日本語専攻では、今も全面的にオンライン授業が続けられています。この意見を言ってくれた学生はコロナ禍の前に対面授業を経験していることもあり、やはり教室に戻りたいという気持ちが大きいのかもしれません。以前は、学生たちは教室で友達と一緒に授業を受け、授業の前後にはカフェで友達と話すことができていましたが、感染が拡大してからはベオグラードにある学生寮に入らず、故郷の実家からオンライン授業を受ける人も少なくありません。
他には、「旅行に行きたい」という意見がありました。セルビアは内陸国なので、夏休みは近隣諸国の海へ行きたいという学生が多いです。日本人の参加者からは、温泉に行きたいという意見もありました。自由に遠くまで移動することが制限されている今、やはり非日常的な場所に行ってリフレッシュしたいという人は、日本にもセルビアにも多いのかもしれません。参加者たち一人ひとりに「コロナのパンデミックが終わったら、したいこと」があることが分かりましたが、少しでも早くコロナ禍が世界で収まることを祈るばかりです。
   また、「私が不思議だと思う日本・外国の文化」について話したときは、在セルビア邦人の方から、セルビアのスーパーなどで会計をするとき、おつりの計算がざっくりしていること(例えば103ディナールの買い物をしたとき、200ディナールを払ったら、正確には97ディナールのおつりであるところ、100ディナールのおつりが来ることがある。2,3ディナールくらいであれば、実際の計算よりもお客さんに多くおつりを渡すことがある。)が挙げられました。これには、セルビアでは細かい小銭を扱うのが嫌われているのかもしれないという意見がありましたが、日本ではありえないということも話されました。一方、日本の先輩・後輩文化は、セルビアの学生にとって理解しにくいようです。日本語専攻の学生たちは、日本のアニメやマンガを通して、先輩・後輩という上下関係の存在を知ってはいますが、実際に大学の先輩・後輩に対して、敬語やため口など言葉遣いを変えることはないそうです。
他にも、各国のワクチン接種状況や、秋に食べたいものについて話しました。今回の参加者は、日本・セルビア・中国・ハンガリーの4か国から集まりましたが、場所を越えてリアルタイムで話すことができるのは、オンラインの魅力の一つでもあると思います。コロナ禍以前は、大学の近くのカフェで行っていた「ペラペラカフェ」ですが、オンラインになってからも、細々とではありますが、活動を続けることができました。人との交流が減り、雑談をするような機会も少なくなる中で、「ペラペラカフェ」で日本語を使って様々なお話ができたことは、セルビアの学生たちにとって貴重な経験だったと思いますし、私にとっても毎回新たな発見がありました。参加してくださった全てのみなさまに心より感謝申し上げます。

    また、この他の活動としては、日本での留学の情報を学生たちに共有しました。昨年秋から今年の8月まで、ベオグラード大学日本語専攻の学生1名が、岡山大学に留学していて、日本での留学生活で経験したことをレポートにしてくれたので、ベオグラード大学の1~4年生に共有しました。新型コロナウイルスの影響で、留学生活は大きな制限と共にありましたが、そんな状況下でも学生は日本語・日本文化について最大限のことを吸収したようです。

     以前は、留学から帰国したベオグラード大学の学生が「留学報告会」を対面で行っていたそうですが、大学に集まることができない今、このようなレポートという形で留学生活についての情報を共有することになりました。レポートは日本語を勉強し始めたばかりの1年生も理解できるようにセルビア語・日本語の両言語で書き、日本での写真も載せてもらいました。依然として日本への留学をすることが難しい状況が続いていますが、ベオグラード大学の先輩からの情報ということで、学生たちには、より親近感を持って日本の様子を知ってもらうきっかけになればと思います。

     そして、今月末をもって、私はベオグラード大学の日本語講師、及びベオグラードGJOのコーディネーターの任期を終えることになりました。新型コロナウイルスの影響で、昨年3月に緊急帰国をしてから約1年半は日本からのリモートワークとなり、授業や課外活動は全て試行錯誤を重ねながら行ってきましたが、ベオグラード大学の先生方や学生たち、課外活動に参加してくださる皆さん、関係者の皆様にご協力いただき、とても貴重な時間を過ごすことができました。セルビアにいた約半年の間は、自分も外国人として暮らす経験をし、外国語を学び、外国の文化に触れることはどんなことなのか、改めて考えさせられました。そして、日本に帰国してからは、オンラインだからできること、私が日本にいるからこそできることは何か、考え続けた日々でした。まだ世界中で困難な状況が続いていますが、今後のセルビアでの日本語教育の益々の発展と、セルビアと日本の人々の温かいつながりが続いていくことを願っています。

写真1:ペラペラカフェの宣伝ポスター

写真2:ペラペラカフェの様子


活動日誌 2021年8月 / August 2021 Activity Report

2021年8月31日 / August 31, 2021
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
八木はるか / Yagi Haruka

    今月はベオグラード大学日本語専攻の夏休み期間のため、オンラインのイベントは実施しませんでした。同期型のイベントは行わなかったものの、非同期型のツールを使うことによって、夏休み期間であっても学生たちが日本語の自律学習が行えるように、そして日本に対する興味を持ち続けられるように、次のような取り組みを行いました。
まず、以前、私が授業や「読書の会」で扱っていた、「日本語多読道場」(https://yomujp.com/)が7月末にリニューアルしたことを学生たちへお知らせしました。このサイトは、くろしお出版が制作し、現在無料で公開されているもので、日本の食べものや、歴史、自然、地理など、様々なテーマについての多読用の読み物があります。写真も豊富にあるので、初級の学生も内容が理解しやすいと思います。コロナ禍の影響で日本へ行くことが難しい現在、セルビアの学生たちにとっては、このような多読のサイトを利用することが、様々な角度から日本のリアルな様子を知るきっかけになっているかもしれません。

    そして、学生たちには「日本語多読道場」で何を読んだか、任意で簡単なアンケートを取っています。その結果、以下のようなコメントがあり、これを学生たちにも共有しました(写真1)。他の学生からのコメントを読むことで、「自分もこの読み物を読んでみたい」という気持ちになったり、学生が1人で読んだときにはなかった気づきを得たりすることができればと思います。
また、多読以外の活動としては、私の趣味である長唄三味線を紹介するビデオを作成し、学生たちに共有しました(写真2)。「三味線」という単語自体は、ベオグラード大学の1年生が使う教科書『大学の日本語 初級 ともだちVol.1』(東京外国語大学留学生日本語教育センター)の「名前というN」という文型で「これは三味線という楽器です。」という練習問題があり、ここで勉強します。そのため、ベオグラードの学生たちも、その「三味線」の存在をなんとなく知ってはいますが、実際にどんな音がするのか聞いてもらえればと思い、今回ビデオを作成しました。ビデオでは、長唄「鏡獅子」から「髪洗い」の合方を演奏しました。一口に「三味線」と言っても、主に歌舞伎で演奏される長唄だけでなく、津軽三味線や義太夫節など多くの種類がありますが、その中の一つとして、セルビアの学生たちが日本の伝統的な音楽に興味を持つきっかけになれば嬉しいです。

    夏休みということで、GJOとしては普段とは少し違う活動となりました。学生たちには、夏を楽しみつつ、様々な角度から日本語や日本への興味を持ち続けてもらえればと思います。

写真1:「日本語多読道場」を読んだ人たちのコメント

写真2:三味線を紹介するビデオの中で


活動日誌 2021年7月 / July 2021 Activity Report

2021年7月31日 / July 31, 2021
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
八木はるか / Yagi Haruka

 今月、ベオグラード大学の日本語専攻は2回目の期末試験が終わり、夏休みに入りました。東京オリンピックの男子テニスに出場したセルビアのノバク・ジョコビッチ選手は、東京の蒸し暑さに驚いていたようですが、今年はセルビアでも連日暑い日が続いているそうです。

 今月の日本語専攻の課外活動は、「ペラペラカフェ」と「タンデムの会」を行いました。
 「ペラペラカフェ」は、7月11日(日)18時~19時(日本時間)にzoomで実施しました。参加者は計12名で、日本語母語話者が5名(ベオグラード大学への留学経験がある本学の学生・卒業生2名、元教員1名、教員2名)、セルビア語母語話者6名(ベオグラード大学日本語専攻の学生5名、教員1名)、中国語母語話者1名(以前ベオグラード大学に留学し、日本語も勉強中の大学生)でした。
 今月、日本語専攻は2回目の期末試験が終わったこともあり、今回のペラペラカフェには4年生がたくさん参加していました。また、現在岡山大学に留学しているベオグラード大学の学生1名も、久しぶりに参加してくれました。
 今回も、zoomの投票機能を使い、話したいトピックを参加者に選んでもらいました。その結果、1回目のブレイクアウトセッションでは「暑い日に食べたいもの・飲みたいもの」、2回目は「私が不思議だと思う日本・外国の文化」というトピックが選ばれました。
 「暑い日に食べたいもの・飲みたいもの」について話した際、私が参加したグループでは、カレーライスや中国の火鍋が挙げられました。夏に辛いものを食べて、汗をかいてすっきりしたい、という気持ちは世界各国に共通するのかもしれません。また、飲みたいものにはアイスコーヒーやビールが挙げられました。最近、ベオグラードのスーパーでは日本のビールが売られているそうで、日本のビールメーカーに詳しい学生もいました。
 次に「私が不思議だと思う日本・外国の文化」について話した際は、セルビアのプロマヤ(2つの窓が開いているところにいると体調を崩すという言い伝え)や、日本の職場の文化、特に上下関係についても話題になりました。
 「タンデムの会」は、7月24日(土)18時~19時半(日本時間)にzoomで実施しました。参加者は計7名で、日本語母語話者が5名(ベオグラード大学への留学経験がある本学の学生・卒業生2名、元教員1名、教員2名)、セルビア語母語話者1名(ベオグラード大学日本語専攻の学生1名)、中国語母語話者1名(以前ベオグラード大学に留学し、日本語も勉強中の大学生)でした。
 今回のトピックの投票では、「今年の夏にしたいこと・子どものころ、夏にしたこと」と、「私が行きたい日本・セルビアの町」が選ばれました。投票では、5つのトピック候補の中から多数決で決めるのですが、この候補は事前アンケートで参加者から募っています。今回の投票で選ばれたトピックも、参加者から事前にリクエストされたものでした。
 「今年の夏にしたいこと・子どものころ、夏にしたこと」について話した際は、本学の学生から、子どものころ、神社などで行われる夏祭りによく行ったという話があり、お神輿や盆踊りについても話題になりました。
 そして、「私が行きたい日本・セルビアの町」について話した時は、セルビアのニシュで行われるジャズフェスティバルについて話されていました。セルビアの学生によれば、このフェスティバルには日本人のミュージシャンも参加するそうです。
 また、フリートークの時間には、各国のワクチン接種状況や、開幕したばかりの東京オリンピックで注目している競技などについて話しました。

 コロナ禍によって、世界中の教育現場でオンライン化が進んだ結果、自宅にいながら外国にいる人たちとやり取りできるようになりました。このようなオンラインでの交流は、学習している言語圏に住む人からその国のリアルな情報を得る機会になると考えられます。依然として、留学をすることが困難な状況が続いていますが、これらの活動が言語学習のモチベーションを維持するきっかけになればと思います。

 また、7月13日(火)、第2回GJOコーディネーター交流会を実施させていただきました。参加者はソウルGJOのアンさん、上海GJOの高田さん、淡江GJOの岩澤さん、ヤンゴンGJOの今井さん、サラマンカGJOの久保さん、グアナファトGJOのマルコさん、本学トビタセンターの小松さん、国際化拠点室の田中さん、ベオグラードGJOの八木の計9名でした。
 今回は、まず本学の留学派遣、受入状況について小松さんからお話しいただいた後、各拠点から近況報告をしていただき、その後質疑応答の時間を設けました。コーディネーターのみなさんからは、とても貴重なお話をしていただき、大変勉強になりました。対面での活動を再開した拠点がある一方、オンラインでの活動を続けている拠点も多くあり、各拠点の状況は様々ではありますが、イベントの実施方法や、参加者を集める方法など共通する課題もあることが分かりました。質疑応答の時間では活発な情報交換が行われており、今後もコーディネーター同士の横のつながりを持つことで、各拠点のより良い活動につながればと思いました。

写真1:ペラペラカフェの宣伝ポスター

写真2:タンデムの会の宣伝ポスター


活動日誌 2021年6月 / June 2021 Activity Report

2021年6月30日 / June 30, 2021
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
八木はるか / Yagi Haruka

 今月は、ベオグラード大学日本語専攻の1回目の期末試験がありました。今学期も授業は全面的にオンラインでしたが、試験だけは大学に集まって、対面で行われました。今も日本にいる私は、試験問題の作成を担当しました。とりあえず、1回目の試験が無事に終わったそうで一安心しましたが、来月初旬には2回目の試験が行われます。

 今月の日本語専攻の課外活動は、「ペラペラカフェ」と「読書の会」を行いました。

 「ペラペラカフェ」は、6月20日(日)18時~19時(日本時間)にzoomで実施しました。参加者は計11名で、日本語母語話者が8名(ベオグラード大学への留学経験のある本学の学生・卒業生2名、在セルビア邦人の方2名、JICA関係の方1名、元教員1名、教員2名)、セルビア語母語話者2名(ベオグラード大学の教員1名、カルロブツイ高校の日本語専攻の学生1名)、中国語母語話者1名(以前ベオグラード大学に留学し、日本語も勉強中の大学生)でした。
 今回も、zoomの投票機能を使い、話したいトピックを参加者に選んでもらいました。その結果、1回目のブレイクアウトセッションでは「夏休みにしたいこと」、2回目は「ストレス解消のしかた」というトピックが選ばれました。
 ストレス解消のしかたについて話した際、私が参加したグループでは、YouTubeでビデオを見ながら、家でラジオ体操やエクササイズをするという人がいました。新型コロナウイルスの影響で、日本でもセルビアでも運動不足になる人が多い中、ビデオに合わせて体を動かすことは、心身の健康に良いだろうという意見がありました。その後、どんなYouTubeチャンネルが良いか、どれぐらいの頻度で体を動かすかなどについて話しました。また、事後アンケートでは、次のペラペラカフェのときに何かエクササイズのビデオを画面共有で見せて、みんなで体を動かしたら面白いかもしれないという意見がありました。新たな試みとして、今後の活動にも取り入れていければと思います。
 なお、現在行っている3つの課外活動(ペラペラカフェ、タンデムの会、読書の会)は、いずれも参加者に事後アンケートをお願いしています。活動の回数が増え、アンケートの回答数も増えてきたため、今月、今までペラペラカフェに来た人たちからのコメントをまとめたものを作成しました(写真2・3)。これは、ベオグラード大学日本語専攻の学生たちにも共有しました。今までペラペラカフェに参加しなかった学生でも、このコメントを読んで、活動に興味を持ってくれる人が一人でも増えればと思います。
 
 「読書の会」は、6月26日(土)18時~19時(日本時間)に行いました。参加者は、ベオグラード大学の学生3名(全員1年生)、教員2名の計5名でした。
 最初に読書のルールを確認したあと、「今日のおすすめ」として、「ひろがる」(https://hirogaru-nihongo.jp/)というWebサイトを紹介しました。ここでは様々な日本文化について、ビデオや写真、記事などで紹介されています。その中から、書道家へのインタビューのビデオを見たあと、筆ペンに関する記事を読みました。参加した学生の中には、美術の店で買った筆ペンを普段からよく使っているという人もいて、書道への強い関心がうかがえました。
 次に、ブレイクアウトルームで、教員と学生が小さなグループになって活動しました。今回は新しい試みとして、事前アンケートで、複数の候補の中から学生たちが読書の会で見たいWebサイトやYouTubeチャンネルを聞きました。私が参加したグループの学生は、「Tiki’s kitchen ティヤナのセルビア料理」(https://www.youtube.com/channel/UC1ZD5tmkDzsCazBf0xaOtqg)と「アニメ・マンガの日本語」(https://anime-manga.jp/en/)をリクエストしていたので、これら2つのサイトを見ました。まず、「Tiki’s kitchen ティヤナのセルビア料理」では、セルビアのクレープ「パラチンケ」の作り方のビデオを見ました。パラチンケはセルビアの国民的なおやつなので、学生たちも家でよく作るそうで、これにどんなジャムを入れるかなどについて話しました。
その後、「アニメ・マンガの日本語」では、役割語について紹介されているページを見ました。ここでは、アニメやマンガによく出てくる男の子や女の子、侍、執事、おじいさん、大阪人など、各キャラクターによる表現が紹介されています。それぞれの表現は、文字だけでなく、声優による音声も聞けるので、学生たちはこれを聞くのも楽しんでいたようです。初級の授業では役割語を扱う機会が少ないですが、学生たちはアニメやマンガを通して、授業外では日常的に役割語に触れている可能性があります。このサイトを通して、改めて、日本語にはキャラクターによってバリエーションがあることを確認できたのではないかと思います。
 最後に、もう一度全員で集まり、各グループで何を読んだか、新しく覚えた言葉などについて話しました。別のグループの学生は、「ひろがる」から、日本の小学校の音楽の授業についての記事を読んだそうで、セルビアの小学校と比較しながらコメントしてくれました。オンラインで読み物を読んだり、ビデオを見たりしたあと、参加者同士が日本語や英語でやりとりができるのも、zoomによる同期型のイベントならではのことです。1人で本を読むだけではなく、友達や教員とコミュニケーションをとりながら読み進めることは、全面的にオンライン授業が続いている今、より必要なことかもしれません。

写真1:ペラペラカフェの宣伝ポスター

写真2:ペラペラカフェに来た人たちのコメント1

写真3:ペラペラカフェに来た人たちのコメント2


活動日誌 2021年5月 / May 2021 Activity Report

2021年5月31日 / May 31, 2021
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
八木はるか / Yagi Haruka

 今月で、今年度のベオグラード大学日本語専攻の授業期間が終わりました。これからは、試験期間が始まります。ベオグラード大学では、6月から9月までの間、期末試験を複数回受けることができるという少し珍しいシステムがあります。教員は試験作りに、学生たちは試験勉強に追われる日々が続きます。
そして、今月は日本語専攻の中間試験があったので、課外活動は「読書の会」のみ実施しました。
 「読書の会」は、5月30日(日)18時~19時(日本時間)にzoomで行いました。今回は、ゲストとして、以前ベオグラード大学の日本語講師をしていた、高橋亘先生が参加してくださいました。(高橋先生は東京外大を修了し、ベオグラード大学で「読書の会」を始めた方でもあります。現在は、神田外語大学留学生別科の講師を務めていらっしゃいます。)他の参加者は、学生2名(いずれも1年生)、教員2名で、計5名が参加しました。
 今回も、最初に読書のルールを確認し、その後「今日のおすすめ」として、八木から「たぷの里」(https://www.takutaro.com/tapunosato/tameshiyomi/)という絵本を紹介しました。この本の特徴は、日本語のオノマトペがたくさん出てくることです。文字だけでは内容を理解することが難しくても、作品の中のインパクトのある絵と共に読むことによって、そのオノマトペの意味が推測しやすくなると思われます。
 次に、「DELISH KITCHEN―デリッシュキッチン」(https://www.youtube.com/c/DELISHKITCHEN_tv/featured)というYouTubeチャンネルを紹介しました。こちらは、高橋先生から教えていただいたもので、いろいろな料理のレシピ動画が掲載されています。料理を作る実際の映像に、日本語の字幕がつけられていて、初級の学生にとっても内容が把握しやすいものだったと思います。
 その後、2つのブレイクアウトルームに分かれ、学生と教員がペアになって活動しました。私が参加したグループでは、まず、現在日本で流行っているYouTuberの紹介として、竹脇まりなさんのチャンネルから、肩こり解消のための運動のビデオ(https://youtu.be/oWHPQgdqVcQ)を見て、学生と共にエクササイズをしました。このビデオでは、3分間の座ったままできる簡単な運動が紹介されています。日本語の字幕には、運動が苦手な人でも励まされる応援の言葉があります。このようなカジュアルな日本語について、特に初級の授業で指導することは少ないですが、学生にとっては、日本語の指示文を読み、励まされながら運動をすることは新しい経験になったと思われます。
 その後、NPO多言語多読の『無料の読み物』から、レベル3『ふしぎだな―ぼくが感じた不思議なこと』(https://tadoku.org/japanese/book/4160/)を読みました。この本は、中国からの留学生が、日本で不思議に思ったことをテーマに書いた本です。私が担当した学生は、高校時代に日本での留学経験があるので、学生の場合はどうだったか、話をしながら本を読み進めていきました。この本では、日本人が夏でもマスクをつけることについて紹介されていますが、参加者の中には、コロナのパンデミック以前はマスクをつけたことがなかった、という人が日本人にもセルビア人にもいました。
 最後に、全員で集まり、各グループで何を読んだり見たりしたか、どんなストーリーだったかについて話しました。もう一つのグループでは、日本の昔話のビデオを見たそうで、「うさぎとかめ」の話はセルビアにもあるということも話題になりました。
 ベオグラード大学日本語専攻の「読書の会」は、高橋先生がその活動を始められてから約10年が経ちます。現在はオンラインでの開催になってはいるものの、ビデオの視聴など、オンラインだからこそできることもあります。授業期間が終わった今、学生たちが少しでも日本語に触れる機会を作り続けるために、そしてこれからもより多くの学生に日本語多読を楽しんでもらえるように、工夫を重ねていきたいと思います。

写真:読書の会の宣伝ポスター


活動日誌 2021年4月 / April 2021 Activity Report

2021年4月30日 / April 30, 2021
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
八木はるか / Yagi Haruka

 今学期の日本語専攻の授業は、残り1ヶ月を切りました。セルビアでは新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいるようですが、日本語専攻では、現在も全面的にオンライン授業が続いています。引き続き、私は日本でzoomによる授業と、ビデオによる授業を行う中で、最近は同期型・非同期型それぞれの良さを感じています。オンライン授業が始まってから、様々なアプリやMoodleの機能を使ってみて、便利なものがたくさんあることにありがたいと思う一方、ツールは変わっても、学生とどんなことをやり取りするかが大切なのではないかと思うようになり、改めて自分の授業を見つめ直すきっかけになりました。

 今月も、ベオグラード大学の課外活動として、「ペラペラカフェ」「読書の会」「タンデムの会」を行いました。
「ペラペラカフェ」は、4月4日(日)18時~19時(日本時間)にzoomで実施しました。参加者は計13名で、その内訳は日本語母語話者が7名(本学学生でベオグラード留学経験のある学生1名、JICA関係の方1名、在セルビア邦人の方2名、元教員1名、教員2名)、セルビア語母語話者5名(ベオグラード大学の学生2名、カルロブツイ高校の日本語の先生2名、カルロブツイ高校の日本語専攻の学生1名)、中国語母語話者1名(以前ベオグラード大学に留学し、日本語も勉強中の大学生)でした。

 今回も、zoomの投票機能を使い、日本語で話したいトピックを参加者に選んでもらいました。その結果、1回目のブレイクアウトセッションでは「私のふるさと」、2回目は「私の好きなドラマ・映画」について話すことになりました。

 今回のペラペラカフェには、ベオグラード大学の1年生やカルロブツイ高校の先生・学生さんなど、初めて参加した方が多く、ブレイクアウトルームではまず自己紹介をしてもらうようお願いしました。日本語を勉強し始めたばかりの学生も多く、おそらく会話の全てを理解するのはかなり難しかったと思われます。しかし、日本語母語話者と実際にコミュニケーションをする中で、授業で習ったことを使う機会になったのは良かったと思います。また、それぞれのブレイクアウトルームでは、画面共有も積極的に使われていて、会話の音声による情報だけでなく、映像による情報も得ることで、会話の内容が理解しやすくなったかもしれません。

 事後アンケートでは、コロナ禍によって、セルビアも日本も外出や交流が控えられる中、定期的におしゃべりをする機会があるのは嬉しい、という意見がありました。セルビアの学生にとっても、教師以外の日本語母語話者と会話をする機会は貴重だったと思われます。

 「読書の会」は4月11日(日)18時~19時(日本時間)にzoomで行いました。参加者はベオグラード大学の学生3名(3人とも1年生)と、教員2名の計5名でした。この日は、まず、もう一人の教員からおすすめの動画が紹介されました。『ゆめある』から、金子みすゞの「私と小鳥と鈴と」の朗読のビデオを見た後、『NHK for School』から山口県の仙崎弁による「私と小鳥と鈴と」の朗読のビデオを見ました。普段、特に初級の授業においては、日本語の方言を指導することは少ないですが、今回のような課外活動で、2つのビデオを比較して見ることで、日本語に多くのバリエーションがあることを知るきっかけになったと思われます。

 その後、2人(学生と教員各1人)と3人(学生2人と教員1人)のグループに分かれて活動をしました。私が参加したグループでは、最初にNPO多言語多読の『無料の読みもの』の中から一番易しいレベル0の本を読みましたが、その後学生から「一番難しいレベルの本を1ページだけ見てみたい」というリクエストがあったので、レベル5の本の最初のページだけを読みました。日本語の学習を始めたばかりの1年生にとって、レベル5の本はやはりとても難しいものでしたが、漢字にはふりがなもあるため理解できる部分もあり、「レベル5の本が読めるようになる」という目標が今後の学習のモチベーションの一つになるかもしれません。

 次に、『アニメ・マンガの日本語』から、学校での日本語表現が紹介されているマンガを読み、日本とセルビアの学校における習慣の違いについて話しました。また、このサイトには日本語のオノマトペが数多く登場しています。普段の授業でオノマトペを指導することは少ないですが、学生はマンガという視覚による情報からその語が使われる場面を知り、さらにオノマトペの部分をクリックすることで聞こえる実際の音(風の音や学校のチャイムの音など、オノマトペが表す実際の音)から、そのオノマトペが表す意味を推測できたのではないかと思います。

 その後、もう一度全体で集まり、各グループで何を読んだか、どんなストーリーだったか、新しく覚えた言葉などについて話しました。自分が読んだ本やビデオについて、他のグループの学生や教員に日本語で伝えるということは、日本語をインプットするだけでなく、アウトプットする練習として良い経験になったと思われます。

 「タンデムの会」は、4月24日(土)18時~19時30分(日本時間)にzoomで行いました。参加者は日本語母語話者が5名(本学卒業生でベオグラード大学留学経験者1名、在セルビア邦人の方1名、元教員1名、教員2名)、セルビア語母語話者が6名(ベオグラード大学の学部生4名、博士課程の学生1名、カルロブツイ高校の日本語の先生1名)の計11名でした。

 今回も、話したいトピックを参加者に選んでもらった結果、日本語の時間の投票では「私の好きなアニメ・マンガ・音楽」、セルビア語の時間の投票では「日本語・セルビア語のおすすめの勉強のしかた」が選ばれました。1回目のブレイクアウトセッションのとき、私が参加したグループでは、セルビアのテレビで放送される日本のアニメについての話がありました。しかも、それはセルビア語の吹替版だそうです。セルビアでも、子供の頃に日本のアニメを吹替版で見たことがきっかけで、日本や日本語への興味を持つ学生は多いようです。

 また、最近はセルビアも日本も新型コロナウイルスの流行が再拡大する中で、散歩やハイキングをする人が多いということも話題になりました。新型コロナウイルスの影響で、セルビアも日本も日常生活が大きく変わりましたが、参加者のみなさんがそれぞれ工夫しながら過ごしていることが分かりました。外国への渡航が難しい現在、このようなオンラインでの交流が、それぞれの言語学習のモチベーションを維持するきっかけになっていれば嬉しいです。

写真:タンデムの会の宣伝ポスター


活動日誌 2021年3月 / March 2021 Activity Report

2021年3月31日 / March 31, 2021
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
八木はるか / Yagi Haruka

 新学期が始まってから1か月が経ちましたが、ベオグラード大学日本語専攻の授業は、セルビアにいらっしゃる先生方も完全にオンラインで行っています。引き続き、私はビデオによるオンデマンド型の授業と、zoomによる双方向型の授業を行っています。最近は授業のビデオにコメントをしてくれる学生が増え、非同期型でも日本語でやり取りする機会が増えたのは嬉しく思います。

 今月もベオグラード大学の課外活動として、「読書の会」と「タンデムの会」を開催しました。「読書の会」は、3月7日(日)19時~20時(日本時間)に行いました。参加者は学生2名(1年生)と教員2名の計4名でした。まず、多読のルールを説明した後、八木から「今日のおすすめの本」として、NPO多言語多読の『無料の読みもの』から「雨」(レベル0)を紹介しました。この作品には日本語のオノマトペが数多く登場しますが、文字の情報だけでなく、絵やナレーション、効果音による補助もあるので、日本語を勉強し始めた初級の学生たちも作品のストーリーを理解できていたようです。その後、『Tiki’s kitchen セルビア料理』というYouTubeチャンネルも紹介しました。これはセルビア料理について、セルビア人の方が日本語で紹介しているチャンネルです。(日本語と英語の字幕もあります。)学生にとっては、セルビア料理という母国の慣れ親しんだものについて、既知の知識で補いながら、日本語の聴解及び読解の練習ができたのではないかと思います。ビデオを見た後に、「みなさんの家ではいつ、どのようにこれを作りますか?」などと学生に質問をし、会話をしながらいくつかのビデオを見ていきました。その後、また『無料の読みもの』に戻り、「おでん」(レベル0)を読みました。この日は、偶然、日本とセルビアの料理関係の本やビデオを見ることが多かったですが、食文化については学生も高い関心を持っているようで、内容が理解しやすく、発言しやすいテーマだったと思われます。
 
 「タンデムの会」は、3月21日(日)19時~20時30分にzoomで行いました。参加者は計11名で、そのうち日本語母語話者が6名(本学の学生で、以前ベオグラード大学に留学していた学生2名、在セルビア邦人の方1名、元教員1名、教員2名)、セルビア語母語話者4名(ベオグラード大学の学生3名、カルロブツイ高校の日本語の先生1名)、中国語母語話者1名(以前ベオグラード大学に留学していて、日本語も勉強中の大学生)でした。
事前のアンケートで、タンデムの会で話したいトピックを募集し、当日投票をする際の候補にしました。その結果、1回目の投票では「日本人・セルビア人のすごいと思うところ、見習いたいと思うところ」、2回目の投票では「日本語・セルビア語のおすすめの勉強のしかた」と「私の好きなアニメ・マンガ・音楽」が同率で選ばれました。

 そして、前半は日本語の時間、後半はセルビア語の時間と設定し、4,5人のブレイクアウトルームに分かれ、おしゃべりをしました。今回は、タンデムの会に初めて参加した1年生も含め、初対面の人たちもいたので、まずは自己紹介をし、そのあとトピックについて話すよう、こちらからお願いをしました。セルビアの学生の中には、日本人教師以外の日本語母語話者に会ったことがない学生も多いため、このような会が、学生にとって多様な日本語に触れる機会になればと思います。また、私が参加したブレイクアウトルームでは、当初のトピック「日本語・セルビア語のおすすめの勉強のしかた」から、「日本語・セルビア語の難しいと思うところ」というトピックへ発展していて、興味深い話を聞くことができました。セルビア語を勉強している日本や中国の学生の存在が、セルビアで日本語を勉強中の学生にとっても、良い刺激になるのではないかと思います。

 最近、セルビアでも新型コロナウイルスのワクチン接種が進められています。しかし、日々の感染者数は依然として多く、セルビア政府はショッピングモールやレストランなどに対して、厳しい営業停止措置を行っているそうです。セルビアも日本も厳しい状況が続いていますが、今できることを工夫しながら、精一杯やっていきたいと思います。

写真:読書の会のポスター


活動日誌 2021年2月 / February 2021 Activity Report

2021年2月28日 / February 28, 2021
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
八木はるか / Yagi Haruka

 今月から、日本語専攻の後期の授業が始まりました。今学期、私は1年生の授業を初めてzoomで行うことになりました。これまでは、授業のビデオを配信するオンデマンド型で行っていたので、双方向型の授業はまだ試行錯誤しています。初回のzoomでの授業では、自己紹介も兼ねて、私の趣味である長唄三味線を演奏しました。今後の授業でも、私が今日本にいるからこそできることも交えていければと思います。このzoomの授業を受ける1年生は、私が帰国した後に入学したので、まだ対面で会ったことはないのですが、コロナ禍の中にあっても日本語の勉強を少しでも楽しんでもらえたらと願うばかりです。
今月は、日本語専攻の課外活動として、「タンデムの会」を2月14日(日)19時~20時30分(日本時間)にzoomで行いました。参加者は計11名で、その内訳は日本語母語話者が6名(本学学生でベオグラード大学に留学経験のある学生2名、在セルビア邦人の方1名、元教員1名、教員2名)、セルビア語母語話者4名(ベオグラード大学の学生2名、カルロブツイ高校の日本語の先生1名、在セルビア邦人のご家族1名)、中国語母語話者1名(ベオグラード大学に留学経験があり、日本語も勉強中の大学生)でした。
The second half of the Japanese language course has started this month. This semester, I did my first grade class through zoom. Until now, interactive classes were conducted in an on-demand format by providing class videos, so interactive classes are still a challenge. At the first zoom class, I introduced myself and played Nagauta shamisen, which is my hobby. In future classes, I would like to include things that I am only able to do because I am in Japan now. The first year students taking this zoom class entered the school after I came back to Japan, so I have never met them face-to-face, but hope they can enjoy studying Japanese a little, even during the covid-19 pandemic. This month, as an extracurricular activity for the Japanese language major, “Tandem Stydy Club” was held from 19 o’clock to 20:30 via Zoom on Sunday, February 14 (Japan Time). A total of 11 people participated, including 6 native Japanese speakers (Two TUFS students who have studied at Belgrade University, one Japanese resident in Serbia, one former teacher, and two teachers), 4 native Serbian speakers (Two students from Belgrade University, a Japanese teacher from Karlovci Grammar School, and a Japanese family in Serbia), and 1 native Chinese speaker (A university student who has studied at Belgrade University and is also studying Japanese.).

 前半30分を日本語の時間、後半30分をセルビア語の時間として設定し、各15分のブレイクアウトセッションを計4回行いました。今回もzoomで投票を行い、話したいトピックを参加者に選んでもらいました。トピック候補は、「日本語・セルビア語のおすすめの勉強法」「日本・セルビアの高校・大学生活」「コロナのパンデミックが終わったらやりたいこと」「バレンタインデーの思い出」「私の好きなアニメ・マンガ」「フリートーク」の6つでした。この中から、日本語の回の投票では「バレンタインデーの思い出」、セルビア語の回では「コロナのパンデミックが終わったらやりたいこと」が選ばれました。なお、各言語の2回目のセッションでは投票を行わず、フリートークとしました。
We set the first 30 minutes as Japanese time and the second 30 minutes as Serbian time, and performed 4 breakout sessions of 15 minutes each. We used Zoom’s voting feature again to ask participants to choose the topic they wanted to talk about. There were 6 topic candidates: “Recommended Japanese and Serbian study methods” “High school and university life in Serbia and Japan” “What I want to do after the pandemic.” “Memories of Valentine’s Day” “My favorite anime and manga” “free talk”. Of these, “Memories of Valentine’s Day” was selected in the Japanese section and “What I want to do after the pandemic.” in the Serbian section. In the second session for each language, we did not vote and enjoyed free talk.

 「バレンタインデーの思い出」について話した際、私が参加したグループでは、本学の学生たちが中高時代に「友チョコ」を作るのが大変だったことを話してくれました。一方、セルビアではバレンタインデーを祝う習慣はないものの、セルビアの学生は、日本の少女漫画から日本ではバレンタインデーの習慣があることを知ったと話していました。
 また、フリートークをした際は、日本のアニメで、キャラクターの台詞にある日本語のオノマトペについての話がありました。参加者が画面を共有し、実際にそのオノマトペの発話シーンを見ることができたので、他の参加者もよりクリアなイメージを持ち、理解が深まったのではないかと思います。これ以外の時間でも、参加者が画面共有やチャット機能を積極的に使用し、会話の中に出てきた物の写真や、難しい言葉の綴り、サイトのリンクなどを共有していました。
それぞれの短いブレイクアウトセッションが終わるたび、参加者は一度全体で集まり、各グループでどんなことを話したか共有する時間を設けています。これは短い休憩時間でもありますが、各グループの様子を知るきっかけとなっています。また、この時間には、もう一人の教員に次のブレイクアウトルームを準備していただいており、会を進行する上でも必要な時間となっています。
When we talked about “Memories of Valentine’s Day”, students from one of the groups I participated in told us that it was difficult for the students of TUFS to make “Tomo Chocolate (friends giving each other chocolate)” when they were in junior and senior high school. On the other hand, although there is no custom of celebrating Valentine’s Day in Serbia, Serbian students said they learned there is a Valentine’s Day custom in Japan from Japanese girl’s comics.
Also, when we had a free talk, there was a story about Japanese onomatopoeia in the lines of characters in Japanese anime. Since the participants shared the screen and were able to see the actual Onomatopoeia speaking scenes, I think the other participants had a clearer image and deepened their understanding. At other times, participants actively used screen sharing and chat features to share photos of things in conversations, difficult word spellings, and site links.
At the end of each brief breakout session, participants get together and share what they talked about with each group. This is a short break, but it’s a good way to get to know each other. During this time, another teacher prepares the next break out room, which is necessary for the meeting to proceed.

 セルビアから緊急帰国して、今月で1年が経ちました。この1年で、世界では急速に授業のオンライン化が進み、ベオグラード大学でも大きな変化がありました。セルビアでもワクチンの接種が始まったものの、まだ先が見通せない状況で、セルビアにいる先生方もオンライン授業を続けていらっしゃいます。オンラインだからこそできること、そして今私が日本にいるからこそできることを日々模索していきたいと思います。
It has been a year since I came back from Serbia. Over the past year, classes have rapidly moved online around the world, and there have been major changes at the University of Belgrade. In Serbia, vaccinations have started, but the future is uncertain, and teachers in Serbia are continuing to teach online classes. I would like to explore what I can do through online classes and what I can do because I am in Japan.

写真:タンデムの会の宣伝ポスター
Photo: Tandem Stydy Club advertisement poster


活動日誌 2021年1月 / January 2021 Activity Report

2021年1月31日 / January 31, 2021
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
八木はるか / Yagi Haruka

 今月はベオグラード大学日本語専攻の期末試験が行われました。今回の試験は、大学に集まり対面式で実施されました。これまでの授業は全てオンラインだったので、今回の試験で、学生たちは久しぶりに大学へ行ったのではないかと思います。今も日本にいる私は試験作成には関わりましたが、当日の採点作業などはセルビアにいる先生方にお願いすることになってしまいました。
This month we had a Japanese term-end exam at Belgrade University. This examination was held face-to-face at the university. All the classes so far have been online, so I think the students went to the university for the first time in a long time for this. I am still in Japan and I was involved in the making of the exam, but I had to ask the teachers in Serbia to do the grading work.

 今月も、日本語専攻の課外活動は「ペラペラカフェ」のみ行いました。「ペラペラカフェ」は1月30日(土)19時~20時(日本時間)にzoomで実施しました。参加者は計12名で、その内訳は日本語母語話者が6名(本学学生でベオグラード留学経験のある学生1名、JICA関係の方2名、元教員1名、教員2名)、セルビア語母語話者5名(ベオグラード大学の学生4名、カルロブツイ高校の日本語の先生1名)、中国語母語話者1名(以前ベオグラード大学に留学し、日本語も勉強中の大学生)でした。
This month, too, the only extracurricular activity for the Japanese language major was “Perapera Cafe”. “Perapera Cafe” was held on Saturday, January 30 from 19 o’clock to 20 o’clock (Japan Time) on zoom. A total of 12 people participated, including 6 native Japanese speakers (One TUFS student with experience studying in Belgrade, two JICA related persons, one former faculty member, and two faculty members), 5 native Serbian speakers (Four students from Belgrade University and one Japanese teacher from Karlovci Grammar School), and 1 native Chinese speaker (A university student who studied Japanese at Belgrade University.).

 今回も、日本語で話したいトピックを参加者に選んでもらいました。1回目のブレイクアウトセッションで、5つのトピック候補(「2021年にやってみたいこと・目標」、「日本・セルビアのお正月」、「私の好きな動物」、「私の好きな映画・ドラマ」、「フリートーク」)の中から選ばれたのは、「2021年にやってみたいこと・目標」でした。この日は、日本・セルビア・中国から、大学生や教員だけでなく、社会人の方の参加もありましたが、みなさんそれぞれの今年の目標を話してくれました。なお、2回目のブレイクアウトセッションでは、時間の都合上、投票を行わず、フリートークとしました。
Again, participants were asked to choose the topics they wanted to talk about in Japanese. During the 1st breakout session, the the topic chose from the 5 proposed  (“What we would like to do and our goal in 2021” , “New Year’s Day in Serbia, Japan” , “My favorite animal” , “My favorite movies and dramas” , “free talk”) was “What we would like to do and our goal in 2021”. On this day, not only university students and teachers but also members of society from Japan, Serbia, and China participated, and everyone talked about their goals for this year. In the second breakout session, due to time constraints, we did not vote and had a free talk.

 ブレイクアウトルームでは、本学の卒業生で、現在セルビアで働いていらっしゃる方と、昨年まで本学に留学していたベオグラード大学の学生が一緒に話す場面がありました。今回、オンラインで思いがけず、本学につながりがある人たちが集まったわけですが、卒業生の専攻語の話や、日本語・セルビア語学習の難しいところの話などで盛り上がっていました。
At the breakout room, there was an instance where a graduate of our university who is currently working in Serbia and a student from Belgrade who studied at our university until last year talked together. This time, we unexpectedly gathered people with a connection to our university, and they talked about their major language and the difficulties of learning Japanese and Serbian.

 また、以前ベオグラード大学に留学していた、本学4年生の学生さんが今回も「ペラペラカフェ」に参加してくれました。この学生さんは、セルビアの「スラヴァ」(セルビア正教の行事)についての卒業論文を、無事に完成させたそうです。卒論のためのアンケート・インタビュー調査に、ベオグラード大学日本語専攻の学生が協力したこともあり、私もこの学生さんから卒業論文を送ってもらったのですが、大変興味深く拝読しました。
Also, a 4th year student from Belgrade who had previously studied at Belgrade University participated in the “Perapera Cafe” this time as well. The student successfully completed the graduation thesis on “Slava” (Orthodox events in Serbia) in Serbia. A Japanese major at the University of Belgrade cooperated in the questionnaire and interview survey for the graduation thesis, and this student sent me the graduation thesis, which I read with great interest.

 事後アンケートによれば、インターネットの問題で、タイムラグが生じてしまい、発言を遠慮していた学生もいたようでした。しかし、その学生はチャット機能でコメントをしたり、画像を共有したりしてくれたので、ある程度はチャット機能でカバーできたのではないかと思います。
According to a  survey we did afterwards, some students were hesitant to speak because of a time lag caused by Internet problems. However, the student made comments and shared pictures with the chat function, so I think the chat function covered it to some extent.

 来月中旬からは、後期の授業が始まります。新型コロナウイルスについては、セルビアも依然として厳しい状況が続いているようで、後期もオンライン授業になる予定です。
Classes for the second semester will begin in the middle of next month. Serbia still seems to be struggling with the new coronavirus, and the second semester will be online.

 セルビアから緊急帰国し、オンラインでの活動が始まってからまもなく1年が経とうとしている今、オンラインの良さがあることに気づく一方、まだまだオンラインでの活動に慣れず、迷いながら進めている部分もあります。今後もより良い活動ができるよう、試行錯誤していきたいと思います。
Now, after an emergency return from Serbia and nearly a year into online activities, I am realizing it benefits, but I am still not completely used to them and so, I still hesitate.. We will continue to do our best to try to  improve our activities.

写真:ペラペラカフェの宣伝用のポスター
Photo: Perapera Cafe poster


活動日誌 2020年12月 / December 2020 Activity Report

2020年12月31日 / December 31, 2020
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
八木はるか / Yagi Haruka

 寒さが厳しさを増す12月、セルビアでも、新型コロナウイルスはその感染拡大に歯止めがかからない状態です。今月も、ベオグラード大学日本語・日本文学専攻では全ての授業がオンラインで行われました。日本にいる私は、引き続きビデオでの授業を行っています。
As cold weather intensified in December, the new coronavirus continued spreading in Serbia. This month, all classes at the Japanese Language and Literature Department at Belgrade were conducted online. I am in Japan, and I continue to have classes on video.

 今月は中間試験があったので、課外活動は「ペラペラカフェ」のみを実施しました。
There was a mid-term exam this month, so “Perapera Cafe” was the only extracurricular activity we conducted.

 「ペラペラカフェ」は12月6日(日)19時~20時(日本時間)にzoomで開催しました。参加者は日本語母語話者が5名(本学学生でベオグラード留学経験のある学生1名、JICA関係の方1名、元教員1名、教員2名)、セルビア語母語話者5名(ベオグラード大学の学生2名、カルロブツイ高校の日本語の先生1名、独学で日本語を勉強中の大学生・高校生各1名)でした。今回参加した、独学で日本語を勉強している大学生は、ベオグラード大学の課外活動のFacebookグループで「ペラペラカフェ」のお知らせを見て、参加してくれたそうです。このようなオンラインでのイベントが、ベオグラード大学の学生に限らず、セルビア国内の日本語学習者の学習促進やモチベーション維持につながればと思います。
“Perapera Cafe” was held via zoom on Sunday, December 6 from 19 o’clock to 20 o’clock (Japan Time). The participants were 5 native Japanese speakers (One TUFS student with experience studying in Belgrade, one JICA related person, one former teacher, and two teachers) and 5 native Serbian speakers (Two students from Belgrade University, one Japanese teacher from Karlovci Grammar School, and one university student and one high school student studying Japanese on their own). The self-taught university student who took part in the event saw the announcement of “Perapera Cafe” on the Facebook group of the University of Belgrade’s extracurricular activities, and participated in it. I hope that this kind of online event will help promote learning and keep motivation alive not only among Belgrade University students but also among students studying Japanese in Serbia.

 今回もzoomの投票機能で話したいトピックを選んでもらいました。その結果、1回目のブレイクアウトルームでは「日本・セルビアのお正月」、2回目は「私の好きなアニメ・マンガ」と「フリートーク」が同率で選ばれました。このように毎回トピックは決めるものの、これは参加者が日本語で話をするきっかけとして決めていて、実際はこのトピックから派生して様々な話が行われています。私が参加したグループでは、「日本・セルビアのお正月」というトピックから日本の初詣やおせち、セルビアの年越しの花火について話した後、日本とセルビアのハロウィンについても話しました。参加者の中には初対面の人もいるので、いきなりフリートークをするよりも、とりあえず決められたトピックがあることで、参加者が話しやすい雰囲気を作るきっかけになればと思います。
Again, we asked them to choose a topic they want to talk about in the voting function of zoom. As a result, in the 1st Breakout Room, “New Year’s Day in Serbia, Japan” was selected, and in the 2nd Breakout Room, “My favorite anime and manga” and “free talk” were selected equally. In this way, the topic is decided each time, but this is decided as an opportunity for the participants to speak in Japanese, and in fact, various other stories arise from the topic. In my group, we talked about Hatsumode and Osechi in Japan, and the fireworks over the New Year in Serbia, and then we talked about Halloween in Japan and Serbia, beginning with the topic “New Year’s Day in Serbia, Japan”. Some of the participants had never met before, so rather than having a free talk, I hoped that having a topic set would help create a friendlier atmosphere.

 また、今回は日本語を学習し始めたばかりの高校生も参加してくれました。ブレイクアウトルームでは、セルビア人の大学生が通訳として、この高校生と日本人参加者をつないでくれたそうです。初級の学習者にとって「ペラペラカフェ」に参加することは、日本語で多くのインプットを得られる貴重な機会になると思いますし、通訳として参加することになる「先輩」の学生にとっても、日本語とセルビア語の両方を使う実践の場として良い経験になったのではないかと思います。 
This time, high school students who have just started learning Japanese also participated. At the breakout room, Serbian university students connected with the high school students as interpreters. For beginners, participating in “Perapella Cafe” was a valuable opportunity to get a lot of input in Japanese, and for “senior” students who participated as interpreters, it was a good experience where they got to practice both Japanese and Serbian.

 それから、12月17日(木)21時~23時(日本時間)に、GJOコーディネーター活動報告・情報交換会を開催させていただきました。急なご提案だったにも関わらず、ご快諾くださった国際化拠点室と、ご参加くださったコーディネーターのみなさまに感謝申し上げます。
I also held a GJO Coordinator Activity Report and Information Exchange Meeting on Thursday, December 17, from 21 o’clock to 23 o’clock (Japan Time). I would like to express my gratitude to the Office of Internationalization and the coordinators who kindly agreed to my proposal.

 当日の参加者は韓国外大のアンさん、上海外大の高田さん、淡江大の岩澤さん、ライデン大の竹森さん、グアナフアト大のマルコさん、ヤンゴン大の今井先生、国際化拠点室の田中様、ベオグラード大学の八木の計8名でした。まず田中様から改めてGJOの活動方針などをお話いただき、その後は八木が進行役を務めました。各コーディネーターの方々から各拠点での活動報告をしていただいた後、質疑応答の時間、そしてフリートークの時間がありました。フリートークの時間には、少人数のグループで話すことができ、より活発な意見交換ができたのではないかと思います。
Among the participants of the day were Ms.Ahn from Hankuk University of Foreign Studies, Ms.Takada from Shanghai International Studies University, Ms.Iwasawa from Tamkang University, Mr.Takemori from Leiden University, Mr.Marco from Guanajuato University, Ms. Imai from Yangon University, Mr. Tanaka from the Office of International Affairs, and Yagi from Belgrade University. Mr. Tanaka told us about the GJO’s activity policy, and Yagi acted as a moderator. After the coordinators reported their activities at each site, we had a Q & A session and a free talk session. During the free talk, we could talk in a small group, and we were able to actively exchange opinions.

 今回、コーディネーターのみなさんからお話を聞いて、拠点によって、コーディネーターとしての活動内容や、接する学生数が異なることが分かりました。一方、オンライン授業をする際の悩みや、日本人学生との交流会・交流授業の開催の難しさなど、一つの拠点が抱えている問題は、実は他の拠点も抱えているということも分かりました。それぞれの環境は違っても、GJOとして行う活動の基本的な方針は同じだと思いますので、今回はまずお互いの現状を知り、コロナ禍でどのような問題があり、どのような解決策があるかを考えるきっかけになったのではないかと思います。今後も継続的に意見交換をすることで、各拠点でのより良い活動につなげていきたいと思います。
This time, I heard from the coordinators and learned that their activities and the number of students they deal with vary depending on the location. On the other hand, I also found that the problems that one base has, such as the difficulties in conducting online classes and holding exchange meetings and classes with Japanese students, are actually shared by other bases. Although each environment is different, I think the basic policies of the GJO’s activities are the same. This time, we learned about each other’s current situation for the first time, and I think it was a good opportunity to think about what kind of problems were caused by the pandemic and what kind of solutions were available. We will continue to exchange opinions in order to improve activities at each location.


活動日誌 2020年11月 / November 2020 Activity Report

2020年12月5日 / December 5, 2020
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
八木はるか / Yagi Haruka

 先月から新学期が始まりましたが、セルビアでも新型コロナウイルスが再流行しているため、今月からは現地にいる先生方も完全なオンライン授業となりました。日本にいる私は引き続き、ビデオでの授業を行っています。オンラインでの授業がこんなに長い間続くとは思ってもいませんでしたが、日本語を勉強する一つの選択肢として、少しでも学生たちに何かが届いていたらと願うばかりです。
The new school year started last month, and COVID-19 is spreading again in Serbia, so from this month, even teachers in Serbia will be conducting classes online. I am still in Japan, and so I too am doing my online classes. I didn’t expect online classes to last this long, but as a means for studying Japanese, I hope the students have gained something out of them.

 先月に引き続き、今月も課外活動として、「ペラペラカフェ」「読書の会」「タンデムの会」をオンラインで行いました。
Continuing from last month’s activities, we conducted the “Pera-Pera Cafe”, the “book club” and the “Tandem study club” online this month.

 「ペラペラカフェ」は11月15日(日)の19時から20時(日本時間)にZoomで行いました。日本語母語話者が6名(JICAの方2名、在セルビア邦人の方1名、元教員1名、教員2名)、セルビア語母語話者が4名(学生3名、カルロブツイ高校の日本語の先生1名)、中国語母語話者1名(以前ベオグラード大学でセルビア語を勉強し、日本語も勉強中の大学生)が参加しました。
“Pera-Pera Cafe” was held on Sunday, November 15 from 19 o’clock to 20 o’clock (Japan Time) via Zoom. Participants included six native Japanese speakers (two JICA staff, one Japanese resident in Serbia, one former teacher, and two teachers), four native Serbian speakers (three students and a Japanese teacher from Karlovsky High School), and one native Chinese speaker (a university student who previously studied Serbian at Belgrade and is also studying Japanese).

 今回は、事前アンケートを実施し、ペラペラカフェで話したいトピックを募集しました。そのリクエストを踏まえて、今回のトピックは、「私の好きなアニメ・マンガ」「私の好きな映画・ドラマ」「私の好きな音楽」「家の中でできる楽しいこと」「今年の流行語」「フリートーク」の中から、Zoomの投票機能を使って選んでもらいました。その結果、1回目のセッションでは「私の好きなアニメ・マンガ」、2回目は「今年の流行語」と「フリートーク」が同率で選ばれました。
This time, we conducted a preliminary questionnaire and assembled topics we wanted to talk about at the Pera-Pera cafe. Based on this request, we asked the participants to choose from “My favorite anime and manga”, “My favorite movies and dramas”, “My favorite music”, “fun things to do at home”, “buzzword of the year” and “free talk”, using the Zoom voting function. As a result, for the first session, “My favorite anime and manga” was selected, and for the second session, “buzzword of the year” and “free talk” were selected equally.

 事後アンケートでは、今回学生たちが話しやすいトピックで話したため、日本語での会話がとても盛り上がったという声がありました。一方、今回参加した学生は中上級の学生たちであり、全員がリピーターでした。今後は初級の学生も含め、より多くの学生が参加できるように、宣伝活動などを工夫したいと思います。
In the post hoc survey, some people said that the conversations in Japanese were very lively because the students talked about topics that they were familiar with. On the other hand, the students who participated this time were middle and advanced-level students, and all of them had participated before. In the future, I would like to devise my advertising so that more students, including beginners, will participate.

 11月21日(土)の19時から20時(日本時間)には、「読書の会」をZoomで行いました。今回の参加者は1年生1名と教員2名のみでした。この日は「読み物いっぱい」というサイトを使い、画面共有を行って、日本語の本を一緒に読み進めていきました。現在はなかなか海外旅行ができない状況ですが、まるで日本へ行った気分になれるような、日本の観光地をテーマとした本が人気でした。これらの本には写真も多く掲載されているため、初級の学習者も理解しやすかったのではないかと思います。日本語での読書が、通常の授業ではあまり扱えない日本の文化的特徴に触れるきっかけにもなればと思います。引き続き、より多くの学生に参加してもらえるよう、宣伝活動にも力を入れていきたいです。
On Saturday, November 21, from 19 o’clock to 20 o’clock (Japan Time), the “Book club” was held via Zoom. This time, only one first-year student and two teachers participated. On the day, we used a website called “Yomimono Ippai (full of reading)” to share the screen and read Japanese books together. At present, it is difficult to travel abroad, but books about Japan’s tourist spots that make you feel as if you were in Japan were popular. Since many pictures were included in these books, I think it was easy for beginners to understand. I hope that reading in Japanese will give the students an opportunity to experience the cultural characteristics of Japan that they wouldn’t have contact with in regular classes. I would like to continue putting effort into advertising so that more students can participate in the future.

 「タンデムの会」は、11月28日(土)の19時から20時半(日本時間)に行いました。参加者は日本語母語話者が5名(以前ベオグラードに留学していた本学の学生3名、在セルビア邦人の方2名)、セルビア語母語話者が5名(学生3名、カルロブツイ高校の日本語の先生と高校生各1名)、中国語母語話者1名(日本語・セルビア語の両方を勉強中の大学生)、教員2名でした。
The “Tandem study club” was held on Saturday, November 28, from 19 o’clock to 20:30 (Japan Time). Participants included five native Japanese speakers (3 TUFS students who previously studied in Belgrade and two Japanese nationals in Serbia), five native Serbian speakers (three students, one Japanese teacher and one high school student from Karlovsky High School), one native Chinese speaker (a university student studying both Japanese and Serbian), and two teachers.

 前半を日本語の時間、後半をセルビア語の時間として設定し、3,4人のブレイクアウトルームを作って、おしゃべりをしてもらいました。話すトピックをZoomの投票機能で選んでもらった結果、「私の好きな日本・セルビアの食べもの」と「行ってみたい日本・セルビアの町」が選ばれました。参加者たちの言語のレベルの差も多少ありましたが、分からないときは英語・セルビア語・日本語を混ぜてもよいというルールにしていたので、まずは会話を楽しむことができたのではないかと思います。
We set the first half as Japanese time and the second half as Serbian time, and created a breakout room for three or four people to chat. When asked to select a topic to talk about using the Zoom voting function, “My favorite food from Serbia and Japan” and “A Japanese/Serbian town I would like to visit” were chosen. There were some differences in the level of language ability among the participants, but the rules allowed them to mix English, Serbian, and Japanese when they didn’t understand, so I think they were able to enjoy the conversations.

 もともとタンデムの会は、昨年本学の学生がベオグラード大学に留学中に私へ提案してくれて始まった、新たなイベントでした。コロナ禍以前は、大学の近くのカフェに集まり、互いの母語である日本語・セルビア語を教え合っていました。今学期はオンラインでの開催となりましたが、留学を終え帰国した本学の学生にとって、日本にいながらセルビアの人たちと話すことができる貴重な機会となっていると思います。一方、ベオグラード大学の学生たちにとっても、普段は教員以外の日本語母語話者と日本語で話すことがほとんどなく、学習のモチベーションを維持するためにも日本語で会話をする機会を作ることは重要だと思います。また、セルビア語の時間では、学生自身の母語であるセルビア語について改めて考えるきっかけにもなっていると考えられます。
The Tandem Study club was originally a new event that started last year when a student proposed it to me while I was studying at Belgrade University. Before the pandemic, people would gather in a cafe near the university and teach each other’s native languages, Japanese and Serbian. This semester, the session was held online, but I think it will still be a valuable opportunity for our students who have returned from studying abroad to be able to talk with Serbian people while in Japan. On the other hand, students of the University of Belgrade rarely get to speak Japanese with native speakers other than teachers, so I think it is important to create opportunities for conversation in Japanese in order to maintain their motivation for learning. In addition, the Serbian language section is also an opportunity for Serbian students to reconsider their native language.

 今は、セルビアも日本もなかなか先が見通せない状況ですが、そんな中でもできることは何か考え、少しずつでも進めていければと思います。
At the moment, both Serbia and Japan are in difficult situations, in which the future is difficult to foresee. The only thing we can do is to continuing thinking about what can be done despite the situation and move forward little by little.

写真1:ペラペラカフェの様子
Photo 1: Pera-Pera Cafe

写真2:タンデムの会の宣伝ポスター
Photo 2: Tandem Club Promotion Poster


活動日誌 2020年10月 / October 2020 Activity Report

2020年10月31日 / October 31, 2020
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
八木はるか / Yagi Haruka

 初めまして。10月からGJOベオグラードのコーディネーターを務めます、八木はるかと申します。どうぞよろしくお願い致します。
Hello everyone. My name is Haruka Yagi, and I will be the coordinator for GJO Belgrade from October.

 簡単に自己紹介をさせていただきます。私は本学の日本語専攻(現在の国際日本学部)出身で、大学院では日本語のオノマトペについて研究しています。学部の4年間、日本語専攻の留学生と共に、外国語としての日本語を見つめ、さらに多くのことを学ぶために、本学の大学院へ進学しました。本学では、周りには常に世界各国からの留学生が多くいましたが、私自身は留学経験がなく、日本という外国で、日本語という外国語を勉強する学生さんたちの気持ちを経験したことはなかったので、いつか自分も外国で「外国人」になって、日本語を教える仕事をしたいと考えておりました。
Let me briefly introduce myself. I majored in Japanese (Current School of Japan Studies) at TUFS, and I am currently researching Japanese onomatopoeia at graduate school. During the four years of my undergraduate studies, I studied alongside foreign students, approaching Japanese as a foreign language, and decided to move onto graduate school to further deepen my studies. At TUFS, I was always surrounded by many foreign students from all over the world who were experiencing living in a foreign country while learning a new language, which was what made me also want to be a “foreigner” abroad and teach Japanese.

 そして、私は、昨年10月からベオグラード大学文学部日本語・日本文学専攻課程の客員講師、及びGJOベオグラードのコーディネーター補佐として活動をしてきました。しかし、新型コロナウイルスの影響で、今年の3月中旬に大学が封鎖され、そして私たち講師が住んでいた大学の寮も封鎖されたため、緊急帰国せざるを得ませんでした。 
Since October last year, I have been a guest lecturer at the Department of Japanese Language and Literature within the Faculty of Letters at the University of Belgrade, and assistant coordinator for GJO Belgrade. However, due to the impact of COVID-19, the university closed down in mid-March of this year, and the dormitory of the university where other lecturers lived was also closed, so we had no choice but to return to Japan.

 帰国してから7か月以上が経った今も、私はセルビアに戻ることができていません。セルビアの感染状況は一時落ち着いたものの、最近は再拡大の傾向にあります。10月からベオグラード大学は新年度を迎え、対面授業を再開しましたが、再流行している現状を踏まえ、11月からしばらくの間は全面的にオンライン授業になるそうです。
Even now, more than seven months since returning home, I have not been able to go back to Serbia. The infection situation in Serbia temporarily settled down, but recently it has been deteriorating again. In October, the University of Belgrade reopened face-to-face classes for the new academic year, but given the resurgence of the virus, they will be conducted fully online from November for the time being.

 日本にいる私は、今学期もオンラインで授業を行っています。時差の関係もあるため、ライブ配信型ではなく、オンデマンド型で行っています。昨年度、講師はベオグラード大学のMoodleを使用できませんでしたが、今年度はコロナウイルスのこともあって使用できるようになったため、授業でできる活動の幅も広がりました。また、今月からは、本学の留学生日本語教育センターの藤村先生のご協力のもと、日本語eラーニング教材「JPLANG」を導入しました。JPLANGにはセルビア語訳もあるので、特に初級の学生たちの自律学習を促進させる1つのきっかけになればと思います。オンライン授業の方法については、依然として試行錯誤の日々が続いていますが、授業のオンライン化がゼロからのスタートだった今年の春に比べ、オンライン授業の体制が整いつつあることは嬉しく思います。
This semester, I am teaching my students online from Japan. Because of the time difference, the classes are on-demand and not live. Last year, instructors were not able to use the university’s Moodle, but this year, due in part to the virus, we are permitted to use it, which has broadened the scope of activities we can do in class. In cooperation with Professor Fujimura of the Japanese Language Center for International Students, we have also introduced a Japanese e-learning tool “JPLANG” this month. JPLANG comes with Serbian translations, so we hope it will encourage students to self-study, especially anyone who is still a beginner. As for online teaching methods, we are still going through a lot of trial and error, but I am glad that the system is moving forward compared to this spring when we had no experience of teaching online.

 また、日本語専攻の課外活動として、9月に引き続き「読書の会」と「ペラペラカフェ」をオンラインで行いました。
In addition, as extracurricular activities for the Japanese language majors, the “Book Club” and “Pera-Pera Cafe” were held online, continuing from September. 

 「読書の会」は、10月4日(日)18時から19時(日本時間)にZoomで行いました。この日の参加者は計5名で、新1年生1名、セルビアの高校の日本語の先生1名、GJOベオグラード前任者1名、教員2名でした。今回参加した唯一の学生は、9月の読書の会にも参加してくれた、リピーターでした。今回は「NPO多言語多読」で公開されている「無料の読みもの」を使用し、画面共有をして、日本語の本を一緒に読んだり、本のストーリーに関わる話をしたりしました。
The Book Club was held on Sunday, October 4 from 18 o’clock to 19 o’clock (Japan Time) via Zoom. There were five participants on the day, including one new first-year student, one Japanese teacher from a Serbian high school, one former GJO Belgrade teacher, and two faculty members. The only student who participated this time had visited the Book Club also in September. This time, I used the free readings that were published on the NPO Tadoku Supporters website. I shared my screen and we read through some Japanese books and talked about topics related to them.

 事後アンケートによれば、セルビアからの参加者2名は、日本語で日本語母語話者と話す機会として、この会を楽しんでくれたようでした。しかし、より多くの学生に参加してもらえるように、今後もより一層工夫していく必要があると思います。
According to the questionnaire filled out by the members, the two participants from Serbia enjoyed the meeting as an opportunity to speak Japanese with native speakers. However, I think we need to make further efforts to encourage more students to participate.

 「ペラペラカフェ」は10月17日(土)18時から19時(日本時間)にZoomで行いました。参加者は、日本やセルビアにいる日本人9名(昨年ベオグラード大学に留学していた本学の学生や、JICAでセルビアの高校で日本語を教えていらっしゃった方、在セルビアの日本人の方など)、セルビア人の学生6名、中国人1名(以前ベオグラード大学でセルビア語を勉強していて、日本語も話せる大学生)でした。ブレイクアウトルームで3,4名ずつに分け、少人数のグループになって日本語で会話をしました。話すトピックはZoomの投票機能を使って選んでもらい、1回目のブレイクアウトルームでは「私の好きな(行ってみたい)日本・セルビアの観光地」について話し、2回目はフリートークを行いました。
Pera-Pera Cafe was held on Saturday, October 17 from 18 o’clock to 19 o’clock (Japan Time) via Zoom. The participants consisted of nine Japanese (students from TUFS who studied at Belgrade University last year, people who taught Japanese at a high school in Serbia through JICA, and Japanese nationals living in Serbia, etc.), six Serbian students and one Chinese (a university student who previously studied Serbian at Belgrade and who can speak Japanese). In the breakout rooms, we were divided into groups of three or four and had conversations in Japanese. Topics discussed were selected using the Zoom voting function, and in the first breakout session we talked about “My favorite sightseeing spot in Serbia and Japan, or somewhere I would like to visit” and in the second session we talked freely.

 事後アンケートによると、参加者のインターネット環境によって、音声が聞きづらい場合があったそうですが、チャット機能を用いてなんとかコミュニケーションが取れたようです。また、今回は日本語の学習を始めたばかりの1年生も参加したため、学生間のレベル差に対応する必要がありましたが、日本語だけでなく、英語やセルビア語も併用することで、初級の学生も会話に参加できるようにしました。日本とセルビアという遠く離れた場所にいても、お互いの顔を見ながらリアルタイムで話せるということは、オンラインの良さの一つだと思います。
According to another questionnaire filled out by the participants, it seemed to have been difficult at times to hear what people were saying depending on their internet connection, but they managed to communicate using the chat function. In addition, because first-year students who had just started studying Japanese also took part in this event, we had to deal with the level differences amongst students. By using English and Serbian as well as Japanese, we made it possible for beginners to participate in conversations too. One of the advantages of online communication is that you can see and talk to each other in real time, despite being so far apart.

 授業も課外活動もオンラインになったことにより、コロナ以前と全く同じ活動をすることは難しいですが、オンラインならではの良さもあるのではないかと思います。来月もより良い活動を目指して、工夫し続けていきたいと思います。
Both classes and extracurricular activities are now conducted online, so it is difficult to do things as they were before the pandemic, but I believe there are some benefits unique to online learning. We will continue our efforts to improve our activities next month.


活動日誌 2020年9月 / September 2020 Activity Report

2020年9月30日 /Septmber 30, 2020
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / Amari Mino

 9月のセルビアは次第に秋の足音が近づいてきます。日本とは違って、セルビアの気候は、ほぼ太陽の日照時間に従います。ですから、9月の秋分の日を過ぎると、びっくりするほど素直に秋へと次第に移行していくわけです。
In September in Serbia, you can feel Autumn gradually approaching. Unlike Japan, the climate of Serbia mostly follows the hours of sunlight. So, after the Autumnal Equinox Day in September, it changes to fall.

 さて、今回をもって、2年の長きにわたり、つたない日本語の文章力を自覚しつつ綴ってきた私のセルビアにおけるGJO活動日誌は終わりになります。私は活動自体は活発に行っていても、次から次へと、記録を残す前に次の活動へ移ってしまうため、日誌や報告書というものがあまり得意ではありません。いつも遅れがちな私の日誌を辛抱強く待ってくださった方々へ、まずは心からの感謝の意とお詫びの意を示したいと思います。なお、GJOベオグラード大学自体がなくなるのではなく、私の任期が終わりなだけで、後任のコーディネーターとして八木はるかさんに引き継がれますので、ご安心ください。オンラインではありますが、部活も毎週のように活発に行われていきます。
This report marks the end of my two-year history of GJO activities in Serbia. Although I have been very active through the years, I was not good at keeping you updated through my reports because I tend to move from one activity to another without keeping records. I would like to express my sincere gratitude and apologies to those who patiently waited for my reports, even though they were always late. It is not the end of GJO Belgrade, but just the end of my term. Please rest assured that Haruka Yagi will take over as the next coordinator, and although they may be online, club activities will be held actively almost every week.

◆最高の誕生日プレゼント / The best birthday present

 「セルビアのベオグラード大学へ日本語を教えに行ってみませんか?」と、勉強会で教えていただいていた花薗悟先生にお声をかけていただいたのは、2018年のちょうど私の誕生日の日でした。ベオグラード大学での新年度は10月1日からだということで、準備までほとんど時間的な余裕はありませんでしたが、なにしろ誕生日にいただいた話です。私はげんを担ぐところがあります。ですから、直感的に「これはきっと大きな誕生日プレゼントに違いない!」と思い、すぐに「行かせてください!」とのお返事をしました。理性的な判断ではないかと思われるかもしれませんが、それが私の性格であり、生き方なのです。自分を必要としてくれるところには応えていくこと、自分でなければできなさそうなことは必ず引き受けるというのが私の基本的な姿勢です。私は優柔不断な性格でもあるのですが、即断即決の時はほとんど衝動的とも言えるほどの決断力を発揮します。そうして、私のセルビア行きは、決まりました。
It was on my birthday in 2018 that Satoru Hanazono, who was a teacher in my study group, said to me, “Would you be interested in going to Belgrade University in Serbia to teach Japanese?” I am a believer in fate, and so even though I had little time to prepare for the new academic year staring on October 1, I immediately replied, “Yes, I would love to!” You may think that this was an irrational judgment, but this is my personality and my way of life. My basic attitude is to respond to people who need me and to take on things that only I can do. I’m indecisive, but when I make a quick decision, I’m almost impulsive. That’s how I decided to go to Serbia.

 もちろん、すんなりとすべてが順調にいったわけではありませんでした。「行きます!」とは答えたものの、私はあまりにも貧乏で、実はセルビアまで行く旅費すらありませんでした(旅費だけは自己負担だったのです)。航空運賃も出発が近づいているので安くはありませんでした。しかし、不思議なことに必ず誰かが助けてくれるものです。頼んだわけでもないのに、飛行機代は難なく工面できてしまいました。これはもう、「セルビアに行くべし」という運命のほかありません。
Of course, not everything went smoothly. Although I said that I would go, I was actually too poor to even travel to Serbia. (I had to pay for my own travel expenses.) The airfare was not cheap as the departure date was approaching. But strangely, even though I didn’t ask for it, someone helped me out and I was able to pay the airfare without any trouble. This is nothing but fate telling me to go to Serbia.

 とは言え、1996年に上海からロンドンまで鉄道旅行をしていた頃には行けなかった危険地域がセルビア(旧ユーゴスラビア)でした。私の頭には当時の紛争のニュースなどの記憶が残っていました。それはあくまでも偏向された報道による刷り込みでもあったのですが、やはり恐怖心はありました。ですから、実は、ポーランド航空に乗ってワルシャワに着くまでは私は不安でメソメソと泣いていたのです。しかし、四半世紀前に最初に訪れ、大の親日国であることに感動したポーランドに、その年2度目に降り立ったときに、私の不安な心はすっかり吹き飛んでしまいました。ワルシャワからベオグラードまでは、あともう1時間40分ほどしかかからないのです。一晩、ワルシャワのなじみのホテルに滞在して、次の日にはすっかり元気になって、ベオグラードに向けて飛び立ちました。
Serbia (former Yugoslavia), however, was considered a dangerous area back in 1996, while I was on a rail trip from Shanghai to London. I remembered the news of the conflict in those days. It was an imprint of biased reporting, but there was still fear within me. So, actually, before I got on the Polish Airlines flight to Warsaw, I was very nervous and was crying. However, the moment I landed in Poland, I remembered my first trip there a quarter of a century ago, when I was moved by how pro-Japan everyone was. My uneasy feelings were gone. It only takes 1 hour and 40 minutes from Warsaw to Belgrade. I stayed overnight at a hotel in Warsaw, and the next day, feeling fresh, I took off for Belgrade.

 それからは、矢のように時は過ぎていきました。見ること感じること、全てが新鮮です。セルビアに着いて、すぐに「ペラペラカフェ」を開いてもらえたので、授業開始前にすでに学生たちと知り合うことができました。そして、ポーランド以上の愛日感情と、とにかく目を輝かせて日本に憧れてくれている学生たちに、すぐに私も惚れ込みました。好いてくれている相手の中に入っていくことほど幸せなことはありません。新しい国に行ったときに起きるちょっとしたトラブルは経験しましたが、まさに素敵な誕生日プレゼントとして私のセルビア生活は始まりました。
From then on, time passed like an arrow. Everything I saw and felt was refreshing. As soon as I arrived in Serbia, they opened the ‘Pera-Pera café’ which allowed me to meet some of the students before classes began. And I immediately fell in love with them. The students admired Japan, and their devotion towards the country exceeded that of the Polish. Nothing makes me happier than being with people that appreciate me. I did experience some minor problems at first, as anyone would when moving to a new country, but my Serbian life started as a truly wonderful birthday present.

◆良いところや似たところを発見する力 / The power to discover positive aspects and similarities

 もし、私になにか特技があるとしたら、それは、相手の良いところや、自分と似たところを発見する力だと言えます。あれが嫌だ、これが違うから気に食わないというような見方を私はしません。セルビアに行った時点で、29回引っ越しをし、18カ所に住んできた私なりの処世術とも言えます。私は小さな時から多文化の中で育ち、食べるものも「世界のどこに行ってもなんでもおいしく食べられるように――たとえそれが虫料理であっても!」といったように育てられてきました。ですから、セルビアにいるときは、徹底的にセルビア料理ばかりを食べました。その地の人たちがおいしいと思っているものは、安くておいしいものなのです。セルビア料理の味は、日本料理の味に例えることはできないのですが、あっという間にセルビア料理に魅せられてしまいました。私のようなある意味単純な人は本当に幸せだなと思います。
If I have any special skill, it is the ability to discover good aspects of others and  similarities they have with me. I never dislike something because it is different from what I know. When I went to Serbia, I had moved 29 times and lived in 18 places, so you could say this is how I tackle life. From a young age, I grew up in a multicultural society, and I was raised to accept all types of food, even insect dishes. So, when I was in Serbia, I ate only Serbian food. The local people are never wrong in their tastes, and what they recommend is always delicious and cheap. I can’t compare the taste of Serbian food to that of Japanese food, but I instantly fell in love with it. It is easy to satisfy a simple person like me.

 私が着任したときの1年生は、その年だけ入試の方法がちょっと違っていたようで、大人気の日本語科には80名を超える学生が集まりました。教室は36名くらいが入れる大きさなのですが、床に座ってでも授業を受けてくれました。私は元々は保育園の先生の経験もあり、日本では外国につながりのある子どもたち(私自身もそうなのですが)に日本語を教えていたものですから、大学生80名くらいは実はなんと言うこともありません。私に言わせれば、大学生80名は「魔の3歳児」2人分くらいにしか相当しません。それまでは4名くらいは同時に面倒を見てきたので、大学生80数名など、実はなんと言うこともなかったのです。When I was assigned to the 1st grade students, the entrance examination method was slightly different only that year, and the very popular Japanese language course attracted more than 80 students. The classroom was only big enough for about 36 people, but students took my class sitting on the floor. I used to be a nursery school teacher, and in Japan, I taught Japanese to children with overseas connections (like myself), so about 80 university students were not too hard to handle. In my opinion, 80 college students are equivalent to 2 three-year-olds. Up until then, I had taken care of 4 or so children all at the same time, so I had no trouble with 80 or so university students.

 私はセルビアの学生たちの良いところと、日本人(というか私)と似ている点をどんどん見つけていきました。悪いところや違う点を見つけることは簡単ですが、その逆はちょっとコツが必要です。そのコツさえ知っていれば、おそらく、世界中どこへ行っても楽しくやっていけることでしょう。事実、私は外国で嫌な目に遭ったことは全くないのです。
I gradually found the good aspects of Serbian students and how they were similar to the Japanese (I mean, like me). It’s easy to point at things that are wrong or different, but the opposite is a bit tricky. But as long as you know the trick, you’ll probably enjoy going anywhere in the world. In fact, I have never had a bad experience abroad.

◆楽しい「交換日記」/ Fun “exchange diaries”

 一学年の公式の定員が60名。実際にはそれ以上の学生が登録していますし、落第者もいますから、4学年同時に担当すると、ものすごい数になります。もちろん、私一人で面倒を見るわけではないものの、私の授業は私一人で行いますし、私が出した課題チェックも一人で行います。一人一人と親密な関係を築くにはどうしたらよいのでしょうか。
The official quota for each grade is 60. In reality though, there are more students registered, and there are also some students who failed the previous year, so when in charge of 4 grades at the same time, there are a lot of students to take care of. Of course, I don’t do everything by myself, but I do organize all of my classes and check the assignments by myself. How do you develop deep relationships with each student in this kind of situation?

 それは意外にも、私が特になにも意図しなくとも、自然に実現されていきました。元々、ベオグラード大学の日本語科では、日記が課題として出されてきたという伝統がありました。しかし、そもそも日記というものは、日本語教育の中ではそれほど重きを置かれるものではありません。なぜなら、使われる文型が単調になりがちだからです。でも、本当にそうなのでしょうか。
Surprisingly, it came naturally. Originally, at the Japanese language department of the University of Belgrade, there was a tradition to give “diary writing” as assignments. Diaries are not so important in the Japanese language education, because the style of writing can become monotonous. But is it really so?

 私はとにかく誰かと話をすることが大好きです。もちろん、手紙も大好きなのです。学生の日記を読んで、率直な意見や私なりの経験、そして私の個人的なことなどをユーモアやブラックジョークも交えながらコメントをしているうちに、学生たちがどんどん日記の範囲を越えて、様々なことを書いてきてくれるようになりました。それこそ、恋人の出会いから熱いデート、そして悲しい別れまで……。終いには、学生が書いてきてくれた量よりも私の返事の方が長くなることまでありました。まさに交換日記の世界です。
I love talking to people, and of course, I love writing letters. As I read the students’ diaries and commented my honest thoughts, experiences, and my personal matters while sometimes mixing in jokes, the students began to write more and more, beyond the scope of a normal diary. From romantic encounters to hot dates to sad farewells… In the end, my replies were longer than the amount the students had written. This is the world of exchange diaries.

 これは作業量としては大変なものです。私は夜に日記を読んでおいて、朝早く起きてはずーっと返事を書いていました。それは私にとっては疲れるようなことではなく、本当に楽しい時間でした。全ての学生が私の返事に喜んでくれたのかは分かりませんが、「先生、今日は朝の4時まで日記を書いていました!」などと言って提出してくれる学生もいたことから考えると、とても熱中してくれた学生がいたことは確かでしょう。もちろん、たまには「先生、先生の返事の日本語がまだ理解できません……」と言ってくる学生もいました。それは当然。一人一人の学生の日本語能力を書かれた文章から推測し、それよりちょっと高めの日本語レベルの返事を意図的に書くようにしていたからです。「そう? 1年後にもう一度読んでみてね! きっと全部分かるようになっているはずですよ!」と私が答えると、そういった学生も1年後の自分の成長を夢見ることができるのでしょう。目を輝かせながら「はい、分かりました!」と言ってくれたものです。
This is a huge amount of work. I read the students’ diaries at night and got up early in the morning and kept writing replies. It wasn’t tiring for me, it was really fun. I don’t know if all the students were happy with my comments, but there were some students who submitted their work saying things like “Last night, I was up until 4 o’clock writing my diary!” so there is no doubt that there were students who were very enthusiastic about it. Of course, there were some students who once in a while complained that they couldn’t understand the Japanese I was writing to them in. This was intentional, as I had read the Japanese of each student and estimated their level of the language, and replied to them using a slightly higher level.  When I told them they should re-read my comments in a year, and that they will surely we able to understand everything by then, the students seemed so motivated.

 以上のことは、全ての国において実行可能なことなのかは分かりません。セルビアの人はとにかくしゃべり好き。自分のプライバシーも心を開いた人にはどんどん開示していきます。また、自分の意見というものをしっかり持っていて、それをちゃんと表現してきます。そういった国民性も交換日記の成功に寄与したのではないかと思っています。
I don’t know if this would be feasible in other countries. Serbians just love to talk. They tend to disclose their privacy to those who open up to them. Also, they have their own opinions and express them very clearly. I think such national characteristics contributed to the success of the exchange diaries.

 学生にたくさんのことを日記で教えてもらいました。私のセルビアやバルカンに関する知識の90%くらいは、学生に日記で教えてもらったことだと思います。とにかく楽しかった!(実は任期が切れた後も、有志の学生と、毎週Zoomで授業を続けることになっています。それは授業と言うよりは、雑談みたいな楽しい時間です。)
I learned a lot from the students in their diaries. I think about 90% of my knowledge of Serbia and the Balkans was taught to me through them. Most of all, it was fun! (In fact, even after my term as a coordinator expires, I will continue to have classes on Zoom every week with volunteer students. They will mostly be time for chatting, rather than actual classes. )

◆言語は世界を開く素敵な窓 / Language is a great window to the world

 言語とはいったいなんなのでしょうか。なんのために言語を学習したいと思うのでしょうか。特に、セルビアではほとんど実用性がないような日本語がなぜ一番人気の言語なのでしょうか(必要性としては英語が一番なのは言うまでもないにせよ)。
What is a language? Why do you want to learn a language? Why is Japanese the most popular language, especially since it has little practical use in Serbia? (It goes without saying that English is the most necessary.)

 それは自分の興味を持った世界をもっともっと知りたいから。そして、その国の人と心を通わせて仲良くなりたいからにほかなりません。ほかの理由は副次的なものでしょう。
Because people want to know more about the world they are interested in. To be able to get along with people from that country. Other reasons are secondary.

 実際、私はセルビアから一時帰国してからも(結局任期中には帰れなかったのですが)、ずっとセルビア語を楽しんで学んでいます。学ぶと言うよりも、セルビア語を使って、セルビアの学生たちや知り合いたちと、できるかぎりの心の至近距離でコミュニケーションをとりたくて、自然とセルビア語を使い続けているのです。相手に興味を持っているからこそ、学習の動機が自然に高まるのではないでしょうか。そんなコミュニケーション欲を私に持たせてくれたセルビアの人たちには、本当に感謝感謝です。
In fact, even after returning home temporarily from Serbia (I was never able to return to Serbia during my term), I still enjoyed learning Serbian. I naturally continue to use it to communicate with Serbian students and acquaintances as closely as possible. I think the motivation for learning a language naturally increases when you are interested in the other person. I really appreciate the Serbian people who have given me such a desire to communicate.

◆終わりに / And finally

 振り返ってみて、決して自分の授業が上手だったわけでもベストだったわけでもありませんが、間違いなく言えることは、セルビアでの経験は私の人生にとってかけがえのないものになったと言うことです。私の人生の記憶からセルビアが消えてしまったら、私の心の少なくとも20%は消えてしまうようなものでしょう。もはや、セルビアは私のアイデンティティの一角を確実に占めています。
Looking back, I can’t say that my classes were the best, but I can assure you that my experience in Serbia has been invaluable to my life. If Serbia disappeared from my memory, at least 20% of my heart would disappear. Serbia is now firmly part of my identity.

 このような機会を与えてくださった関係者の皆様、そして、私の自由奔放すぎる授業や部活を容認し、いろいろと手助けしてくださった方々、本当にありがとうございます。「生きていて本当に幸せだなぁ」と思える至宝のような想い出を私は大切にして生きていきたいと思います。そしていつの日かまた、皆さんに直接お会いできることを心待ちにしています。
I would like to thank all of those involved who gave me this opportunity, and all of those who accepted and helped me with my overly carefree classes and club activities. You all gave me experiences that made me feel so grateful to be alive, and I will cherish these memories forever. I look forward to seeing you again in person some day.

 本当に素晴らしい「誕生日プレゼント」をありがとうございました!
Thank you very much for the wonderful “birthday present”!

日本語科の教室としては一番小さい地下の9a教室
ですが、学生は輝いていました。
The smallest Japanese language class in the basement classroom “9a” But the students were brilliant.


活動日誌 2020年8月 / August 2020 Activity Report

2020年8月31日 /August 31, 2020
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / Amari Mino

 今年のセルビアの夏は、セルビアの学生と夏の間も続けている課外授業で話をしていて私が聞いた限りにおいては、例年よりはやや雨が多めでジメジメしている感じだということでした。8月に日本からセルビアに帰る予定の留学生に日本の気候の印象を聞いてみたところ、「日本は夏も冬も地獄なんですね……」との感想でした。確かに、日本に比べれば、セルビアのほうが、ずっと過ごしやすい気候でしょう。ほかの地域に住んでみると改めて自分の生きてきた地域の特色が分かるというものです。
This year’s Serbian summer, I have heard, is a little more wet and humid than usual. When I asked a foreign exchange student who was planning on returning to Serbia from Japan in August about his impression of Japan’s climate, he said, “Summer and winter are both hell in Japan.” Indeed, it is much easier to live in Serbia than in Japan. It is only when you live in a new environment that you understand the characteristics of your old habitat.

 セルビアの8月は、日本と同じように夏休みですので、当然、ベオグラード大学も夏休みで特に活動は行われないものなのですが、今年は東京外国語大学からの支援を受けて、日本とセルビアとをつないでの本格的なリモートでの活動がいろいろとできる環境が整いました。8月末には、ベオグラード大学へ留学を希望している外大の学生と、セルビアへの留学から帰ってきた学生、そして、ベオグラード大学の日本語講師陣(と言っても今は日本に一時帰国しているのですが)を交えて、実験的にオンラインミーティングを開催してみました。首尾よく楽しく行えましたので、9月から始める予定のオンライン部活動に向けて意欲を燃やしているところです。なお、これらのオンライン部活動は、新しいGJOコーディネーターとして10月から私の後を継いでくれる予定の八木はるか先生が率先して企画してくれています。コロナ禍だろうがどんな環境下であろうが、セルビアと日本との架け橋がなくなることがないように、あらゆる知恵を絞っていきたいと思います。
In Serbia, August is the month for summer holidays just like in Japan, so naturally, the University of Belgrade does not have any special activities during this period. But this year, with the support of TUFS, we have created an environment in which we can engage in a variety of remote activities, connecting Japan and Serbia. At the end of August, an experimental online meeting was held with students from TUFS wishing to study at the University of Belgrade, students returning from studying in Serbia, and Japanese language instructors from the University of Belgrade (although they have temporarily returned to Japan). We had a great time, so we’re excited about our online club activities, which we’re planning to start in September. Haruka Yagi, who will be my successor as a new GJO coordinator from October, has taken the initiative in planning these online club activities. I would like to exert every effort to ensure that the bridge between Serbia and Japan continues to stand strong, regardless of pandemic or any other circumstances.

◆「セルビアからの留学生」の帰国 / Serbian exchange students returning from Japan

 セルビアからは毎年十人前後の留学生が奨学金を得て留学してきています。3月にセルビアから一時帰国を余儀なくされ、その後もセルビアに戻れない状況が続いていた私は、一時帰国したことはむしろ新たなるチャンスだと捉えて、セルビアからの留学生たちと積極的にコンタクトをとることにしました。しかし、緊急事態宣言の下、なかなか直接会いに行くことはできませんでした。緊急事態宣言が解除された後、7月に入ってからは毎週のように外大へ行く機会がありましたので、少なくとも外大への留学生とは非常に濃い時間を過ごすことができました。
About 10 students from Serbia study abroad every year using scholarships. Having had to temporarily return to Japan in March and having been unable to return to Serbia since then, I decided to make active contact with students from Serbia, seeing this as a new opportunity. However, under the declaration of a state of emergency, I was not been able to meet these exchange students in person. After the declaration lifted, though, I had the opportunity to go to TUFS almost every week from the beginning of July, so I was able to spend a lot of time with the students studying at TUFS.

 さて、留学生たちの大半は、8月末頃にセルビアへ帰国することになっていました。外大へ留学している学生たちは、コロナ禍以降、日常生活についてはやや「仙人風」だったようです。今回の日研生たちは寮ではなく、アパート暮らしでした。これまでセルビアから外大へ留学してきた留学生は絶対的人数が少なく、アパートをどう借りたり返したりすればよいかのノウハウがほとんど蓄積されてきていませんでしたので、帰国に際しての様々な手続きについては、本人たちの自主性を重んじながらも、ポイントを押さえて支援することにしました。(そもそも日本にいるセルビア人は200人弱で、セルビアにいる日本人も同じくらいの数に過ぎないのです。)
Now, most of the students were due to return to Serbia around the end of August. Since the pandemic, students studying at TUFS were apparently living hermit-like lifestyles. The students were not living in the dormitory but in apartments. Up until now, the number of Serbian students studying at TUFS has been small, and so they have little knowledge of how to rent or return an apartment room. Therefore, I decided to support the students by limiting their points in various procedures for returning home, while of course respecting their autonomy. (There are just under 200 Serbs in Japan, and the number of Japanese in Serbia is about the same.)

 私は、単純に手続きを代行してしまうことは嫌いです。日本の複雑な手続きを留学生本人たちが身をもって体験することにより、実際にできるようになってほしいと考えました。ですから、まずは私が横でやってみせて、それを留学生たちも実際にやってみて習得していくというスタイルをとりました。留学生たちは、「先生は本当に楽しそうに手続きの時の電話で担当者の人と話しますよね」と言われました。これは私の話好きな性格にもよるのですが、確かにある程度は、日本の文化とも言えるかもしれません。また、極めて丁寧な言葉(回りくどい過剰な敬語表現など)が使われることが、特に電話でのリアルタイムでの手続きでは多いのですが、それはさすがに日本語学習者にとっては、敬語の点でかなりハードルが高かったようです。それでも、要は何ごとも慣れです。見よう見まねで留学生たちは電話での手続きも次第にできるようになっていき、最終的には自分ひとりでも手続きができるようになりました。とは言え、日本政府の急な方針転換のため、飛行機の国際便の発着便数が急に激減してしまい、出発予定日間近になって出発日が変更になってしまったという想定外の事態のときなどは、1日長くアパートを借りられるように大家さんや不動産屋さんに相談し、さらに、光熱費関係も手続きを再度しなければならなかったため、そういうときは、私が行いました。それでも、留学生たちにとっては、セルビアと日本との契約の進め方の大きな違いが分かったと思いますので、次にまた留学などで来日したときにはきっと自力でできることでしょう。金融機関での手続きもなかなかハードでしたが、もう大丈夫なはずです。このように、教科書とは違って臨機応変に実社会の対応の中で日本語を運用していくということこそが、苦労は多いとは言え、留学の醍醐味のひとつだと言えるでしょう。
I don’t like to simply do procedures on behalf of my students. I wanted them to be able to actually experience the complicated procedures that exist in Japan by themselves. So I supported them by showing them how certain things are done beside them, so that my students could copy me and learn from there. Many students told me that I sound happy when talking to the person in charge over the phone. I guess it is a part of my talkative personality, but to some extent, it can be said that it is also part of the Japanese culture. Also, very polite “keigo” is often used during real-time procedures over the phone, which was a hurdle for many of the Serbian students. However, everything gets easier once you get used to it. By following my examples, the students gradually started to be able to take procedures over the phone, and in the end, they could do it by themselves. However, due to a sudden change in policy by the Japanese government, the number of international flights suddenly decreased, and the departure dates had to be changed last minute. In such urgent cases, I consulted with the landlords and the real estate agents so that the students could rent their rooms for a day longer, and in addition, went through the procedures related to lighting and heating expenses all over again. Still, I think the Serbian students learned a great deal about the way contracts are handled in Serbia and Japan, so they will surely be able to do it by themselves the next time they come to Japan to study. The procedures needed at banks and other financial institutions were also challenging, but everything should be in place now. In this way, unlike textbooks, the ability to use the Japanese language flexibly in response to the needs of the real world is one of the best aspects of studying abroad, although it is a lot of work.

 さて、帰国に当たって何が一番大変だったのかと言えば、それは荷物の整理でした。特に書籍はセルビアまで国際郵便で送る予定だったのですが、「セルビアの国境までは届くのですが、セルビア国内には配送されないという状況が続いています」と郵便局で言われてしまったときには、どうしたものかと途方に暮れてしまいました。ちなみに、これはあるあるの話なのですが、郵便局の方には、最初は、「シベリアに送るのですよね?」と聞かれてしまい、留学生と2人で苦笑いしてしまいました。「先生、本当にセルビアはまだ日本では知られていないんですね……」と、常日頃、私がセルビアでの授業で話していたことをそのまま日本で実体験することとなりました。セルビアの人たちが持つ、日本に対する強い愛情を、日本の人たちに早く気が付いてもらって、セルビアのことを色々と知ってもらいたいものです。
The hardest thing about helping the students return to Serbia was organizing their luggage. In particular, I was going to send books to Serbia by international mail, but when the post office told me “It will reach the border of Serbia, but it will not be delivered within Serbia,” I was at a loss what to do. My students and I were also asked “Are you sending it to Siberia?” to which we responded with a bitter laugh. The students were able to experience firsthand in Japan what I have always said in my classes in Serbia, “Serbia is not really known in Japan yet.” I wish Japanese people would quickly realize the strong affection Serbian people have for Japan and learn more about Serbia.

 結局、土壇場での欠航により、元々は(なぜか)違う日に帰国予定だった外大への2人の留学生は、同じ日に同じ便で帰国することになりました。手続きは面倒なことになりましたが、一緒なのですから、かえって心強いものです。そして、実際には、成田空港では、北海道大学に日研生として留学していた、もうひとりの国費留学生とも合流でき、最終的には、セルビアからの留学生は同じ便で3人揃って帰国するということになり、見送る私としてはとても安心できる結果となりました。
In the end, due to the last-minute cancellations, the two foreign students who were originally scheduled to return on different days returned on the same flight on the same day. The procedures were troublesome, but it was rather reassuring because they went through it together. In fact, at Narita Airport, we were also joined by another government-sponsored Serbian student who had studied at Hokkaido University as a Japanese researcher. Eventually, the three students from Serbia were able to return to Serbia on the same flight, and I was finally reassured when seeing them off.

 当日は、私と私の姉、そして、現在日本の大学院に留学中のセルビアの先輩、そして、日研生の同期の2人、さらには、セルビアへの元インターンシップ生(外大からではないのですが)の合計6名が引っ越しの手伝いに集まりました。車も2台出せることとなり、1台は成田空港まで留学生を送るために使い、もう1台は、処分しきれなかった粗大ゴミを含む様々なものを預かっておいて後々処分するために運び出すために使いました。セルビア人の最大の資産は人的ネットワークです。それが日本においてもいかんなく発揮された形となり、頼もしい限りでした。
On that day, a total of 6 people, myself, my older sister, a senior Serbian student studying at a graduate school in Japan, two of my Japanese peers, and a former internship student in Serbia (not from TUFS), gathered to help with the move. We were able to use two cars, one to send students to Narita Airport, and the other to keep various things including oversized garbage that could not be disposed of and to throw them out later. The Serbs’ biggest asset is their network of people. It was a form of success in Japan as well, and it was very encouraging.

 空港への見送りには日本人2人が同行し、私は最後には留学生たちと3回、ハグをしながらのチークキスをしてお別れしました。セルビアでは最も親愛の情を表す挨拶です。私がセルビアから日本へ急遽一時帰国しなければならなかったときにはできなかったチークキス――その最大の親密さと信頼を表せる3回のチークキスをセルビアからの留学生たちと成田空港でできたことによって、私は、中途半端なままの夜逃げのような気持ちでの一時帰国の感覚に区切りを付けられたと共に、セルビアとの永遠の友情を誓うことができたように感じることができました。
Two Japanese accompanied us to see the students off at the airport. To say goodbye, I kissed the exchange students three times on the cheek while hugging them. In Serbia, this is the most affectionate greeting. When I had to return to Japan from Serbia in a hurry, I was not able to show my gratitude through this greeting. By kissing the students from Serbia three times, I was able to put an end to the feeling that I had returned to Japan half-heartedly, and at the same time, I pledged my eternal friendship with Serbia.

 そんなこんなで、実は8月という月は週に3日ほど、私は実家から片道2時間の道のりを通っていました。いつも片付けをしていたというわけでもなく、お昼から終電間近まで10時間以上も日本語で語り合ったり、お土産を一緒に探しに行ったりなどということもしていました。そういう心と心との通い合いのコミュニケーションはとても楽しく、きっと一生の宝となっていくことでしょう。
In fact, during August, for about three days a week, and I traveled two hours one way from my home to meet with the Serbian students. We weren’t always cleaning up, but we talked in Japanese for more than 10 hours from lunch until just before the last train and went looking for souvenirs together. This kind of heart-to-heart communication was very enjoyable and will surely become a lifelong treasure.

 このように、忙しいながらも極めて充実していたのが8月でした。
As you can see, August was a busy but very fulfilling month.

 また、実際には会えなかったほかの大学への留学生たちとも、全員ではないのですが、オンラインで話をする機会を持て、留学についての感想などを聞くことができました。留学生たちはたくさんの思い出と経験をセルビアに持って帰れたようで、素晴らしいことだと思います。もちろん、途中からのコロナ禍による影響は非常に大きなものでした。私が感心したのは、その中においても、決して後ろ向きになることなく、前向きに留学という経験を積んでいったということです。起きてしまったことは仕方がない。ならば、その中で最良の道を探っていこう、というセルビア流のポジティブな考え方が、今回の逆境の中でも十分に活かされたのではないでしょうか。
I also had the opportunity to talk online with some, but not all, of the exchange students who were studying at other universities that I didn’t get to meet in person. I was able to hear their thoughts about studying abroad. I think it is wonderful that these students brought back many precious memories and experiences to Serbia. Of course, the influence of COVID-19 during their study abroad was immense. What impressed me most was that the students did not turn their backs on themselves, but rather gained a positive experience in Japan. What happened can’t be helped. But you can find a way even in troublesome situations, and I think this positive Serbian attitude was at its best in these difficult times.

 本来なら、私は留学生の帰りをセルビアで迎えるはずでした。それが、留学生を日本から見送るという立場に変わり、そして、留学生が日本にいる、まさに「生」のライブの状態での考えを聞け、留学生たちの生の生活も垣間見ることができました。コロナ禍によって偶然にも私の視点が大きく変わったわけですが、それは新たな気付きを私にたくさん与えてくれました。
I was supposed to welcome the students’ return in Serbia. However, this changed to seeing them off from Japan, and I was able to get a glimpse of their lives and listen to their thoughts while they were actually in Japan. By chance, the pandemic changed my point of view, and it gave me a lot of new awareness.

 留学生の皆さん、本当にお疲れ様でした。そして、たくさんの意見や感想を聞かせてくれてありがとう! 私はまた絶対にセルビアの地を踏んで、できれば再び皆さんと一緒に勉強をしたいと希望しています。もっと言えば、私はセルビアで余生を過ごしたいという願望すら抱いています。それほどまでに、皆さんの心意気から感じられるセルビアの魅力が大きかったのです。ぜひまたお会いしましょう!
Serbian exchange students, I would like to say well done. And thank you for your many opinions and impressions! I would definitely like to visit Serbia again and study with you again if possible. In fact, I even have a desire to spend the rest of my life in Serbia. I was able to witness the beauty of Serbia through all of you. I am looking forward to seeing you again!

8月30日夜の成田国際空港第2ターミナルからの出発便は、 留学生たちが乗った便以外は全て欠航でした!
All flights departing from Narita International Airport Terminal 2 on the night of August 30 were cancelled, except for those carrying the Serbian students!


活動日誌 2020年7月 / July 2020 Activity Report

2020年7月31日 /July 31, 2020
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / Amari Mino

 遅くとも7月頃になれば東京外国語大学からベオグラード大学文学部へ派遣されている私たち日本人講師たちはセルビアに戻れるだろうと、日本への「一時帰国」当初は考えていたのですが、なかなかそのようにはいきませんでした。それはそれでとても残念なことではあるのですが、待てば海路の日和ありです。体をセルビアに持っていけない間は、心を毎日セルビアに届けようと決心しました。それで、7月中旬からの本格的な夏休みシーズンに入っても、ベオグラード大学の日本語大好きな学生と共に勉強を続けてきました。それと同時に、東京外国語大学へベオグラード大学から勉強しに来ている留学生たちとも、7月に入ってからは、実際に会っていろいろと話を聞くことができました。そういったことを通じて、インターネットを中心として繋がりながら大学という場を実現して行くにあたってたくさんのことに気が付かされました。今回は、特に印象深かった点について、書き記しておきたいと思います。
When all of the chaos surrounding COVID-19 began, I thought that the Japanese lecturers from Tokyo University of Foreign Studies (TUFS), including myself, working at the Faculty of Letters at the University of Belgrade, would have been able to return to Serbia by July at the latest, but that was unfortunately not the case. I suppose that all we can do is believe that there is a light at the end of this tunnel. While I was unable to physically be in Serbia, I did everything possible to stay connected with my students. Even when the summer holidays began in mid-July, I continued to study with the Japanese-loving students of Belgrade University. At the same time, I was able to meet and talk with the many foreign exchange students from Belgrade who came to study at TUFS in July. Through these activities, I have come to realize a lot of things about providing a university experience while staying online, which I would like to share with you today.

◆セルビアとデジタルな授業 / Serbia and digital teaching

 もうすでに様々に語られているように、新型コロナウイルスによる、大学への影響というものは多大なものだとつくづく感じさせられます。
As many of you must already be aware of, the impact of COVID-19 on universities is immense.

 ここでは、私が日本からデジタルな手段を使ってサポートしたセルビアの学生たち、そして、セルビアから日本の大学へ留学している学生たちを見ていての感想を述べたいと思います。そして、「教師」としての側の感想も書いておきたいと思います。
From a teacher’s point of view, I have a few thoughts on the matter gained through my work with students in Serbia, connected using digital means, and my experience with Serbian students studying in Japan.

 突然ですが、皆さんは、「チークキス」をしたことがありますか?
But first, here’s a random question. Have you ever kissed someone on the cheek?

 セルビアの人たちはチークキスが大好きです。親しい人と会ったとき、そして別れるとき、日常的にチークキスをします。
Serbians love cheek kissing. It is a common practice, done when one greets and parts from another.

 実際には、本当にほっぺたにキスを必ずしもするわけではなく、頬にキスをする真似をしながら口先で「チュッ」と音を出すだけのことも多いのですが(むしろそれが普通)、本当に親しい間柄や、たとえ30分ほど話した相手であってもとても楽しいひとときを過ごせたと感じたような場合は、まず左頬にチークキス、それから右頬に、そしてもう一度、左のほっぺに、都合3回チークキスをします。私はさらに4回目のキスを正面から唇にされたこともありますが、それはちょっとお酒の入りすぎでしょうか。
In fact, Serbians don’t necessarily kiss on the cheek, but they often make a sound with their mouths while imitating a kiss, but if you are really close to someone, or if you feel that you had a very good time even with someone after being with them even for 30 minutes, you can start with a kiss on the left cheek, then on the right cheek, and once again on the left cheek: three kisses in total depending on the situation. I have also had a fourth kiss from the front, but that was probably just because he had one too many drinks.

 いずれにしてもこれがセルビアの人たちの日常です。セルビアが大好きで日本からベオグラード大学へ留学に来た学生であってもなかなかなじめないチークキスですが、私はチークキス大好き人間で、セルビアにいた間にそれこそ何百回となくしたものです。おそらく、幼少時からハグやチークキスのある文化の中でも育ったからかもしれません。
In any case, this is the daily life of the Serbs. I’m a big fan of cheek kisses, and have experienced it hundreds of times while in Serbia. Although many Japanese, even those who love Serbia and have studied there can never get used to this custom, I love it! Perhaps because I grew up in a culture with hugs and cheek kisses when I was a child.

 さて、日本人が普通にペコっと頭を下げたり会釈するようにチークキスをするような濃厚接触文化のもとで育ってきたセルビアの人たちにとって、果たしてコロナ禍における心情はいかがなものでしょうか。
Now we must consider, how do Serbs, who have grown up in such a high-contact culture, feel about COVID-19?

 私と言えば、3月にセルビアを離れざるを得なかったとき、誰ともお別れのチークキスをしないままだったことをひどく残念に思い、実はかなり心のなかで引きずっていました。なんだかちゃんとした挨拶もないままに生き別れになってしまったような実に心残りな気持ちなのです。
As for me, when I had to leave Serbia in March, I was very disappointed that I was unable to kiss anyone goodbye. It was an extremely regretful feeling I had for days.

 セルビアにいる学生に聞いてみても、セルビアから日本へ来ている留学生たちに聞いてみても、デジタルな授業の環境下で、やはり第一に挙げるのは、「友達と会えない寂しさ」です。ちなみに、「先生に会えない寂しさ」というのは残念ながらあまり聞いたことはないのですが、「教師」側の私としては、学生に直接会うことがなかなかできないというのはとてもつらいことです。
When I ask students in Serbia and students from Serbia who are studying in Japan about studying in a digital classroom is, the most frequent answer I get is “It’s lonely because I can’t meet my friends.” Although unfortunately I haven’t heard anyone talking about the loneliness of not being able to see their teacher, it is very difficult for me as a teacher to be apart from my students.

 やはりあらためて思うのは、大学という社会は、友達などの人間関係のプラットフォームがあってこその存在なんだな、ということです。逆に言えば、そこだけしっかりしていれば、恐らくは、どのようなデジタルな形態の授業であっても楽しく意義のある大学生活は成り立ってしまうのではないでしょうか。
I think that the university society is a platform for human relationships, such as friends, and it is this platform that makes it possible for a university to exist. In other words, if you have a strong foundation of human relationships, you can probably have an enjoyable and meaningful university life, no matter the format of your classes.

 実際、セルビアの人たちは何千人もが英会話の先生として、日本人にオンラインでセルビアからレッスンをしています。セルビア人の英語は日本人には聞きやすく、そして、何よりも基本的なメンタリティが似ていますから、セルビア人の英会話の先生は人気があります。そして、私がちょっと聞いた話だけでも、毎年数名は、生徒である日本人と結婚にまで至っているのです。デジタルな関係だからといって障壁にはならないわけで、この場合は、むしろ対面デジタルであるからこその結果なのでしょう。
In fact, thousands of Serbians teach English conversation to Japanese people online from Serbia. Serbian English conversation teachers are popular because their English is easy to understand for Japanese, and above all, their mentality is similar. From what I’ve heard, every year some of them end up marrying their Japanese students. In this case, the digital format is not a barrier, but rather what made the relationship possible in the first place.

 さて、私は3月に日本に一時帰国したままなのですが、その後は7月に入るまではほとんど自宅のみでベオグラード大学の学生に対する授業などをおこなってきました。ですから、ここではまず、日本からセルビアに対しておこなう場合について考えてみたいと思います。
Now, back to the topic. I returned to Japan temporarily in March. Since then, until the beginning of July, I gave lessons to students at Belgrade University almost exclusively from home. So, first of all, I would like to tell you about my thoughts on teaching from Japan to Serbia.

 日本からセルビアまではおおよその物理的距離が1万キロほどありますが、恐らくはインターネット上の距離はもっと遠い印象を受けます。1対1の音声通話であれば問題はありませんが、Zoomを使った場合は、学生が帰郷している地域によっては、1対1ですら途切れ途切れになってしまうことがあります。ですから、1対多のリアルタイムでのオンライン授業はもとより考えられないことでした。ですから、ベオグラード大学では「オンライン授業」と言っても、オンデマンド式も含めてほとんどおこなわれなかったのではないかと推測されます。そうすると結局は、本を指定し、課題や宿題をメールなどで提出してもらうだけという方法になってしまいます。
The physical distance from Japan to Serbia is roughly 10,000 kilometers, but the Internet gives the impression of it being much further. One-to-one voice calls are fine, but with Zoom, even one-to-one calls can be interrupted by internet connection, depending on where the student lives.So, it was unthinkable to have Zoom online classes with more than one student in real time. I assume that even though there were mentions of “online classes” (including on-demand classes) at the university, there were very few in reality. In the end, most of the students were just assigned books to read and homework to hand in by email.

 結果として、学生たちは、授業を受けることなく大量の課題だけを抱えさせられてしまうことになってしまいます。それはかなり大変なことだろうと想像できましたので、私は授業はオンデマンド式で提供し、課題は通常の授業のときと特に変わりなくして提出だけはメールやアップロードでおこなうようにしました。もちろん、授業は見ても見なくてもそれは成績(出席点など)には反映されません。Dropbox、Google Drive、Loom、Google Classroomなどの複数の手段を使って、画像なしの音声だけのファイルも用意し、なんらかの手段で授業が見たり聞けたりできるようにしてはおいたのですが、すべての学生が見られる保障がないからです。誰が見たかはわかりませんが、閲覧の統計記録を見てみると450名くらいのユニークアクセスがありましたので、見てくれた学生は見てくれたようです。また、一部の授業はFacebookを通じて「友達」に公開して、授業に対してアドバイスをもらっていました。ベオグラード大学自体からは全くのノーサポートで、授業のやり方は教師個人にすべてが任されていて自由でした。
As a result, students were left with a lot of assignments without taking any actual classes. I imagined how tough that would be, so I offered my classes on-demand, and the assignments were submitted via email and uploads, just like in my regular classes. Of course, whether they watched the class or not, wasn’t reflected in their grades or attendance. We used multiple methods, such as Dropbox, Google Drive, Loom, Google Classroom, and others, to create audio-only files, so that students could not only watch but also listen to the classes in one way or another, but there was no guarantee that all of the students would be able to access them. I don’t know who saw them, but when I looked at the viewing statistics, there were about 450 accesses, so there were definitely those who used the content. In addition, some of the classes were open to “friends” via Facebook so that I could receive feedback on my classes. The University of Belgrade itself provided no support whatsoever, and the individual teacher was free to do everything in their classes.

 とにもかくにも日本からセルビアへの細い細いデジタルの絆を頼りに手探りでおこなってきましたが、教師側として何が辛いかと言うと、やはり学生からのフィードバック情報の少なさです。いつもなら、その場で空間を共有し、表情のほんの少しの変化でも読み取って授業をリアルタイムで調整したり、ブレイクタイムに「遊び」の時間を入れたり、冗談を言ったりといろいろとできるのですが、そういうことがとてもやりずらかったことが5月くらいまでの状況でした。オンデマンド式ではリアルタイムのキャッチボールはできないので、公式の授業以外に非公式の「放送」などを作って、学生に心のこもった私なりの変化球の愛のボールも投げることでなんとか精神を保てたという感じでした。
In any case, I have tried to find a way to make the classes work, relying on the narrow digital ties from Japan to Serbia, but what is painful is the lack of feedback from students. Usually, I am able to share space and time with the students, making it possible to adjust small details by looking at the changes in the students’ facial expressions.Making time for jokes and fun was also difficult, especially until May. In on-demand classes, because it is difficult to connect with the students in real time, I made some unofficial announcements and material unrelated to class so that the students and I could keep our peace of mind.

 ベオグラード大学の公式の授業は5月中旬で終わりでしたので、その後は状況が大きく変わりました。
Official classes at Belgrade ended in mid-May, and things changed a lot after that.

 なにせ、そこからは本当にまったく自由なのです! 私は生身がセルビアにあったときは、よく課外授業を希望者にしていました。ほとんど正規の授業と同じくらいかそれ以上の時間を課外授業や部活動に割いていたと思います。そういうことがようやっと公式の授業期間が終わったあとにできるようになりました。結局は、公式授業の期間中は私自身が慣れないデジタル授業で手が回りきれなかったのです。
When I was in Serbia, I often applied to teach for extracurricular lessons. I think I spent almost as much time as regular classes or more for extracurricular classes and club activities. I was finally able to do that after the official classes ended. After all, during the official classes, I wasn’t able to handle any more than I already had on my plate.

 完全に有志の学生だけを募ってエキストラクラスを編成できるようになってからは、基本的に1対1のリアルタイムのオンライの授業というか雑談タイムというか、とにかく学生の希望に沿って一緒にデジタルの時間を過ごせるようになりました。そこからは本当に楽しかったです。とにかくセルビアの学生というのはおしゃべりが大好きです。もともと時間があれば男女を問わずにカフェに行っておしゃべりをしているという感じです。その感じをデジタルにも移すことができました。わざわざ休暇期間中にエキストラクラスに参加してくれる学生というのはそれほど人数はいませんので、とにかく学生個人個人のことを掘り下げて知ることができました。根掘り葉掘り聞かなくてもセルビアの学生はなんでもしゃべってくれます。家族のこととか、セルビアの古代からの歴史とか、自分の趣味とか、恋人のこととか、教師側からは見えない学生たち独自のネットワークのことなど、とにかく様々なことを話してくれます。話したいことを日本語で話し、私との場合は英語やセルビア語でのちゃんぽんでもOKなのですから、学生にとっては気が楽な時間だったのではないでしょうか。私も自分のことをしゃべるのは大好きですし。なるほど、この調子だから、英語の1対1のリアルタイムの授業を通じて日本人と結婚するセルビアのオンライン英会話教師(日本語科の少なくない学生もアルバイトとしてやっている)がかくも多いのだな、と納得しました。ちなみに、「宿題をください! やりたいんです!」という殊勝な学生がエキストラクラスには多かったのには驚きました。宿題コールがあるたびに、ちょっと変わった宿題のお題を出したりするのも楽しみでした。
After I was able to organize extra classes entirely by inviting only volunteer students, I planned my classes according to the students’ wishes, either as a one-on-one real-time online class or just as some chatting time. It was really a lot of fun. Serbian students love to talk. Many just go to cafes to chit-chat whenever there’s any spare time. I think I was able to transfer that atmosphere into my online sessions. Not many students take the time to attend extra classes during their holidays, so I was able to get to know more about each student too. You don’t even have to ask them questions, Serbian students will talk to you about anything. They talk about their families, the ancient history of Serbia, their hobbies, their girlfriends or boyfriends, their own networks of students that teachers don’t usually get to be a part of, and so on. I think the sessions were not stressful at all for the students, as they could talk about whatever they wanted in Japanese, and in my case, they were allowed to speak a mixture of English and Serbian with me. I also love talking about myself, so it was very enjoyable. Now I see… This is why so many Serbian online English conversation teachers (many students in the Japanese language department also do this part-time) marry Japanese people through their English one-on-one classes. I was also surprised that there were many outstanding students in the extracurricular classes who wanted to be given homework. It was fun even for me to come up with and give out homework with a twist.

 7月に入り、東京外国語大学に直接行く用事が毎週のようにできたことで、ベオグラード大学から外大に留学している学生たちに定期的に会える機会ができました。ここからは、外大への留学生と、他の日本の大学への留学生たちから聞いた意見をちょっと記しておきましょう。
Starting in July, I was able to go directly to Tokyo University of Foreign Studies almost every week, which gave me a regular opportunity to meet students studying at TUFS from Belgrade. From here on out, I would like to share with you the opinions I have gathered from the Serbian students.

 今回の留学生たちは、日本に来たときは新型コロナウイルスのコの字もなかったころですから、前半は楽しく留学生活を送ってきました。日本で親しくなった友達も普通に持っており、その点、良かったなと思います。とは言え、その友達と物理的に会うことが難しくなってしまったことは、セルビアからの学生にとってはかなりの精神的な打撃でした。チークキスどころか、会ってご飯を食べることもできないときがあったわけですから、それは辛いのも当然です。
When these students came to Japan, COVID-19 had not yet spread, so they enjoyed the experience of studying abroad in the first half of the year. I think it was good that they made friends in Japan before the pandemic hit. However, the difficulty of physically meeting their friends took a considerable emotional toll on the Serbian students. There were times when they couldn’t even see their friends or go out to eat together, let alone giving them a kiss on the cheek.

 ただ、留学生の環境によって違いはありました。寮に住んでいる留学生は、例えば、ルームメイトと相部屋の場合は全然寂しくなかったとのことですし、寮のラウンジで他の留学生たちと会えるから問題なかったという声も聞かれました。外大への日研生は、2019年度は寮に入れなかったので、コロナ禍の中では、日本でせっかく友だちになった留学生仲間に実際に会うことがなかなかできずに、かなり精神的に参ってしまったようです。やはり、生身で触れ合うに越したことはないのです。
However, there was a difference depending on the environment that the students lived in. I heard that the students living in the dormitories, for example, were not lonely at all as they shared a room, and that there were no problems because they could meet other foreign students in the common rooms. JLC TUFS students were not allowed to live in the dorms in the school year of 2019, so during when the pandemic worsened, they were unable to meet the friends they had made in Japan. After all, nothing beats in-person interaction.

 日本で受けたオンライン授業については肯定的な意見が多かったです。中には、「むしろオンラインのほうが先生が目の前にいないので緊張しなくて済むから自分には向いていた」という意見もありました。私が、「じゃあ、学生だけが教室に集まって、先生からオンラインで授業を受けるのは?」と、ちょっと意地の悪い質問をしてみたところ、「それが最高です!」と、セルビアの学生らしく、ブラックユーモアで返してくれました。
There were many positive opinions about the online classes they took in Japan. Among them was the opinion that they preferred online classes because they wouldn’t get nervous as the teacher was not in front of them. When I asked them a rather nasty question, “Then why don’t you take your online classes with your classmates in the same room without your teacher?” they replied with a typically Serbian dark humor, “That would be the best!”

 ただ、一方で、授業の内容そのものに関しては、色々と意見を言いたかったようで、どういう授業が楽しかったのか、教えてくれました。一番楽しい授業というのは、「外国語の授業っぽくない授業」とのことです。「あ〜外国語の授業だな〜って感じの授業だと、まぁ普通だな〜って感じです」と言っていました。セルビアから来ている留学生は上級者が多いので、もはや日本語がどうのこうのというよりも、内容第一なのでしょう。具体的にここに彼らの意見をもっと書いておきたいところですが、最後に一つだけ書いておきましょう。「授業は難しくてもいいから、課題は多すぎないほうがいい」とのことです。睡眠時間を大幅に削られたり、デジタルな暮らしの中でオンライン授業と課題に追われすぎて生活リズムを崩し、昼夜逆転の苦しい状態に陥ってしまった留学生もいましたので、生活に余裕を十分に持てる程度の課題が、デジタルの場合は良いようです。げっそりと痩せこけた青白い顔で、「デジタルになってから、正直、本当にhell、地獄でした……」と言われたときには、さすがに考え込んでしまいました。ちなみに、そういう学生も定期的に私と会って話をし、色々と溜まっているものを吐き出していくうちに「地獄」からは抜け出して元気になっていきましたので、ホッとしました。実はセルビアの人たちは、なかなか人に頼ろうとしなかったり、やせ我慢をしてしまう傾向があるのです。これはセルビアならではのプライドが悪い方向に出てしまったケースで、本人たちも自覚しているのですが、国民性ですからちょっと仕方がありません。留学生の国民性を理解している人が適切なサポートをやや強引にでもしていくことの必要性を痛感しました。
Many of the students seemed to want to express their opinions on their classes, and told me about what kind of classes they enjoyed taking. The most enjoyable class was, as they put it, “a class that didn’t feel like a foreign language class.” They said, “If the class feels like a foreign language class, it’s just normal. There’s nothing exciting about it.” Many of the students from Serbia have high levels of Japanese, so the content of the class is what they appreciate most. I would like to keep writing more specifically about the students’ opinions, but let me share one last important message from the students: “It doesn’t matter if the class is difficult, but it does if there are too many assignments.” There were some students who lost a lot of sleep, or who were caught up in too many online classes and assignments in their digital lives, that it disrupted their sleep cycles and caused them to have to sleep during the day while staying awake all night. There has to be a good balance in the students’ lives, especially when everything is conducted online. There was even a student whose face had become thin and pale, and who told me, “After everything went online, it felt like I was living in hell…” I was relieved to know such students were able to meet and talk to me about their problems on a regular basis so that at least I could help them in feeling less like “hell”. The thing is, Serbians tend not to rely on others, and put up with whatever is troubling them. I feel that this is a case in which the pride of Serbians has gone in the wrong direction, and the Serbs themselves are aware of this, but it cannot be helped because it is a national characteristic. I keenly felt the need for people who understand this trait of the Serbs to provide appropriate support for the students.

 これからの世界は、言われているように、大きくデジタル化に舵が切られていくのでしょう。試行錯誤を重ねながら、それぞれの文化的な背景を大切にしつつ、皆が幸せに勉強でき、デジタルならではの良さを享受できるようにしていきたいものです。
As it is said, the future of the world is steering toward digitalization. Through trial and error, and understanding in others’ cultures, I hope that everyone can study happily and enjoy the benefits of digital technology.

こうやって留学生と食事しながら話すときこそが幸せそのものです


活動日誌 2020年6月 / June 2020 Activity Report

2020年6月30日 /June 30, 2020
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / Amari Mino

 今年のセルビアの6月は4年に一度の国民議会の選挙で、国全体が新型コロナウイルス感染症で大きく揺れる中、大荒れに荒れながらも現職大統領が再選するという結果で終わりました。ただ、選挙活動のためということもあって、5月から規制をほぼ解除してしまっていたため、それが大きく裏目に出てしまいました。ベオグラード大学では6月と7月に学期末試験を予定していたのですが、その直前に、大学の寮を中心としてクラスターが発生してしまいました。学生数約10万人、寮の数も約10もある大きな大学であるため、その衝撃は計り知れないものでした。教室や講堂に集まっての学期末試験は、結局の所、現時点では不可能だと判断し、平常点や活動点のみから全体の点数を付けていくという非常事態措置が日本語科ではとられることとなりました。何よりも一番大切なのは学生の健康と命です。感染に対して恐怖心を抱いている学生たちも、ホッと胸をなで下ろしたとのことです。しかしながら、テニスのジョコヴィッチ選手までもがコロナに感染し、セルビアでの大会で感染を広げてしまった事件なども起き、セルビア国内の騒然たる雰囲気はまだまだ収まらないようです。

◆日本とセルビアを結ぶ糸

 6月末の時点において、日本とセルビアを結ぶ糸は一見とても細くなってしまっています。そもそもセルビアへはコロナ以前から飛行機の直行便はもとよりないため、第三国を経由しなければなりません。5月末頃には7月からセルビアへの交通手段が復活することになっていたのですが、それも6月下旬にはキャンセルされてしまい、今のところ、7月下旬からの便が果たして飛ぶのか飛ばないのかという状況です。

 そのような中でも、日本とセルビアを結ぶ何らかの糸は必要です。幸い、インターネットというものが今の世界では存在しますが、それだけでは実はどうしようもありません。ネットはあくまでもただの道。それそのものが何かをしてくれるわけではありません。

 私がGJO(グローバル・ジャパン・オフィス)のコーディネーターとして、セルビアと日本を結ぶ役としてこの2年近く働いてきて、セルビアの人々から教えてもらったことをあらためて考え直してみますと、それは、「結び」「結ぶこと」の大切さです。人と人とを結ぶ、人と土地とを結ぶ、そして、人と時間をも結ぶ、様々な結びこそがセルビア人たちをセルビア人たらしめていることが分かります。

 日本とセルビアとの結びつきは決して細いものでも弱いものでもありません。そして、その結びつきは、単純に経済的な面であったり、技術的な面であったりするにとどまりません。精神的な結びつきがとても強いと思うのです。

 それは、およそ100年前のパリ講和会議において、日本が国際会議の場で人類史上初めて人種差別撤廃提案をおこなったときに当時のユーゴスラビア王国が賛成票を投じてくれたことにも見られますし、ユーゴスラビア解体にともなう紛争からの復興過程における結びつき、そして、東日本大震災、セルビアでの大水害のとき等々にも、両者の結びつきが、形式上な国際儀礼や援助を超えた、強い精神的なものとして見て取ることができるかと思われます。

 そして、この精神的な結びつきが持てるかどうか、ということが、実はセルビアでは最も大切なことなのです。形だけでは駄目なのです。

 セルビアの学生たちは、今のようにデジタルで細く繋がった状態であっても、例えば、私の授業やおこなっていることに対してよくこう言ってくれます。

 「先生は、とても献身的です」と。

 セルビアにおいては、この献身的という言葉は、単なる義務や義理といった程度を超えた、強い精神的なもの──それは愛情と言っても良いかもしれません──が、感じられる場合だけに使われます。そこまでいってこそ、セルビアでは本物の結びが成立するのです。

 セルビア人の献身的な心というものは、極めて強いものです。常識的に私たちが考える以上の献身性を持っているのがセルビアの人たちです。そして、彼らは最後には必ず、より献身的な心意気を持った人たちと強い結びつきを持ち、それこそ自分の命に替えてでも一緒に何かを成し遂げたり、相手に尽くします。セルビアの学生たちが熱心に「武士道」や「葉隠れ」「五輪の書」などを読んでいるのを見ると、そういった書物に表されている何かに強く共鳴していることも分かります。

 セルビアの人たちに対して本当に献身的な心をもって接している国というのは、実はまだ、その数は多くはありません。多くの国はセルビアという国を、ある意味、誤解してしまっていると言ってもいいでしょう。そういった状況下でも、本当に献身的な心を持って接してくれているとセルビアの人たちが考えている数少ない国の一つが日本なのです。相手の献身的な愛情にはそれ以上の献身性をもって返してきてくれるセルビアの人たちと、これからもあらゆる面での結びつきを大切にしていくことは、結局は我が身を助けることにすらなると、セルビアの人たちと実際に密に接してきた私には直感的に感じられます。

 日本を本当に愛してくれている国というのは、世界を見回すと、実は数少ないというのが実情です。セルビアは日本を本当に愛してくれている国であることを、ぜひ覚えておいていただければと、強く思います。

 そして、その窓口の一つとして、GJOベオグラード大学が存在し続けていってほしいと願います。

私が赴任した頃の学生の作品の一つ

活動日誌 2020年5月 / May 2020 Activity Report

2020年5月31日 / May 31, 2020
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / AMARI Mino

 人は未曾有の大危機に際して何を考えるべきなのか。特に、教育に携わるものは何を考えるべきなのか、日々悩み、苦しみ、実践を続けてきたのが、2020年のこの5月という月でした。第一次世界大戦ではセルビア人の5人に1人とも4人に1人とも言われる人が亡くなり、しかも、成人男子の約半分は戦死してしまったという中からすら立ち直ったセルビアですから、私はこれからも大丈夫だと信じますが、さすがに今回の新型コロナウイルス感染症の危機というものは、それに匹敵するかそれ以上の困難をセルビアにもたらすかもしれません。しかし、いかなる困難にさらされようとも、決して希望を失わないこと、決して希望を失わせないような支援を続けることが、大切です。
  What and how should people think in the face of an unprecedented crisis? In particular, this May of 2020 I spent many days worrying, suffering, and trying to execute what we as educators can do in times like these. In the First World War, 1 in 5 or 1 in 4 Serbs died, and I believe that Serbia, which has recovered from half of its adult male population being killed at war, will be able to overcome this virus. However I fear that this COVID-19 crisis may present Serbia with equal or greater difficulties. During these difficult times it is important to continue supporting each other so that we never lose hope.

◆セルビアで日本語を教えてみませんか?
Interested in teaching Japanese in Serbia?

 さて、セルビアのみならず、世界中、そして、東京外国語大学も例に漏れず、今は大変な状況下に置かれているのですが、足下だけを見ていても仕方がありません。危機はいつかは収まります。明けない夜はないはずです。ですから、ここでは将来を見据えて、私からセルビアで日本語教育に携わることの楽しさ、素晴らしさ、そして、多少の困難についてお話しし、セルビアで日本語を教えてみたいと思っていただけるように、書いていきたいと思います。
  Not only in Serbia but all over the world, as well as at Tokyo University of Foreign Studies, people are in difficult situations. However, there is no point in feeling defeated forever. The crisis will come to an end someday. There is always a light at the end of the tunnel. So, looking ahead to the future, I would like to talk to you about the joy, the wonder, and some of the difficulties of teaching Japanese in Serbia, so that you may want to try it yourself one day.

 日本語教育に携わる者としては、たいていの人は、もしかしたら海外で一度は経験を積んでみたいと思われるかもしれません。幸い、日本語はほとんどすべての国で学習されており、熱心な学習者を抱えています。とても不思議な言語ですね。ほぼ日本国内でしか使用されることのない言語でありながら、1億人以上の話者を有する大言語。そして、言語と一体となった巨大で不思議な文化と社会が同時に存在しています。これは海外から見ると、ほとんど奇蹟のような存在なのです。
  As Japanese language educators, most people may want to gain experience overseas at least once. Fortunately, Japanese is studied in almost every country in the world and there are many enthusiastic learners out there. It’s a very strange language. Even though it is used only in Japan, it is spoken by more than 100 million people. At the same time, a huge and mysterious culture and society exists together with the language. This is almost a miracle from the point of view of foreign countries.

 中でも、中東欧と呼ばれる地域では、日本を見つめる目がひときわ輝いています。日本への国費留学生数世界ナンバーワンを誇るポーランドを始め、驚くほどの親日国がひしめいています。その中においても、セルビアは図抜けています。まだまだ日本のみなさんには国名も場所もあまり認識されていないか、ユーゴスラビア解体時に欧米メディアによって一方的に流され、印象づけられてしまった「怖い」セルビア人のイメージを持っているかのどちらかのケースが、多いように思われます。しかし、セルビア人の日本への国費留学生数は、ポーランドと比べた場合、対人口比では勝るとも劣らぬ数を誇っているのです。人口は700万人程度の国ですから、絶対数では日本語学習者数はそれほど多いとは言えませんし、なによりも、在セルビア日本人は、2019年6月時点ではなんとたったの177名です。それでも、2019年のベオグラードの言語専門高校の入学試験では、日本語コースが人気第1位。入試倍率も約4倍にも達しました。大学でも中国科と日本語科は、常にトップ争いをしています。
  Especially in Central and Eastern Europe, many students admire Japan. There exists an astonishing number of pro-Japan countries, including Poland, which holds the largest number of government-sponsored exchange students going to Japan in the world. Among other Central and Eastern European countries, Serbia stands out the most. Unfortunately, it seems that there are still many cases where Serbia’s existence and location is not well recognized by the people of Japan. Some Japanese even have the misconception that Serbs are “scary”, due to the media’s portrayal of the country during the Yugoslavia split. However, the number of Serbs studying in Japan is no less than the number of Polish students per capita. With a population of only about 7 million people, we cannot say that the number of people studying Japanese is very large in absolute terms. More importantly, the number of Japanese living in Serbia was only 177 as of June 2019. Even so, in 2019 at a high school specializing in languages here in Belgrade, the Japanese course was ranked most popular of all other existing courses. That year, only 1 in 4 students passed the entrance exam. Even in universities, the Chinese and Japanese departments are always the most popular.

 なぜ、これほどまでに日本への関心が高いのでしょうか。内戦終結後、日本が莫大な支援をしてきたからと言うのも一つの理由には挙げられるでしょうが、私はそれほど底の浅い理由だとは思っていません。
  But why is there so much interest in Japan? One reason may be the fact that Japan has provided enormous financial aid to Serbia since the end of the Civil War, but I don’t think the real reason is as shallow.

 実はセルビアで学生たちと様々なコミュニケーションを取りながら私が学び、気が付いたことに、セルビア人と日本人の精神性の親和性があります。精神性も近いなら、実は、文化の深い部分での親和性も高く、また、経験してきた歴史的体験も意外と近いのです。
  As a matter of fact, I learned in Serbia through communicating with students, that there is a similarity in the spirit between the Serbs and the Japanese. This means that there are parallels between aspects in culture, as well historical background.

 あまりここでは深く論じる紙面がありませんが、精神性の近さというものは、実際にセルビア人と友人になっていくと、本当によく分かります。セルビア人は自分たちの祖先はオオカミであると信じています。そして、その魂には日本で言うならば、武士道が宿っています。とは言え、決して好戦的な人たちではありません。日常生活で、街頭で殴り合いなどのけんかは見た事がありませんし、お互いの助け合いの精神は素晴らしいものがあります。ちょっとでも困った人がいれば、すぐに助けようとします。おもてなしの心も、日本人以上に持っています。
  There’s not much more I can discuss here, but when you actually become friends with Serbs, you really understand the similarities in mentality. Serbs believe their ancestors are wolves. And “Bushido”, as we say in Japan, dwells in their souls. This doesn’t mean that Serbs are necessarily aggressive people. In my daily life, I have never seen fights on the streets, and you can see how everyone is always helping each other out. If there is a person who is in trouble, help is always offered in Serbia. I feel that the spirit of hospitality is even stronger than that of Japan.

 セルビアの一番古い暦では、なんともうすでに7千数百年の時が刻まれています。古代サンスクリット語には、当時インドに住んでいたセルビアの強い部族長の名前が形容詞として残っています。今でこそ、セルビア正教がメインの国ではありますが、実は、正教の中では、私の意見ではありますが、絶妙に、古代からの自分たちの宗教観や文化的伝統を上手に保存しているのがセルビアです。
  In Serbia’s oldest calendar, more than 7000 years have already passed. The name of a strong Serbian tribal chief who lived in India at the time remains as an adjective in ancient Sanskrit. The Serbian Orthodox Church is predominant throughout most of the country, but in fact, within the Orthodox Church, in my opinion, is an exquisite preservation of Serbia’s religious views and cultural traditions from ancient times.

 「セルビア人は気にしない」という言葉があるのですが、私のような性別に問題を抱えている者に対しても、決してなにか傷つくようなことは言いません。気にしないでそのまま受け入れてくれるのです。それはヨーロッパだから当たり前というわけではなく、他の欧米人に会うと、今でも「男ですか、女ですか?」と、会って挨拶をしただけでしつこく聞かれてウンザリし、改めてセルビア人の徹底した心遣いを認識させられます。
  There is a saying, “Serbs don’t care.” but they never say anything hurtful to someone like me who has a complex gender identity. They accept things as they are. It’s not that this is case because it’s Europe, because even now when I meet other Westerners, I still get asked persistently, ” Are you a man or a woman?”, and I am always reminded of the thoughtfulness of the Serbs.

 セルビアは過去1500年ほどの間に約200回の戦争を経験し、ベオグラードは70回ほども焦土と化し、その都度再建されたと聞きます。どれだけ天災に見舞われても諦めずに復興をし続けてきた歴史を持つ日本と、自ずから歴史的体験が似てくるのも不思議はありません。
  I hear that Serbia has experienced about 200 wars in the past 1500 years, and Belgrade has been reduced to ashes about 70 times, rebuilt each time. Again, I feel there is a parallel in historical background between Serbia and Japan, which has also shown perseverance in reconstructing itself after terrible natural disasters.

 では、言語的にはどうなのでしょうか? 実は、言語的には、日本語とセルビア語は正反対と言っていいほどの違いがあります。なにしろ、セルビア語には子音だけでできている単語がたくさんあります。しかも、子音が3つや4つではなくて、6つ以上繋がり、母音が一つも入っていない単語だってあるのです。そういういわゆる子音中心の音韻文化から母音中心の音韻文化を持つ日本語を聞いたセルビア人は、必ずこう言います。「日本語の音の美しさに魅せられた」と。逆もまたしかり。日本人にとって、セルビア語は、ハマればハマるほどとても魅力的な言語に感じられるのです。実は、セルビア語、発音はそんなに難しくはありません。なにしろ子音の連続がバンバン認められている言語なのですから、そんなに母音の数は必要がありません。だから、母音の「あいうえお」はほぼ全く日本語と同じなのです。しかも、文字体系は発音記号そのものと言っていいほどです。書いてあるとおりに読めば通じるし、聞いたとおりに書けばいいだけなのです。最初こそ、キリル文字などにはびっくりするかもしれませんが、その数はたったの30文字ほどです。ひらがなを覚えるよりずっと簡単で、ひらがなを発音するよりも音もずっと素直なのです。セルビア語を難しい!と言う人はたくさんいます(セルビア人だってセルビア語の文法は難しいと思っています)が、そうです、「セルビア人は気にしない」です。どんなに間違った文法のセルビア語を外国人がしゃべったところで、いじめられることもしつこく直されることもありません。あたたかくそのまま受け入れてくれるのです。そして笑顔でやさしく教えてくれます。間違えることを恐れる必要がなく学べるというのはとても精神的に楽なのです。
  What about the language? In fact, you could say that Serbian and Japanese are the complete opposite. In Serbian, there are many words that consist only of consonants. In some words, there are not only 3 or 4 consonants, but more than 6 consonants and no vowels. Coming from a vowel-centered phonological culture, Serbians who hear Japanese, which is phonologically consonant based, nearly always say this: “I was fascinated by the beauty of the language’s sound.” The reverse is also true. For Japanese, the more they get hooked on Serbian, the more attractive it feels and sounds to them. Actually, Serbian pronunciation is not so difficult. Since consonant sequences make up most of the language, you don’t need to be able to pronounce many vowels. So the vowels “A,I,U,E,O” are almost exactly the same as in Japanese. Moreover, the character system is fairly simple. If you read as it is written, you will be understood, and you can write exactly what you hear and it will most likely be correct. At first, Cyrillic characters may worry you, but there are only about 30 of them. It’s much easier than learning Hiragana, and the sound is much more direct than pronouncing Hiragana. Many people say that Serbian is too difficult, and I can’t deny the grammar certainly is (since even Serbians say so), but the thing is, “Serbs don’t care.” No matter how much a foreigner speaks Serbian with  wrong grammar, Serbians would never make fun of them or repetitively correct their mistakes. They are always warm and welcoming, and will teach you with a smile on their faces. It’s a very easy going environment, as you never have to be cautious of making mistakes.

 実は、日本人は言語を学ぶとき、特に人前で話さなければならないようなとき恥ずかしがってしまいますよね。それは、日本語科の学生たちも同じです。最も優秀な人材が集まっている日本語科です。タダでさえプライドの高いセルビア人にとって、そんなに親しくもないクラスメイトもいる中で間違えて恥をさらすのは嫌なのだそうです。それで日本人の目から見ると恥ずかしがってしまっているように見えます。でも、親しい友人同士や先生とだけなら決して恥ずかしがることなく、貪欲に日本語を学んでいくのもまたセルビア人なのです。ちょっとしたセルビア人気質に気が付いてしまえば、セルビア人が日本語を上手に学んでいくための支援のコツがすぐに分かることでしょう。
  Actually, Japanese people are shy when they learn a language, especially when they have to speak it in public. It’s the same for students in the Japanese language department at Belgrade University. It’s a Japanese language course where the best people are gathered. Serbs have a lot of pride, and they don’t like making mistakes and embarrassing themselves in front of classmates they aren’t close with. That’s why they seem to be shy to Japanese people. However, when surrounded by close friends or teachers, the students become avid Japanese learners, never shy. When you understand these kinds of Serbian characteristics, you will soon figure out how to help Serbs learn Japanese.

 なにしろ、愛してくれている相手の相手をすることほど幸せなことはありません。愛には愛でこたえてあげてください。いえ、自分を好いてくれている相手には自然にそれができてしまいますよね。そうすれば、さらに何倍もの親愛の情となって返ってきます。情に厚く義理堅いセルビア人が大好きな日本語を学んでいくことをお手伝いすることほど、幸せなことはないと、私はつくづく思うのです。そして、一度できた人間関係や想い出は、一生の宝となるのです。
  There’s nothing better than teaching someone who loves your language and culture. You just have to respond to love with love. It comes naturally. When you do this, you will receive the same affection, or even more. I firmly believe that nothing makes me happier than helping the compassionate and loyal Serbs learn their favorite language. The connections and memories you make here are those to treasure for life.

 私がセルビアに着いて最初に思ったのは、「懐かしい!」ということでした。写真で姉に見せても「懐かしいねぇ!」と言いました。姉は昭和30年代、私は昭和40年代の生まれです。セルビアには、昭和の古き良き懐かしさや美点が今でもはっきりと鮮やかに残っているのです。
  When I arrived in Serbia, the first sensation I had was nostalgia. When I showed my sister a picture of Serbia, she said she felt the same way. My older sister was born in the 1950s and I was born in the 1960s. Serbia still vividly retains the good old nostalgia and beauty of the Showa era.

 もちろん、その時代の日本の抱えていた様々な問題点も同じように抱えていますが、それは歴史の必然というもの。環境問題やリサイクル事業など、日本の政府機関や企業がセルビア人と協力して今取り組んでいます。セルビアと日本のコンビは、一見地味ではありますが、最高なのではないかと常々私は思っているのです。
  Of course, Serbia faces many of the problems that Japan had to deal with at that time, but this is inevitable. Japanese government agencies and companies are now working with the Serbs on environmental issues and recycling projects. I always think that the combination of Serbia and Japan, while seemingly unspectacular, is the best.

 さて、みなさん、こんなセルビアで日本語を教えてみたいと思いませんか。大学や高校に門戸が開かれています。教える資格のある方は、なにかビビビっと感じるものがありましたら、ぜひ、セルビアに来てください。絶対に後悔はさせませんから!
  Well, have I convinced you all to join me in teaching Japanese in Serbia? You could work at universities and also high schools. If you are qualified to teach, and felt something while reading this, please come to Serbia. You won’t regret it!

Belgrade 2005

学生公園からベオグラード大学を臨む(右側が文学部)/  Facing Belgrade University from the student park (On the right is the Department of Literature)


活動日誌 2020年4月 / April 2020 Activity Report

2020年4月30日 / April 30, 2020
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / AMARI Mino

 4月5月頃のセルビアは、本当に素晴らしい季節を迎えます。本来であるならば、春の陽気の中、晴れ晴れとした陽気な気分で毎日の生活を満喫できるはずだったのですが、今年は残念ながら、コロナウイルスのために厳しい外出制限が国中に課されてしまいました。それでもセルビア人はあきらめません。ほんのわずかな時間しか楽しめないがゆえに、例年以上に春をここぞとばかり楽しんでいるようです。決して希望を失わない、強い精神力のセルビアの人たちが、いずれは再びあの楽しく美しい日々を取り戻すことは間違いないでしょう。
Serbia is really beautiful around April and May. Unfortunately, this year, due to COVID-19, a strict curfew has been enforced throughout the country. But the Serbs won’t give up. They seem to be enjoying spring more than usual because they can enjoy only it for a little bit at a time. There is no doubt that the Serbs, who have a strong spirit and never lose hope, will eventually regain their happy and beautiful days.

◆「授業」というものの本質 / The Essence of “Class”

 ここで大それた大議論をするつもりではありませんが、今回の世界をロックダウンに追い込んだコロナウイルスは、教育という世界に対して大きな課題を突き付けたと言えるでしょう。全世界を同一化して論じることは不可能ですから、セルビアでの体験をもとに、その課題に対して私なりにどう取り組んでいるのか、少し記録しておこうと思います。
I don’t mean to make a big argument here, but the coronavirus that has locked the world down has posed a big challenge to the world of education. It is impossible to discuss the whole world in the same way, so based on my experiences in Serbia, I would like to report a little on how I am tackling this issue.

 ベオグラード大学で始まった最初のコロナウイルスの影響は微々たるものでした。「教室活動をなるべく控えるようにすること」というだけのお達しが大学当局からは下っただけであり、対応に関しては個々の教師に委ねられていました。その頃はまだ半月ほどで災禍は過ぎ去るものだと楽観的に考えられていました。ですから、「とりあえず、学生には宿題や課題という形で自宅でできるものを与えておいて、また大学が開いたらその時に、確認のためのテストをすることにしよう」というのが日本語科の考えでした。そのため、最初の対応は、課題をメールで出してもらうとか、その程度のことでした。それでも、セルビアではなかなか大変なことなのです。想像してみてください。学生によっては実家に帰ってしまえば、携帯電話の電波が入らないような環境の者もいるのです。そして、インターネットは、大学は別にして、一般的な家庭では決して恵まれたものではありません。ほぼ全ての学生はさすがにモバイルフォン(日本語で言うところのスマホです)を持っていますが、タブレットやパソコンは持っていないこともあります。プリンターを持っていることなどごくまれなことです(普通はコピー屋さんで出力してもらいます)。ですから、実は課題を提出するといっても、意外と大変なのです。結局、手書きにこだわる場合は、ノートや紙に書いた答えをスマホで写真に撮ってメールで送ってもらうというのが基本的な形になります。そして、その写真に対して教師側は十分な添削を施せる環境はないのです。そうすると、ただ提出されたことを確認し、内容を見て、全体的な講評をし、答えを配るというのが最低限の対応になってしまいます。
The first coronavirus-related change implemented at the University of Belgrade had minimal impact. University authorities only asked that teachers “try to avoid classroom activities as much as possible”, and left the actual response up to each individual teacher. At that time, people were optimistic that the disaster would pass in half a month. So the general plan of the Japanese language department was “for the time being, let’s give students something they can do at home in the form of homework and assignments, and when the university opens, let’s hold tests to confirm they studied.” So the first thing I did was ask them to email me their assignments. But in Serbia, this is pretty hard. Imagine that. Some students don’t have cellphone reception once they go back to their family homes. And the internet, apart from universities, doesn’t always exist in a typical home. Almost every student has a mobile phone (a smartphone in Japanese), but sometimes they don’t have a tablet or computer. Having a printer is rare (we usually have things printed at a photocopier). So, actually, it is surprisingly difficult to submit an assignment. After all, if a teacher is particular about handwriting, the basic submission method is to write your answers in a notebook or on a piece of paper, and take a picture with your smartphone to send by email. There is also no environment in which teachers can correct these photos sufficiently. In this case, the minimum response is to just check the submission, look at the content, make a general comment, and distribute the answers.

 私はそのようなものは「授業」ではない、と当初から考えていました。あくまでも一時しのぎの対応であると。それでも事態は一時的なことだろうからと目をつぶっていました。
 しかし、事態はどんどん悪い方向に展開していきました。国境の閉鎖、都市のロックダウン、外出の厳しい禁止令。街や病院は軍や警察の監視下に置かれました。公式には「非常事態宣言」ということでしたが、事実上の「戒厳令」となってしまいました。隣国の恋人を訪ねに行っていた学生は、セルビアに戻れなくなりました。当然、教科書もなにも持って行っていません。寮も急に封鎖が決まってしまったため、皆、十分な荷物も持てず、ほとんどの物はそのまま置いていかざるを得ませんでした。そうするとやはり、全部の教科書や教材はあまりにも量が多く、そして重すぎて持っていくことはできません。現代風に言えば、「スマホ一つで命からがら避難することになった」というような状況です。その辺が、日本のような高度情報社会とは本質的に異なっているということを想像してください。情報網だけではなく、交通網や物流網も残念ながら現状では日本とは比べようのないレベルです。「近くのコンビニから宅配便で送っておけばいいんじゃない?」という発想はあり得ないのです。そして、未だ電子書籍すら公式にネットの世界では全く売られていない社会でもあるのです。それが私の愛すべきセルビアの現状なのです。
 ベオグラード大学は2学期制で、第2学期は2月中旬から5月中旬までです。3月中旬にはもはやコロナウイルスの猛威は誰の目にも明らかになり、大学は封鎖を余儀なくされ、少なくとも6月末までの封鎖を決めました。つまり、今学期は大学という建物を使っての授業はもはや不可能な状況に陥ってしまいました。
From the beginning, I thought that such a method was not equal to a “class”. It’s a stopgap measure. But I closed my eyes to this fact, as it was only supposed to be temporary.
 But things got worse and worse. Closed borders, locked down cities, strict curfews. The streets and hospitals were under military and police surveillance. The official statement was, “declaration of emergency”, but it became, in fact, “martial law”. A student who was visiting their partner in a neighboring country can no longer return to Serbia. Of course, they didn’t bring any textbooks with them. As the closure of the dormitory was decided so suddenly, no one could not carry enough luggage and had to leave most things where they were. All the textbooks and teaching materials were too heavy to bring. In modern terms, the situation is like, “I had to evacuate with just my smartphone.” I imagine that this is essentially different from Japan’s advanced information society. Not only the information network, but also the transportation network and the distribution network are unfortunately at a level that cannot be compared with Japan at present. There is no such thing as “why don’t you send it by courier from a nearby convenience store?”. And it’s a society where even e-books are not officially sold online at all. That is the state of my beloved Serbia.
 The University of Belgrade has a two-semester system, and the second semester runs from mid-February to mid-May. By mid-March, the ravages of the coronavirus were visible to everyone, forcing the university to close down, at least until the end of June. In other words, this semester, classes using the university buildings are no longer possible.

 ここに来て、全ての教師たちは「授業」というものをどのように継続したらいいのか、厳しい現実を突き付けられることとなりました。教育省からは毎週、どのように代替授業を行ったかの報告書を求められています。教師は決して安穏としてはいられないのです。学生に対して良質な学ぶ機会を提供し続けるのが国の最高学府たるベオグラード大学の教師達の大切な役目であるのですから。
 私はと言えば、寮が封鎖になることが決定されたのをきっかけに、もはや私のような病弱な日本人がセルビアの医療に負担をかけ続けることはできないだろうとの断腸の思いで、同僚たちと共に日本へ一時帰国する決断を下しました。決断から出発までの猶予は12時間もありませんでした。
 授業というものは、特に大学のレベルになれば先生ごとにそのスタイルは大きく違ってきます。ある意味、授業には先生一人一人の個性が出ます。私の個性は「自由」。教科書に捕らわれずに、必要とあればいかなるものでも導入し、授業を行っていきます。そして、何よりも大切にしてきたのが、一人一人の学生といかにつながり続けるか、ということです。なにせ、一学年は一クラスしかなくて、その人数は60人から80人です。名簿上ではもっといます。通常のやり方では文法訳読法のような授業になってしまいます。しかし、課されているのは「生きた日本語を学生に学ばせる」ということ。ラテン語を教えるようにはいかないのです。
Now, all the teachers are faced with the harsh reality of how to continue their “classes”. The Ministry of Education requires a weekly report on how alternative classes are being conducted. Teachers can never rest in peace. Teachers at the University of Belgrade, the country’s highest institution, have the important responsibility of continuing to provide students with quality opportunities to learn.
 As for me, when it was decided that the dormitory would be closed down, I decided to return to Japan with my colleagues temporarily because I strongly felt that it would no longer be possible for a Japanese person that gets ill easily like myself to continue to burden the health care system of Serbia. We had less than 12 hours to decide and leave.
 The style of each class is very different depending on the teacher, especially at a university level. In a sense, each teacher’s personality is shown through their classes. My personality is “freedom”. I introduce and teach whatever is necessary without being bound by textbooks. The most important thing is knowing how to keep in touch with each student. In any case, there is only one class per grade, and the number of students is from 60 to 80. There are more on the list. The class will be continue to revolve around grammar translation as usual. However, I strive to “let students learn real live Japanese”. It’s not good to teach Japanese like you would teach Latin.

 そのような、ある意味究極の環境で、私は1年以上、奮闘してきました。「あらゆる実験をしてみるといいよ」という、日本を出るときにいただいた助言を胸に、どのようにしたら学生達に最善の支援ができるのだろうかと模索してきました。そして、それはある程度、成功してきたと言えるでしょう。私なりの手応えを得ていました。
 ところが、ここに来て、全てがリセットされてしまいました。もう一度、授業を作り直さなければなりません。同じやり方は決してとれないのですから。
I’ve been struggling in this kind of extreme environment for over a year. With the advice I received when I left Japan, “you should experiment with all kinds of things”, I have been searching for the best way to support my students. And I’ve been successful to some extent. I have my methods.
 But now, everything has been reset. I had to plan the classes all over again. You can’t just do them in the same way.

 そこで私は、「そもそも私の授業の本質はなんだったのだろうか」ということを考え続けました。セルビアから脱出していく飛行機の中でも寝ずに考え続けていました。
 私の個性は「自由」だと書きましたが、それはなんのための自由でしょうか。自分勝手な授業をするための自由でしょうか。そうではないはずです。あくまでも学生の学習を支援するために良かれと思える環境を提供するためにはいかなる手段でもとっていこうという自由です。成績の付けやすさや学生の管理のしやすさなどは全く考慮しない自由です。
So I kept thinking, “what is the essence of my class in the first place?”. Even on the plane leaving Serbia, I stayed awake thinking about this.
 I wrote that my own personal essence is “freedom” but what is this freedom for? Is it the freedom to hold classes how I want to? I don’t think so. I’m free to take any steps to provide a good environment to support my students’ learning. I’m free to disregard the grading system and the ease of managing students.

 そして、そこから生み出された私の授業の本質は、「個人化(Personalization)」。そこを徹底的に追求するのです。人は自分とは関係のないことはあまり記憶に残せません。興味がないからです。人の話を聞くときも、話し手が本当に興味のあることを生き生きと熱く語っているときのほうが記憶に残りやすいものです。教師も学生も個人化していくこと。それを授業でも宿題でも課題でも実践していくことこそが、私の授業の本質です。汎用化、一般化を目指して作られている教科書とは全く正反対の考えであるように思えるかもしれませんが、それは違います。私は「教科書を教える」わけではありません。ただ、「教科書で教える」だけです。ですから、教科書をネタとして、いくらでも個人化は可能なのです。ですが、さらに私にはある意味手放しとも言えるほどの自由がベオグラード大学では与えられていましたから、教科書という世界から大きく離れていくことも可能だったということです。
And the essence of my class that came out of this was “personalization.” That’s where I go from top to bottom. People don’t remember things that have nothing to do with them, because they’re not interested. When you’re listening to someone, it’s easier to remember when they’re talking about something that you’re really interested in. Personalization of teachers and students. I apply this to my classes, homework and assignments. It may seem to be the exact opposite of a textbook designed for generalization, but it’s not. I am not “teach by the textbook” type of teacher. However, I do “teach with a textbook”. Therefore, it is possible to personalize as many textbooks as I like. But what’s more, I was given a liberating degree of freedom at the University of Belgrade, so I was able to move away from the world of textbooks.

 このような考えを飛行機の中でまとめあげ、私はさっそく実践に移すことにしました。まずは私の「放送局」を作りました。日本へと脱出していくその過程自体を音声ファイルとして録音し、学生に配信を始めました。日本に着いてからは、動画も使えるようになりましたから、私の放送はどんどん私の個性の塊のようになっていきました。もちろん、作っている側としては、常に学生達の日本語の上達を意図しているわけですが、私の「放送」を聞いた学生以外の人からは「まるで深夜放送みたいだね」との言葉をいただきました。深くは説明しませんが、なるほどというようなたとえだな、と思いました。それで、深夜放送にはゲストも呼ぶようにしていきました。とは言え、日本では私は実は帰国後すぐに重い感染症にかかってしまって、病床に伏していました。病床から作る「放送」には、看病してくれる私の姉がいつもゲストになってくれました。
 その他にも、通常の授業も作りました。それも既存のいわゆるオンライン授業は一切無視して、一から自分なりのスタイルを模索していきました。オフラインのデジタル授業でも、本当の教室でやっていたような授業ができるように、そしてデジタルなりの自由を生かして、アナログではやれなかったことも取り入れていくようにしました。作ったものは最低でも5回は見直します。それで自分が心から面白いと思ったら学生に配信するようにしています。レビュー版も作って一般からの意見も聞き、改善しています。
I put these ideas together on the plane and decided to put them into practice. First of all, I made my own “broadcasting station”. The process of my escape to Japan was recorded as an audio file and distributed to students. After I arrived in Japan, I was able to use videos, so my broadcasting gradually became a lump of my personality. Of course, the creators are always trying to improve their Japanese, but other students who heard my “broadcast” said, “it’s like a midnight broadcast.”. I won’t explain it deeply, but I was convinced that it was a good metaphor. So I started to invite guests to my midnight broadcast. However, in Japan, I was sick in bed with a serious infectious disease right after I returned home. My sister, who took care of me, was always my guest at the “broadcast” made from my sickbed.
 I also held regular classes. I ignored all the existing online classes and tried to create my own style from scratch. In offline digital classes, I was able to do the same things that we did in real classrooms, and I was able to take advantage of our digital freedom to incorporate things that we couldn’t do before. I make sure to review my lesson plans at least five times. If I find something really interesting, I send it to students. I also made a review version and improved it based on opinions from the general public.

 また、私の授業では学生達は宿題として日記やエッセイを出してきてくれます。元々私は大の日記好き。小学生の時に先生と交換日記のように毎日のように日記をやりとりしたときの「先生からの返事を読むドキドキ感」が私の日記好きの原点です。それを学生にも味わってもらいたい。だから、日記やエッセイへの私の返事はものすごく長いのです。もちろん、本文の日本語の修正も丁寧にしますが、それよりも重視しているのは書かれていることの内容。それに対して、私自身の経験や考えを元にして、その学生の日本語力よりほんの少しだけ難しい日本語で返事を書きます。デジタルに移行した当初は、メールの本文に返事を書いていましたが、姉が持っているタブレットが、旧いものではあるのですが、素晴らしいペン入力能力を有していることに気が付いてからは、それを借りて、すべてPDFファイルへの「デジタルの手書き」で返事を書いています。手書きでなければならないということは決してないのですが、どうしても私はまだまだ古い日本人です。手書きの文字には、たとえそれがデジタルデータであろうが魂がこもっていると考えているのです。
Also, in my class, students submit their diaries and essays as homework. I used to like diaries. When I was in elementary school, I exchanged diaries with my teacher almost every day, and this is the origin of my love for diaries. “The thrill of reading the teacher’s reply”. I want my students to enjoy it. So my replies to their diaries and essays are extremely long. Of course, I revise their Japanese carefully, but I put more emphasis on what they have actually written. I also write a reply in Japanese based on my own experiences and thoughts that is slightly more difficult than the student’s Japanese level. When I first went digital, I wrote back in the body of my emails, but when I realized that my sister’s old tablet had great pen input capabilities, I borrowed it and wrote back in PDF files using “digital handwriting”. It doesn’t have to be handwritten, but I’m an old soul. I think that writing things by hand, even digitally, is soulful.

 そんなこんなで、私のデジタルな授業は今も試行錯誤しながら、行っています。学生達も、ビデオや音声ファイルで日記やエッセイを送ってきてくれることもあります。人生に一度あるかどうかの大事態。私は学生達に「サバイバル日誌」を付けるように勧めています。そして、いつも私が声を大にして常に伝え続けているのは「希望を持ち続けること」。日本語が上手になりたいと思って入学してきた学生達の希望の火を灯し続けるお手伝いをするのが私の使命です。
So, my digital class is still going through trial and error. Students also sometimes send us diaries and essays via video and audio files. It’s a big thing that happens once in a lifetime. I’ve been encouraging students to add a “survival journal”. And I always tell my students loudly and continuously to “maintain hope”. My mission is to help keep the hope alive for students who enter the university to improve their Japanese.

Serbia2004

デジタル手書きの実例 / Examples of digital handwriting


活動日誌 2020年3月 / March 2020 Activity Report

2020年3月31日 /March 31, 2020
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / Amari Mino

 新型コロナウイルスによるセルビアへの影響は極めて大きく、ヨーロッパで恐らく唯一の事実上の戒厳令が敷かれ、国全体が軍政下に置かれることに事実上なってしまいました。一歩外に出れば、例年通り美しくセルビアの桜が咲き誇る中、医療的に極めて脆弱な国として、これらの措置は、恐らくは最善の解であるとは思われるものの、国民、及び、外国からの留学生や教師にとっては、極めて厳しい環境となってしまいました。しかし、その日がまるで青天の霹靂のごとく到来するまでは、実にのどかで楽しい春だったのです。そして、素晴らしいイベントが続いていました。その楽しかった日々をお伝えしたいと思います。
The impact of the new coronavirus on Serbia has been extremely large, and is perhaps the only time de facto martial law has been imposed on Europe, effectively putting the whole country under military rule. These measures are probably the best solution for a country that is extremely vulnerable in terms of medical care, but if you take one step outside, the beautiful cherry blossoms of Serbia are in full bloom as usual, so they have created an extremely difficult environment for the people, international students and teachers. However, until that day, which came like a bolt from out of the blue, it was a very calm and pleasant spring. And there were some great events. I would like to tell you about those happy days.

◆Japan Bowl Balkan
 本年度のベオグラード大学は、特別に学期を前にずらしてはじまりました。そのため、3月に行われるJapan Bowl Balkanも例年よりも2週間ほど早い、3月1日に開催されました。それが非常に幸運な結果をもたらしたといえるでしょう。
 昨年度の3度目のJapan Bowlも大盛況のうちに閉会しましたが、問題文が不自然であったり、文学部の学生に非常に有利な問題が多かった点など、若干の問題も抱えていました。元々がアメリカのイベントであり、そのライセンスであるため、やはりバルカン地方の事情にローカライズしなければならないのではないかという問題意識を持っていました。
 そこで、本年度からは、問題作成委員会を独自に組織し、2名の日本人と1名のセルビア人により、アメリカ側の問題以上にバルカン独自の問題、そして日本に関する問題としてより自然となるような問題を作成し、バルカン地方の参加者や観覧者たちが何よりも楽しめるように工夫を凝らしました。そのためには、1週間以上にわたる徹夜に近い作業の連続が続きましたが、結果として、全ての人に楽しんでもらえるような、本当の意味でのバルカン大会になったことを非常に喜ばしく思っています。
This year, the University of Belgrade began with a special shift in the semester. Therefore, the Japan Bowl Balkan held in March was held on March 1, two weeks earlier than usual. You could say that this was very lucky.
 Last year’s third Japan Bowl ended with great success, but there were some problems, such as unnatural sentences, and there were also many problems that were very advantageous for students in the literature department. Because it was originally an American event, and licensed, I was concerned that it would have to be localized for the Balkan situation.
 Therefore, from this fiscal year, we have organized our own task force, which consists of two Japanese people and one Serbian, to create problems that are more specific to the Balkans than the problems on the American side, as well as problems that are more natural to Japan, so that the participants and viewers in the Balkans can enjoy them more than anything else. In order to do this, we continued to work for more than a week, during which we almost always stayed up all night, but as a result, we are very happy that the Balkan Games will be a truly enjoyable event for everyone.

 今年は高校生のチームも2チーム参加し、国際交流基金による支援のお陰もあり、バルカン地方からの参加者には交通費も引き続き支給されましたので、幅広い参加者を集めることができたことも特筆すべき点でしょう。バルカンに広く開かれた大会として認知されるようになるにつれ、日系企業や地元企業による協賛も増え、今後とも発展が大変期待できる楽しいイベントとして定着していくものと思われます。
 さて、Japan Bowlは朝から厳しい予選が行われます。20チームほどの参加がありますが、本戦に残れるのはたったの3チーム。非常に狭き門ではあるのですが、参加者一同、楽しみながら、そして問題に苦しみながら、一生懸命チャレンジしてくれました。予選とは言え、参加者には記念品や認定証も配られ、とても満足のいく午前の部となりました。
 お昼にはお弁当の配布、そして、地元のGO寿司さん提供によるお寿司のバーやケーキバーが設けられ、楽しいお昼の一時をゆっくりと過ごすことができました。Japan Bowlはバルカン全体から集まってきますから、これはもう立派な社交の場として成立していると言えるでしょう。様々な方々とお会いし、交歓していけることほど素晴らしいことはありません。
This year, two teams of high school students participated, and thanks to the support of the Japan Foundation, the participants from the Balkans were able to continue to receive transportation expenses, so it is worth noting that we were able to attract a wide range of participants. As the tournament has become more widely recognized in the Balkans, the number of sponsorships by Japanese and local companies has increased, and it is expected to become an enjoyable event that can be expected to grow in the future.
 The Japan Bowl has tough qualifying rounds starting in the morning. There are about 20 teams in the tournament, but only three of them can make it to the finals. Although it was a very narrow gate, all the participants tried hard while also having both fun and a few problems. Even in the qualifying rounds, participants were given souvenirs and certificates, so it was a very satisfying morning session.
 We were able to spend a fun lunch time leisurely by distributing lunch boxes and setting up a sushi bar and cake bar stocked by the local store, GO Sushi. People at the Japan Bowl come from all over the Balkans, so it’s a great place to socialize. Nothing is more wonderful than meeting and socializing with a variety of people.

 そして、午後になり、ついに本戦です。本戦は会場も一番広い、サラ・ヘロヤと呼ばれる、600名近く収容できる威厳ある講堂に移ります。ここで選ばれし3チームが熱戦を繰り広げました。
 そして、それだけではなく、セルビア人による合気道のデモンストレーションや合唱、ゆかたを着てのJapan Bowlの踊りなど、様々な催しも同時に行われます。単なるクイズ大会ではない面白さが、Japan Bowlのなんと言ってもの特徴でしょう。日本の文化に興味を持っている人ばかりが集まっている熱気ある会場で、その場にいる者たちの日本熱はさらに上がっていったものと思われます。
Then in the afternoon, it was finally time for the main competition. The main competition moved to the largest auditorium, which has a dignified capacity of nearly 600 people. Three teams were selected here and competed in riveting rounds.
 In addition to this, various events were held at the same time, including a demonstration of aikido by a group of Serbs, a choir, and a Japan Bowl dance by people wearing a yukata. It’s not just a quiz contest, but also an enjoyable event. It was a lively place where people who were interested in Japanese culture gathered, and it seems that the enthusiasm for Japan among the people who were there grew even higher.

 もちろん、日本人として参加している者たちにとってもここは感動の場です。こんなに多くの方たちが日本を愛してくれているということを間近に実感できる機会はそうそうありません。誇らしくもあり、少し気恥ずかしくもなってしまうほどの、私達に注がれる熱気に、なんだか魔法にかけられたような気持ちになりました。
 さて、結果はなんと、今年は、3年生が4年生を下して優勝しました。実は、その3年生は私の無料のプライベートレッスンに出ていてくれていた学生たちでした。もちろん、何も事前に問題は一切漏らされていません。私が知っているのは、彼らの日本語に対する愛情のみです。その彼らの熱い情熱が、このような大舞台で実際に実るのを見ることほど、教師冥利に尽きることはありませんでした。
Of course, for Japanese people who attend this event, it is a place to be moved. It is very rare for me to have the chance to realize that so many people love Japan. I felt like I was enchanted by the enthusiasm that was poured over us, which made me feel proud, and also a little embarrassed.
 In the end, this year, a third-year student defeated a fourth-year and won the championship. As a matter of fact, this third-year student has been attending my free private lessons. Of course, none of the competition questions were revealed in advance. All I know is that they won due to their love for the Japanese language. As a teacher, it was extremely rewarding to see this student’s passion come alive on such a grand stage.

 もちろん、私にとっては、全ての学生が大切な学生です。それでも、さらにもっともっと上を目指してがんばる学生を支援することは私の使命だと感じています。それがJapan Bowlというクイズ大会とは言え、目に見える形として発揮されるのを見ることは大変に嬉しいことです。いえいえ、実は本当のことを言えば、たまにはハラハラさせられることありました。文法の問題がなかなかできないときなど、自分の教え方が悪かったのだろうかと、本当にドキドキしてしまいました。そうやって、成果を目の前で見せてもらえることにより、授業にも良い変化をもたらしていくことでしょう。
 Japan Bowlは準備、本番、その後を含め、本当に長くて大きな大会です。たくさんのボランティアの力で成り立っている大会です。このような、皆が一丸となって実現していける大会が、今後とも続いていくことを祈りつつ、今の苦しい国難もきっとセルビアの人たちは乗り越えていけるはず、一緒に乗り越えていこうと、強く心に誓うのでした。
Of course, all of my students are important to me. Nevertheless, I feel that it is my mission to support students who strive to be even better. Although it was at a quiz competition, I was very happy to see this student’s efforts displayed in a visible form. To tell you the truth, I was nervous at times. When they had trouble solving grammar problems, I was really nervous, and wondered if my teaching methods were bad. By being able to see the results in front of my eyes, I could make positive changes in my classes.
 The Japan Bowl is a very long and big tournament, including the preparation for it, the actual performance, and after. It’s a tournament that is made up of many volunteers. I pray that such a tournament, one which we can all work together on to hold successfully, will continue in the future, and I firmly hope that the Serbs will be able to overcome the difficult current national situation, and that we will overcome it together.

Japan Bowl Balkanの様子 / At the Japan Bowl Balkan


活動日誌 2020年2月 / February 2020 Activity Report

2020年2月29日 / February 29, 2020
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / Amari Mino

 2月になって、初めて雪が積もりました。今年の冬は本当に不思議です。さて、1月末頃から増えてきた新型コロナウイルスによるアジア人(主に中国人と日本人)に対する迫害ですが、日に日に大きくなっている気がします。2月下旬にブダペストでの中東欧日本語教育研修会へミニバス(日本で言えば乗り合いタクシーのようなもの)で行ったのですが、真夜中の国境検問所で、顔を見られるなり、「中国人と日本人は2週間以内に来たやつは出ていけ! 空港へ行け!」と怒鳴られ、パスポートすら見てもらえませんでした。もちろん、こちらも一応世界一周はしてきた身、その程度のすごみにおずおずと退散するわけもなく、「わたしはずっとセルビアに住んでいるんです! パスポートを見てください!」と怒鳴り返して事無きを得ました。しかし、そう言えない人はどうなってしまったのでしょうか。国境で下ろされてしまって、はるかかなたの空港まで、一体全体、真夜中にどうやって行けというのでしょうか……。私たちはもはや一歩間違えばすぐにでも難民になってしまいそうです。ちなみに、帰り道は、ブダペストから友人のセルビア人と一緒のミニバスに乗れたため、余裕で通過できました。「ほら、私と一緒だと大丈夫でしょ!」と友人は力強く言ってくれました。
It snowed for the first time this year in February. This winter is really strange. The persecution of Asians (mainly Chinese and Japanese) due to the new coronavirus that has been spreading since the end of January seems to be getting bigger day by day. In late February, I took a minibus (it’s like a shared taxi in Japan) to Budapest to attend a workshop on Japanese language education in Central and Eastern Europe. At a border crossing in the middle of the night, a man looked at me, yelled “Chinese and Japanese, those who came within the last two weeks, get out! Go to the airport!” and they wouldn’t even look at my passport. Of course, I had been traveling around the world, and there was no reason for me to timidly retreat at such an extraordinary pace, so I shouted back, “I’ve been living in Serbia! Look at my passport!” and I was finally able to cross the border. But what happened to those who couldn’t say so? How in the world could they even get to a faraway airport in the middle of the night if they’re down at the border? We’re on the verge of becoming refugees. By the way, on my way home, I was able to take a minibus with my Serb friends from Budapest, so I was able to pass easily. “Come on, you’ll be fine with me!” my friend said confidently.

◆日本からのお客様 / Guests from Japan
 2月のセルビアは、新学期の始まりです。日本の大学ではだいたい春休みに当たりますので、毎年、多くの日本人がベオグラード大学を訪れてくれます。
 そういった方々から声をかけてもらったり、声をかけたりして、部活動や授業でワークショップなどをしてもらうのもとても大切なことです。なにせ、日本人が200名もいないセルビアにおいて、学生たちが日本人と触れ合って、日頃学んでいる日本語でコミュニケーションできる数少ない機会なのですから。
 今年は、まず、例年通り、元々ベオグラード大学で日本語を教えていらっしゃった、私の先輩に当たる高橋亘先生が来てくださいました。まだ学期は始まる前だったのですが、多くの学生が亘先生の多読セミナーに出席してくれました。
 やはり日本からのお客様効果は絶大で、日頃は読書の部活をサボりがちな学生たちもいそいそとやってきて、楽しそうに参加してくれました。いえ、亘先生の笑顔と指導方法が素晴らしいからこそなんですけどね。
February in Serbia is the beginning of the school year. Every year, a lot of Japanese people visit the University of Belgrade around this time, as it’s usually spring vacation at Japanese universities.
 It is also a very important time to have such people talk to us and have them hold workshops during our club activities and classes. After all, in Serbia, where there are less than 200 Japanese people, it is one of the few opportunities for students to get in touch with Japanese people and communicate in the Japanese language that they are learning every day.
 This year, as usual, my senior, Mr. TAKAHASHI Wataru, who originally taught Japanese at Belgrade University, came to see us. Although the semester had not yet started, many students attended Professor Takahashi’s seminar.
 The guest from Japan got a great reception, and even the students who tend to skip the reading club hurriedly came and enjoyed it. Of course, this was mostly because of Professor Takahashi’s wonderful smile and teaching method.

高橋亘先生から多読の指導を受ける学生たち / Students receiving extensive reading guidance from Professor Takahashi Wataru

 ほかにもたくさんのワークショップが開かれました。
 特に下旬以降は多く、兵庫県豊岡市からは、中貝尚子さんが日本語科の授業を訪問してくださり、豊岡市のこうのとりの復活プロジェクトのお話や、時節柄、ひな祭りについて紹介してくださいました。学生たちのためにたくさんのお土産を用意してくださっていたのですが、残念ながら飛行機のロストバゲージでその場でお土産を学生たちに渡せなかったものの、後の授業で学生に私から配ったところ、その心のこもったお土産に学生たちは大感激していました。中貝さんは大学では国語の教員免許を取得されたものの、実際に教壇に立てる機会はなかったそうで、今回、初めて日本語科の授業に立つことができ、いたく感動されていたお姿が、大変印象的でした。
Many other workshops were also held.
 In particular, there were many held  after the end of the month, including one by NAKAGAI Takako from Toyooka City (Hyogo Prefecture), who visited a Japanese language class to talk about the revival project of Kounotori in Toyooka City, seasonal trends, and the Doll Festival. They prepared a lot of souvenirs for the students, but unfortunately their luggage was lost in transit, so she couldn’t give them out during her visit, but the students were deeply moved by the thoughtful souvenirs when I handed them out in a later class. Although Ms. Nakagai got a Japanese language teacher’s license at university, she never had the chance to teach  Japanese language classes. This was her first time teaching a Japanese language class, and it was impressive, so I was very moved.

中貝尚子さんからこうのとりやひな祭りの説明を受ける学生たち / Students receiving explanations about Kounotori and Hinamatsuri from Nakagai Takako

中貝尚子さんからのお土産を手に喜ぶ学生たち / Students enjoying souvenirs from Nakagai Takako

 この後にも、早稲田大学から李在鎬教授が「良い文章とは」という特別授業をしてくださり、インタラクティブな面白い授業に学生たちは喜んでいました。まだほんの初級でしかない1年生までもが参加してくれ、「全然分からなかったけれども、これから分かるようになりたい!」と学習意欲を高めてくれていたのがなんとも嬉しかったです。
Professor LEE Jae-ho from Waseda University also gave a special class called “What is a good article?” and the students were quite happy with this interesting interactive class. Even the first-years, who are still just beginners, participated, and I was very happy that they were motivated to learn and that they said things such as “I didn’t understand at all, but I want to ;earn to understand from now on!”.

インタラクティブで面白かった李在鎬教授のワークショップ / Interactive workshop by professor Lee Jae-ho

 さらに、JICAのシニアボランティアとして、セルビアで障害者福祉施設の支援活動をされている西中純子さんが障害者福祉に関するワークショップを開いてくださいました。実際に、障害者福祉施設で作られたクッキーを持ってきてくださり、お話の後、それを学生の皆でいただき、感想や提言を書くと共に、そのクッキーを作ってくれた現場の方々へのメッセージをセルビア語で書きました。後ほど西中さんから伺ったお話によりますと、学生たちからの心のこもったセルビア語のメッセージに一同感動されたとのことで、言語教育にたずさわる者として、私も心に深く感動を覚えました。
 なお、この時には早稲田大学から広報の方も授業を取材に来られていましたが、ベオグラード大学へのインターンシップが一番人気があると伺い、驚くと共に、大変喜ばしい気持ちになりました。
Ms. Nishinaka Junko, a JICA Senior Volunteer who works for welfare facilities for persons with disabilities in Serbia, held a workshop. She actually brought us cookies made at a welfare facility for the disabled, which the students ate together after her talk. We then wrote messages in Serbian to the people at the facility who made the cookies. Later on, I heard from Ms. Nishinaka that the people at the facility were deeply moved by their heartfelt messages, by which in turn I was also deeply moved as an educator.
 A spokesperson from Waseda University also came to cover the class for media purposes, and I was surprised and very pleased to hear that the internship program here at Belgrade University was the most popular among Waseda students.

西中純子さんのワークショップとメッセージ作りにいそしむ学生たち / Ms. Nishinaka Junko’s workshop and the students writing messages

 まだまだワークショップは続きます。日本から私費で今回私の授業へインターンシップに来てくれていた神庭直子さん(インターネットの日本語学校の設立者で日本語教師でもあります)が、二日間にわたって着物のワークショップを開催してくれました。好奇心豊かな学生たちは、じぃっと着付けを見守っていました。そして、最後は撮影会です。本当に楽しそうな学生たちの姿を見るにつけ、私の心も踊ります。
There were still many more workshops. Ms. KANBA Naoko (Japanese language teacher and founder of an online Japanese language school), who came from Japan on a privately-funded internship, held a kimono workshop for two days. Curious students watched her going through the process of putting on a kimono. And the end there was a photo session. My heart dances whenever I see students looking really happy.

着物を楽しむ学生たち / Students enjoying kimono

 そして、最後にご紹介したいのは、年に必ず一度は来てくれる慶應大学のスタディーツアーの皆さんです。昨年は2回訪れてくれ、今年は初めての訪問です。今回のスタディーツアーのメンバーは全て新しい顔に変わっていましたが、毎度毎度のこと、セルビアの学生たちも旧知の友に会うかのごとく、楽しく交流を深めていました。なによりも、自分たちと同世代の学生たちと、日頃苦労して習得に励んでいる言語で実際に語り合えることほど素晴らしいことはありません。
Finally, I would like to talk about the study tour with Keio University, which happens once a year. Students from Keio University visited twice last year, and this was their first visit this year. All the members of this study tour were fresh faces, but the Serbian students always enjoy themselves every time as if they were meeting old friends. Nothing is more wonderful than being able to actually talk to students of your own generation in the language you’re struggling to learn.

慶應大学のスタディーツアーのメンバーたちとの楽しい交流会 / A fun gathering with members of the Keio University study tour

 実際には2月はほかにもたくさんのイベントが盛りだくさんでした。部活動も盛んに開催していましたし、私自身はブダペストで伊東祐郎先生との再会を果たせ、また、多くの方々と知り合い、語り合うことができました。
 そのような中、私事ではありますが、実は、新学期が始まってすぐ、私の母が事実上亡くなりました。すでに16年もの介護生活の末のことでしたし、セルビアに来るときに母とは今回のような事態を想定して話し合いをしていました。そのとき母が私に伝えたのは、どんなことがあっても学生を最優先にして日本へは帰ってこなくていいから、ということでした。その一言を胸に大切に抱えながら、これらの美しく楽しい日々を私はセルビアで学生たちと過ごすことができました。学生たちにも正直に伝えました。2月の日々も毎日寝る暇もないほど忙しく、母の意思強固な遺言を直接預かった身として、私はセルビアから毎日日本まで母の尊厳死のための手続き(法的に許されるぎりぎりの手続き)を姉と進めていました。そんな気も狂わんばかりの日々を、これほどまで彩り豊かな人生の想い出に変えてくれた学生の皆さんや、関係者の皆様に、この場を借りて心より感謝申し上げたいと思います。
Actually, there were also many other events in February. I was able to meet Prof. Sukero Ito again in Budapest and get to know and talk with many people.
 Due to recent circumstances, my mother passed away right after the start of the new semester, although this was a personal matter. It was the end of my 16 years of caregiving and, when I came to Serbia, I talked with my mother about this kind of situation. What my mother told me at that time was that no matter what, I should put my students first, and that I didn’t have to go back to Japan. Holding these words to my heart, I was able to spend these beautiful and enjoyable days with my students in Serbia. I told the students about this honestly. Every day in February, I was so busy that I didn’t even have time to sleep. Having directly accepted my mother’s wishes, I worked from Serbia every day to go through the procedures for her death in Japan together with my older sister. I would like to take this opportunity to express my heartfelt gratitude to all the students and all those involved who have transformed these crazy days into memories of such a colorful life.


活動日誌 2020年1月 / January 2020 Activity Report

2020年1月31日 / January 31, 2020
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / Amari Mino

今年の冬は相変わらず暖かいままで過ぎています。これはもう、私が認定している超晴れ女の留学生が帰国する2月以降にしかどか雪は降らない!との予言に向かっているとしか言いようがないでしょう。そんな例年よりは暖かな1月ですが、次第に新型コロナウイルスの噂がセルビアでも広がってきました。月末頃になると、バスなどに乗ると、小学生や中学生くらいの男の子たちにコロナの歌を合唱される始末。幼少期から比較的外国人の多い中で育ってきたために、普段、自分がアジア人に見えることなど意識もしていないだけに、なかなかこれはショックです。早く改善に向かってほしいところですが……。
This winter is as warm as ever. Now, it will most likely only snow after February when one of my students, who I think brings good weather wherever she goes, returns to Japan! That’s the prediction we’ve made. Although January is warmer than usual, rumors of a new coronavirus are spreading in Serbia. At the end of the month, when I got on a bus or something, elementary and junior high school boys looked at me and started singing a song about corona. I grew up with a relatively large number of foreigners since I was a child, so I didn’t even realize that I look Asian, so this was quite a shock. I hope this pandemic will improve soon ……

◆私の愛するセルビア料理たち / My Beloved Serbian dishes
 みなさんは、外国旅行をするときなど、その土地の料理を楽しみにするタイプでしょうか? それとも、スーツケースに醤油や味噌、お漬物などをごっそりと入れて持って行っては、日本の味が恋しくなったときに食べるタイプでしょうか?
 私は実は、全くの前者なのです。
 私が育った1970年代というのは、まだまだ海外旅行は非常に珍しいものでした。その中で世界中を旅行したことのあった当時の私の父は、日曜日の朝に放映されていた「兼高かおる世界の旅」の大ファンで、私も日曜日の朝、起きると必ずまずこの番組を一緒に見ていたものでした。
When you travel abroad, do you look forward to the local cuisine? Or are you the type to bring a lot of soy sauce, miso, and Japanese pickles in your suitcase to eat when you miss the Japanese taste?
I’m actually quite the former.
 When I was growing up in the 1970s, traveling abroad was still very rare. My father, who had traveled around the world, was a big fan of “Kaoru Kanetaka’s World Trip” which was shown on Sunday mornings, and I used to watch it with him every Sunday morning.

 そして、父から「世界中どこへ行っても生きていけるようになるには、その場所のものを何でも美味しく食べられるようになることだ!」と教えられ、実践させられました。それこそ、「虫を食べる所に行ったら虫を食べよ。」の世界です。
 そのおかげで、私はほとんど全くといってよいほど好き嫌いがありません。若干の苦手なものとかはあります。例えば、そんなにたくさんはお酒は飲めないとかその程度なのですが、かと言って、今まで飲めなかったお酒はありません。セルビアのラキアを存分に楽しめる所以です。
My father told me that, “if you want to be able to live anywhere in the world, you need to be able to enjoy whatever you have there!” and made me practice this philosophy. This essentially means “if you go to the place where you eat insects, eat insects”.
 That’s why I’m not picky. There are some things I don’t like. For example, I can’t drink large quantities of alcohol, but so far there hasn’t been an alcohol that I couldn’t stomach. That’s why I can enjoy Serbian Lakia so much.

 さて、セルビアのベオグラード大学の食事のシステムはちょっと面白いということをご存知でしょうか。学生や先生に知り合いがいれば、食べに行けますので、お勧めします。なお、旅行者として寮に宿泊した場合も、100円ほどのチケットを買って食べられます。寮生なら70円ほどで一食食べられます。
 まず、寮が10ヶ所ほども分散して存在していて、それぞれの食堂のメニューや味に差があって、それを楽しみに寮の食堂巡りをするのが楽しいということがあるでしょう。メニューの取り方のルールも微妙に異なっていて、最初は戸惑うかもしれませんが、だんだんとその違いを楽しめるようになっていきます。自分のお気に入りの寮の食堂も見つかることでしょう。たいていは、自分の住んでいる寮の味に一番慣れてしまうものですが、その寮でしか滅多にお目にかかれないメニューもありますので、食べ歩きはなかなか楽しいものです。寮のほかには、大学の近くにも大学生専用の食堂があります。食堂のことはメンザと言いますので、メンザはどこですかと聞いてください。メンザだけ独立してビルの中に入っていたりするので、初心者が見つけ出すのは至難の業でしょう。やはり学生などと一緒に行って食べてください。
Now, did you know that the dining system at the University of Belgrade in Serbia is quite interesting? If you are acquainted with students or a teacher, you can eat there, so I recommend it. Also, if you stay in the dormitory as a tourist, you can buy a ticket for about 100 yen to eat there. A dormitory student can eat a meal for about 70 yen.
 First of all, there are about 10 dorms, and there are differences in the menu and taste of each dorm’s cafeteria, so it is fun to visit the cafeterias of each dorm. The rules for taking menus are also slightly different, which may be confusing at first, but gradually you will be able to enjoy these differences. You’ll also find your favorite dorm restaurant. Most of the time, you get used to the taste of the dormitory you live in, but there are some menu items only on offer in certain dormitories, so it’s fun to eat your way around. In addition to the dormitories, there is a cafeteria for university students near the university. We call these cafeterias Menza, so ask where the Menza is. Since Menza are usually inside the dormitory buildings, it is very difficult for first-timers to find them. I actually recommend going with other students.

 私は、セルビアに来てからは、本当にセルビアの料理ばかり食べています。ほんのたまに、出されて日本料理を口にすることもありますが、日本料理屋には一度も行ったことがありません。それほどまでにセルビアの料理が口に合ってしまっているのです。
 セルビアの食材はなんと言っても、新鮮で自然です。それは傷みやすさにも直結しますが、それは、そもそも食材として当たり前のことでしかありません。痛まないような、なんらかの添加剤などは入っていないのが当たり前なのですから。
Since I came to Serbia, I have really only been eating Serbian food. Sometimes I eat Japanese food, but I have never been to a Japanese restaurant in Serbia. That’s how much Serbian food suits my taste.
 Serbian food is, after all, fresh and natural. This also means that it’s easy for the food to go stale, but this is only a matter of time of course, as with all fresh ingredients. They’re natural and don’t contain any additives to make them keep longer.

 ある二人の日本人からこんな話を聞きました。一人は、豚肉アレルギーで、もう一人は牛肉アレルギーだったそうです。しかし、セルビアで食べるとなぜかアレルギーが出ないのだそうです。肉のアレルギーではなくて、別のものに反応したアレルギーだったのでしょうね。それほど、ピュアな食材が手に入る国なのですから、それを使った料理が美味しくないはずがありません。セルビアで培われた料理を存分に楽しみましょう。
 とは言え、純粋なセルビア料理ということになると、意外と少ないものです。それはそのはず。様々な地域との交流の(と言えば、聞こえは良いが、占領されたりした)末、様々な地域の料理を取り込んで発展してきたセルビア料理です。周りの国の人たちがセルビアに来ると、自分の国の料理があることに必ず気が付くことでしょう。言わば、いろんな国の料理のいいとこ取りをして成り立っているのがセルビア料理だとも言えます。
I heard this story from two Japanese people. One was allergic to pork and the other was allergic to beef. However, for some reason, they can eat them in Serbia and don’t get allergic reactions. I guess it was not an allergy to meat but an allergy to something else. Serbia is a country where you can get such pure ingredients, so there’s no way that the food using them isn’t delicious. Please enjoy Serbian cuisine.
 However, when it comes to pure Serbian cuisine, there’s surprisingly few dishes. Of this I am almost certain. Serbian cuisine has developed by incorporating cuisines from various regions as a result of interaction with said regions.  When people from other countries come to Serbia, they will surely notice that there are dishes from their own country. In other words, it can be said that Serbian food is made up of the best ingredients of various countries.

 そんな感じで私はセルビア料理を楽しんでいるのですが、多くの日本人はどうしても日本食病と私が呼ぶ病気にかかってしまいます。最初は確かにセルビア料理を楽しめるのですが、しばらくすると、やはり日本の料理が恋しくなってしまう。パンよりもご飯がいい。ご飯も日本のようなもっちりとしたご飯がいい……。セルビアではお米は野菜として、毎日のように食卓に並びますので、ご飯自体は頻繁に食べられるのですが、日本のとは全く種類が違うため、どうしても日本人の口には合いづらいようです。その中で人気なのはマケドニア米。日本のお米の食感に近いそうです。食べさせてもらったこともありますが、私の感想としては、ここまでして、そこまで似ているとも思えないご飯をわざわざ食べるほど私は日本食には飢えていないな、というものでした。せっかくのご馳走を振る舞ってくださった方々、ごめんなさい!
I enjoy Serbian food in this way, but many Japanese people seem to have what I call “I want to eat Japanese food disease”. At first you can enjoy Serbian food, but after a while you start to miss Japanese food. Rice is better than bread. Rice should be chewy like in Japan ……。 In Serbia, rice is served as a vegetable on the table almost every day, so you can eat it often, but since the type of rice is completely different from that in Japan, it doesn’t seem to suit the taste of Japanese people. Macedonian rice is popular among them. It seems to be close to the texture of Japanese rice. I have had it before, but my impression was that it is not so similar and it is not something I would choose to eat. I’m sorry to those who have offered it to me.

 私が、セルビアではセルビア料理しか食べないということをセルビア人に話すと、必ず驚かれると同時に、決まって同じ質問をされます。
 「で、みのはどのセルビア料理が一番好き?」
 うーん、この質問に答えるのはかなり難しいのですね。どれもこれもが好きなものですから。そこで、私はいつもこのように答えます。
 「あえて言えば、パンと牛乳が一番ですね!」
 この答えを聞いたセルビア人はわが意を得たりという顔をして満足してくれます。
 日本人が同じような質問を外国人に対してしたときに、「やっぱり、ご飯とおみそ汁ですね!」と答えてもらえるのと同じようなものなのでしょう。
 私もお世辞でこのような答えを言っているわけではありません。本当に、セルビアのパンと牛乳は美味しい! 特に冬の朝食で出てくる温められた牛乳のなんと美味しいことか! パンを食べるたびに目の前に広がる広大な麦畑の光景。私にとって、基本的な食べ物がこれほど美味しい国はそうそうありません。セルビアのパンと牛乳だけでも私は生きていけます。
 そんな私は、日本に住んでいるときは、いつも納豆卵かけご飯を毎朝食べていました。それが私にとっては、日本にいるときの朝の一番のご馳走なのです。
When I tell Serbs that I eat only Serbian food in Serbia, they are always surprised and ask the same question.
 “So, which Serbian food do you like best?”
 Well, it’s pretty hard to answer this question. I like all of them. So I always answer like this.
 “If I must choose, I’d say bread and milk are the best!”
 When Serbs hear this answer, they look happy and satisfied.
 It is probably the same thing as when a Japanese asks a foreigner a similar question and gets a reply of “rice and miso soup!”.
 I’m not saying this to be polite. Serbian bread and milk are really delicious! Especially the warm milk served at breakfast in winter! Every time I eat bread, I picture a vast wheat field in front of me. For me, there are few countries where basic food is as delicious as this. Serbian bread and milk alone are enough for me to survive.
When I lived in Japan, I always ate ‘natto tamago kake gohan’(natto and egg on rice) every morning. For me, it is the best breakfast in Japan.

私の住む寮のお昼ご飯の一例。赤いのは豪快に盛られたアイヴァル!/ An example of lunch in my dorm. The red one is ajvar (roasted red pepper relish), which is boldly piled up!


活動日誌 2019年12月 / December 2019 Activity Report

2019年12月31日 / December 31, 2019
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / AMARI Mino

今年の冬は変わっています。いつもなら11月中旬頃より雪が降り積もるというのに、全然雪が積もらないのです。少しだけ降るには降っても積もりません。ちょっとびっくりするくらいの暖冬ですが、ヨーロッパ全域、話によると、日本もそうだと言うことです。とは言え、カナダ在住の方からはものすごい寒さだとお話を聞きました。地球の温度は結局はどこかでバランスがとれているということなのでしょう。
Winter this year has been a bit odd. Usually, snow starts to pile up around mid-November, but this year it hasn’t at all. No matter how long it snows for, it just doesn’t pile up. It has been a surprisingly warm winter, and from what I’ve heard it’s been the same for all of Europe, and even Japan. On the other hand, I heard from someone living in Canada that it has been awfully cold there. It seems the earth’s temperatures are struggling to balance each other out.

◆試験という評価の難しさ / The difficulty of exams and evaluations
 今回は、試験というものについて考えてみたいと思います。
 試験というのは、つまり、評価です。評価につながらない試験もありますが、学生にとっては、自分の一生の成績に残る試験というものほど神経を尖らせることはありません。
 私が昔出た大学は一風変わっていました。ちなみに東京外国語大学ではありません。1年生の時の法学の民法の授業など凄かったですね。1年間、民法を学んできて、問題は、たったの一行。「杓子定規について論じなさい。」一瞬、泡を吹きましたが、一息ついて考え直せば、素晴らしい問題であることに気がつきました。それが私の受けてきた大学教育でした。
This time, I’d like to talk about the concept of exams.
An exam is basically an evaluation. Some exams don’t have much affect on how a student is evaluated, but there is still nothing that makes students more nervous than exams.
The university I graduated from was quite peculiar in this regard. By the way, this was not TUFS. The first-year civil law class exams were particularly interesting. After learning about civil law for a year, the final exam set one question only: “Discuss the term shakuhishougi” (“sticking to the rules”). At first I panicked, but after taking deep breaths and thinking about it, I realized what a great question it was. This is this kind of education I experienced at university.

 さて、ベオグラード大学では少し試験のおもむきは異なります。年に2回の中間試験(コロキウム)に加えて、学期末試験が6回行われます。昨年度は学生の強行突破的なごり押しによってさらに1回追加で行われました。実は日本語科の試験は相対的にやさしいので、そんなごり押しをされることはないのですが、ほかの言語の試験は超難しい。日本語の試験に受かってもセルビア語の文法の試験で落ちるなどということはよくあることです。6回の試験を経てもまだ受からなかった学生たち数百名が徒党を組んで7回目の試験を迫ったそうですから、ちょっと日本では考えられない光景です。でも、ここはセルビアです。それが普通なのです。
 そんな昨年度の7回目の試験を経験して、それでもまだなんとなく対岸の火事のような感じで眺めていたのですが、ついに我が身も燃え出すときがやってきてしまいました。
Exams look a little different here at the University of Belgrade. In addition to having two midterm exams (colloquium) a year, they also have final exams six times a year. Last year, after students strongly insisted, one more final exam was added. The Japanese department exams are relatively easy, so they didn’t really insist, but the other language department exams are quite difficult. Many students pass the Japanese exam, but fail the Serbian grammar exam. Students who couldn’t pass an exam after six tries banded together to attempt the seventh, and it was a scene I couldn’t possibly imagine seeing in Japan. But this is Serbia, this is the norm.
While last year I looked on at the seventh-round of exams as if they were someone else’s problem, the time finally came for me to prepare a seventh exam.

 それは12月のコロキウムで起きました。
 実は今年度は教科書が一新されると共に、まだ古い学生(要は落第中の学生)にも考慮しながら試験を作らなければならない難しい時期に当たります。基本的には習ったことしか復習してこないのですから、それ以外の問題には対応できないのです。
 教科書が異なってしまっているというのは問題を作る側にとってはとても頭の痛いことです。新しい教科書だけから出せば、古い学生は解けないし、古い教科書だけから出せば、新しい教科書の存在意義が薄れてしまう。
 私は漢字の読み書きの問題計10問を学年を落として出すことにしました。つまり、一つ前の学年の復習になるような問題を出したのです。
 ある意味、こちらとしては、サービス問題のつもりでしたが、結果は全くの裏目に出てしまいました。
This happened during December’s colloquium.
While the textbooks were changed this year, I had to take the old students (the students repeating a year) into account when making the exam, so it was a very difficult time. They generally only revise the things they have learnt in class, so they can’t attempt questions on anything else.
It was mentally tiring to create a test based on two different textbooks. If I made questions based on the new textbook, the old students wouldn’t be able to answer them, and if I made questions based on the old textbook then there would be no point in having a new textbook.
I decided to make 10 kanji reading and writing questions based on what they learnt in the lower year-levels. Basically, it was revision for what they learnt over a year ago.
From my perspective this was like giving them free marks, but the results actually went in the opposite direction.

 もちろん、上位の学生たちはいつもながらにできます。素晴らしい点数をたたき出してくれました。問題は、中位以下の学生たちでした。前の学年で習った「台風」すらもう書けないのです。「大風」と書いた学生が多数いましたが、そういう言葉も辞書にはあるので、丸にはしましたが、さすがにショックを受けました。日本と台風は切っても切れないような関係。それをもう書けないなんて……。いったい何年日本語を君たちはやっているというのか……。
 ほかにも同じ調子で、全然ダメでした。やはり教科書に載っていたものしか分からない。その漢字のリストが出回っているので、それしか勉強してこない学生が非常に多かった。あとで、そのリストを密かに見せてもらったのですが、難しそうな漢字ばかり並べてあって、私がそこを外してやさしく出したものはリストには載っていませんでした。
 普通ならここで終わりですが、ここはセルビアです。激しい交渉の国です。
 特に卒業のかかった4年生が徒党を組んで、ほかの先生たちに私の暴挙を訴えました。
Of course, the top students were able to answer these without issue. They scored some really good marks. The problem was the below average-range students. They couldn’t even write the kanji for “typhoon”, which they had learnt the previous year. Many students wrote “大風” instead of “台風”, and that word does exist in the dictionary, so I gave them points for it, but I was still quite shocked. Typhoons and Japan are inseparable, so not even being able to write that… exactly how many years have they been studying Japanese?
There were also other issues, so they didn’t do well at all. I guess they only know what’s in the textbook after all.               A kanji list from the textbook was being passed around, so many students only studied using this. Afterwards, I got someone to secretly show me this list. It was full of difficult kanji, and the easier kanji that I chose for the exam had been left off.
Usually, the exam would be over by now, but this is Serbia, Serbians always try to negotiate.
The fourth-year students in particular were angry and appealed to the other teachers about my “reckless actions”.

 「甘利先生の試験問題の出し方はセルビア流ではない!」
 それが理由です。
 つまり、セルビア流というのは、ある程度、答えなどは前ばらししておくか、決まったところしか出さないようにしておいて、そのリストを覚えておけば点が楽に取れるというのが、彼らの主張でした。
 私といえば、「試験範囲よりもレベルを落とした漢字を出しているんだから、解けないと日本語を勉強している意味がないと思いませんか!!!???」と押し問答を始めました。
 「ここは私たちの大学です。先生はセルビア流でやるべきです!!!」
というのが学生の主張。
“The way Amari-sensei makes exam questions isn’t the normal Serbian way!”
That was their reasoning.
In other words, they claimed that the “Serbian way” for teachers means only putting certain things in the exam, and for students means memorizing this list so you can easily get the marks.
I stood my ground and said “I included kanji that is lower than your current level, so if you couldn’t remember them, then why are you studying Japanese?”
They responded “this is our university, so you should do it the Serbian way!”

 私の学業に対する考え方、語学に対する取り組み方をとうとうと語った結果、一人の学生を除いて納得はしてくれましたが、一人は絶対に納得しませんでした。
 そして、私は学生に約束させました。特に、納得しなかった一人の学生に。
 「じゃあ、次の学期末試験は、あなたたちの流儀の通りに出します。それならば、あなたたちは満点を取れると主張しましたよね。必ずその言葉を守ってください。」
 結果としては、漢字が全部できた学生はほとんどいませんでした。できる学生は、どんな問題でもいつもできる学生。リストからしか出なければ満点を取れると主張していた学生もせいぜい6割の出来。それでも満足げな顔をしていました。無事に次の学期に進級も出来ましたしね。
After talking for a long time about my thoughts on studying and language learning, all but one of my students came around. This student really couldn’t understand my point of view.
I also made a promise to these students. In particular, I made it for this one student.
“In the next final exam, I will do things your way. If I do this, you said you will all get full marks, right? Please keep this promise.”
As a result, hardly any students got all the kanji questions correct. The students who got high scores were the students who always do so no matter what kind of questions I give them. The students who claimed they’d get full marks if I only used kanji from the list only managed to get 60% of the questions right. Despite this, they were smiling as if they’d gotten 100%. I suppose it’s because with this mark they can advance to the next year-level.

 これが私の愛すべきセルビア流なのです。どこをどう愛すべきなのかと思われるかもしれませんが、この無茶とも言える激しい交渉。それはそれで私はとても面白いと思っているのです。
 あるとき、ある学生が教えてくれました。「先生、セルビアでは議論したり言い争っているときに、先に黙ったほうが負けなんですよ。」
 なるほど、私は「はいはい。」とすぐに黙ることは決してありません。
 必ず、相手が飽き飽きするほど自分なりの考えを説明し、説得し続けます。
 セルビア人にとっても、そういう相手のほうが面白いのかもしれませんね。
This is the Serbian way that I ought to love. You may wonder what exactly about it am I supposed to love, and you may think it’s excessive, but intense negotiations are the Serbian way. Despite everything, I think it’s a very interesting way of thinking.
One time, a student said to me “Sensei, in Serbia, the first person to stop talking in a discussion or argument loses”.
I understood this, as I never say “okay sure” and back down without saying anything.
I always explain my thoughts and try to persuade the other person until they grow tired.
For Serbians, this kind of person is probably more interesting.

大学の周りにたくさん出るクリスマスの屋台。ここでも交渉が買い物の華。/

Many Christmas markets popped up around the University. Even while shopping here you have to negotiate.


2019年11月30日 / November 30, 2019
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / AMARI Mino

 11月に入りました。JLTPがあと1ケ月もない12月1日に迫ってきます。昨年度から国費留学の大学推薦枠を増やしていただけるようになったこともあり、その応募条件であるN2を目指す学生が目に見えて増えてきました。カルロブツイ高校(言語専門高校)に日本語コースが開設されたこともあり、高校生たちの受験者数も増えています。昨年度は応募者4名だったN1にも10名もの受験者が集まりました。皆、真剣です。そして、11月からはコロキウムと言われる、いわば中間試験のようなものが各科目ごとに五月雨式に行われます。学生たちは平均して10科目、多いともっとたくさんの科目を履修していますから、11月から、コロキウムに追われながらのJLPT対策となります。そこら辺のシビアさは、日本の大学以上でしょう。
It’s November. The JLPT is less than a month away on December 1. Since last year, we have been able to receive an increase in the number of university recommendations for government-sponsored study abroad programs. As a result, there has been a noticeable increase in the number of students aiming for N2, which is a condition for applying for these programs. With the opening of a Japanese language course at Karlovci High School (language high school), the number of high school students taking the test is increasing. N1, which had four applicants last year, attracted as many as 10 applicants. Everyone is serious. And from November, the so-called colloquium, which are like midterm exams, will be held for each subject. On average, students take 10 courses, or more, so from November, we will be doing JLPT preparation while also being chased by the colloquiums. In that respect, it must be more stressful than Japanese universities.

◆ベストを尽くすこと / Doing One’s Best

 私はベストからほど遠い人間です。生まれつき多くの障害を持っているため、なかなか人と同じようには何事もできません。
 それでもその中で一つだけ肝に銘じていることがあります。それはベストを尽くすこと。
 そして、後ろに回せるものは回してしまうこと、です。
 11月と言う月は、本当に力の限りを尽くし果てた月でした。
 多い週は、90分の授業を17コマ相当こなしました。もちろん、そのための準備が別途必要になります。1日も休むことはありませんでした。
 通常の授業は6コマしかありませんから、11コマはプラスアルファの授業です。
 やらなくてもいいのかもしれませんね。
 現に、私しかやっていませんから。
I’m far from the best. Because I was born with many disabilities, I can’t do things in the same way as most people.
 But there is one thing that I always keep in mind. That is to do your best.
 And also to give back what you can.
 November was really a month of hard work.
 I taught 17 classes a week. Of course, I need to prepare for these separately. I didn’t take a day off.
 Normal teachers only hold 6 classes, so 11 of mine were extra classes.
 Maybe I don’t have to do them.
 Actually, I’m the only one doing them.

セルビアには未だ学内抗争と学生運動の影響が残っています。
そんな中でも私が自由に活動できるのには理由があります。
 東京外国語大学からGlobal Japan Officeのコーディネーターとして雇われているからです。コーディネートするわけですから、いかなる障壁も突破するしかありません。そして、それに表立って異を唱える者もいません。大変にありがたくもあり、極めて厳しい前線に立たなければならない役職でもあります。
 とは言え、学生にとってはそういう先生が一人いることは良いことだと思います。
「甘利先生は日本人じゃないみたいですね。」と言われたことがあります。
 びっくりして「どうして?」と聞き返しました。
 すると、「だって、甘利先生は自由なんですもの!」
 自由、ですか……。実は、自由ほど苦しいものはありません。自由に動いているように見えるその陰では、もがいているのです。
Serbia still suffers from the effects of internal strife and student activism.
But there is a reason why I can act freely.
 I am employed as a coordinator of Global Japan Office by the Tokyo University of Foreign Studies. I have no choice but to break through any barriers as I coordinate. And no one objects to this. While it is an extremely demanding position, I am very grateful for it.
 However, I think it is good for students to have one teacher like that.
 I was once told, ” Amari-sensei, you don’t seem Japanese.”.
 I was surprised and asked, “why?”.
 They answered, “because you are free!”
 Freedom ……。 In fact, nothing is more painful than freedom. I struggle behind what appears to be freedom.

 それでも、そうか、セルビア人からは私は自由に見えるのか、そんなにほかの日本人はセルビア人からは不自由に見えるのか、としばし感慨にふけりました。褒め言葉なのかは分かりませんが、楽天的な私は賛辞として受け取ることにしました。
 さて、12月1日の前日の土曜日まで、日頃のプライベートレッスンや部活動に加えて、JLPT対策の授業を行いました。結局、JLPT対策は、自由な私一人で全て行いました。
 受験する全ての学生が参加したわけではないものの、のべ60名ほどの学生が参加してくれました。その多くがN1を含めて合格してくれたことほど、11月の炎の1ヶ月間を喜びに変えてくれたものはありません。
 そして、11月のベオグラードは次第に美しいクリスマスイルミネーションで輝いていきました。
Even so, I was deeply moved for a while regardless of if I look free or if other Japanese people look reserved to the Serbs. I don’t know if it was a compliment, but I decided to take it as a compliment because I’m optimistic.
 Until Saturday, the day before December 1, in addition to our regular private lessons and club activities, I had a class on JLPT tactics. In the end, I prepared all the JLPT tactics by myself.
 Although not all the students taking the test participated, a total of about 60 students participated. So many of them passed the exam, and some even passed N1, so this was my greatest source of joy in the past month.
 Gradually, November in Belgrade began to shine with beautiful Christmas illuminations.

Serbia1911

時を忘れる書道の部活動 / Time flies by at the calligraphy club


活動日誌 2019年10月 / October 2019 Activity Report

2019年10月31日 / October 31, 2019
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / AMARI Mino

まだまだ夏の熱気を引きずるような10月、今年は例年よりも前倒しで学期の授業が始まりました。東京オリンピックにあわせて学生のためのスポーツの大会を国を挙げて開くためだそうです。東京外国語大学からは新しい日本語の先生が来てくれました。私と同期で大学院に入学したということもあり、色々と話が通じやすい点も多く、ありがたい限りです。
The summer heat continued on into October, and the start of classes was moved further forward than in previous years. A sports festival is being held for students to pump the country up for the Tokyo Olympics. A new Japanese teacher from TUFS came to teach at the University of Belgrade. They entered graduate school at the same time as I did, so we get along quite well – for which I am very grateful.

◆語学の教育というもの / Second Language Education
 のっけから不平を述べます。ベオグラード大学の日本語科は異常です。
 何が異常かといえば、その人気がまず第一に異常。言語専門高校の今年の日本語コースの入学試験の競争倍率(約4倍)を見てもそうですが、日本語が人気がありすぎます。
 それは、実はとても素晴らしいことですよね。私もそう思います。日本国籍を持つものとして、誇らしく思います。
I’ll start with my complaints. The Japanese department at the University of Belgrade is strange.
What I mean by this is that it is strangely popular. You can also see this in the acceptance rate of the Japanese course at the language-specialty high school (which is roughly 40%), but Japanese is just too popular.
This is actually a very wonderful thing, isn’t it? I think it is. As a Japanese citizen, this makes me very proud.

 しかし同時に、私は非常に学生に対して申し訳なく思うのです。
 例えば、スペイン語科。定員は60名です。これは日本語科も本来、同じです。ただし、なぜか近年、60名を超えてしまうことが多く、昨年などは80名超えでした。
 それはいいのです。しかし、問題はその後。歴史のあるスペイン語科は60名を3クラスに分けます。1クラス20名です。語学のクラスとしてはそれでもまだちょっと多いくらいでしょうか。それでも、適正な範囲内でしょう。
At the same time however, I feel bad for the students.
For example, the Spanish department. Their maximum intake is 60 people. This is the same as the intake in the Japanese department. However, in recent years the Japanese department often accepts more than this limit, and last year there were 80 students.
This is fine, but the problems arise after they’ve been accepted. The long-standing Spanish department splits their 60 students into three classes. There are 20 students in each class. For a language learning class, this is still a few too many, but it is within the manageable range.

 それでは、日本語科は? 1クラスです。ちなみに、教室は定員36名。昨年はそこに80名以上がすし詰めだったのです、最初は。落第生も授業に来ますから、名簿の上では各学年、平均して100名前後ほどの学生がいます。
 36名のクラスに60名や80名は可能でしょうか?
 結論だけ言えば、可能です。学生たちは、教室の壁沿いに椅子を並べ、それでも座れない場合は、床に直接座ったり立ったまま授業を受けてくれます。感動ものです。そして、これほど申し訳のないことはありません。
How about in the Japanese department then? Well, there is one class. And by the way, the classroom is designed to seat a maximum of 36 students. Last year, at first, I squished 80 students into this classroom, but some repeating students also joined the class, so there was an average of 100 students per year group.
Is it possible to even fit 60-80 students in each class?
Technically, yes. The students lined up chairs along the walls of the classroom, and some even sat or stood on the floor when there were not enough chairs. I was impressed by their resolve. I also feel bad that they had to do this.

 さらに、学生はみな同じレベルではありません。すでに言語専門高校で4年間勉強してきてJLPTのN2を持っている学生もいます。全くのゼロ初級者もいます。自分で相当のレベルまで学んできている学生も当然います。
 それをごっちゃにして教える。
 まぁ、不可能ではありません。できないことはないです。
 私が大学生の時の語学のクラスは60名でしたから。文法訳読法ならできるでしょう。しませんけどね。
The students are also not all at the same level. There are students who studied Japanese for four years at the language-specialty high school and have already passed N2 of the JLPT. There are also students who have never studied Japanese before. And of course there are also students who have studied quite a bit on their own.
I have to teach all of these students together in one class.
I suppose it’s not impossible, I can do it.
After all, there were 60 students in the language class I took during my university years. I suppose you could teach a class of this size if you use the grammar-translation method. I don’t use this method though.

 とにかくこの状況はもったいない。ここはラテン語を覚えるクラスではないのです。生きた日本人から、生きた日本語を学びたくて集まっているクラスなのです。
 ええ、私もあらゆる手を尽くしてみました。私は保育園の先生をしていましたが、3歳児一人は大学生40人くらいに相当することもわかりました。80名だったら3歳児2名。クラスを把握することくらいなら、なんてことはありません。
This situation is unfortunate. After all, this isn’t a Latin class. It is a class where living students gather to learn a living language, Japanese.
I tried my best with this class. I used to be a kindergarten teacher, and I’ve come to realize that one three-year-old is roughly equivalent to 40 university students. There were 80 students, so that is like two three-year-olds. As long as they understand the class, its fine.

 でもね、ここは保育園じゃないんです。もっともっと高度なことを学びたくて皆来ているのです。しかも、国の最高学府であり、その中の一番人気の日本語科なのです。
 だから、私はベストを尽くしたい。
 ベストを尽くせば、当然、力も果てる。絶対的に先生の数も教室もなにもかもが足りないのですから。そもそも本物の教科書さえ買うことができないのです。
 それでも私は学生を最優先にします。
However, this is not a kindergarten. This is a group of highly-intelligent people coming to learn. These students are coming to study in the most popular department of Serbia’s highest institute of education.
This is why I am trying my best.
Naturally, working hard leads to exhaustion. The insufficient number of teachers and classrooms also contributes to this. We can’t even buy real textbooks.
Under these circumstances, I choose to prioritize the students.

 だから、ごめんなさいね。このブログは一番後回しなのです。
 お許しください。そうじゃないと、毎年10名もの留学生を日本に送り込めないんです。
 そして、知ってください。こんなに日本を愛してくれている学生たちがいることを。
 私はたくさんの学生を失望させていることも知っています。どんなにがんばっても、私の手には負い切れないから……。どんなにプライベート授業を用意しても、部活を増やしても、とても全員に十分なケアをしてあげられない。希望を失わないように励ますのがやっとです。
For this I apologize, but I have to put this blog at the bottom of my priorities.
Please forgive me. If I don’t do this, I can’t possibly send 10 exchange students to Japan every year.
I would also like you to know that there are students here who really love Japan.
I also know that I am letting down a lot of students. No matter how hard I try, I can’t cater to every student. No matter how many private lessons or extracurricular activities I prepare, I can’t pay adequate attention to every student. All I can do is encourage them not to lose hope.

 この優秀な学生たちを、もっともっと良い環境で、いえ、普通の環境で育ててあげれば、彼らほど祖国の力、ひいては日本の力にもなってくれる者はいないでしょう。
 本当に素晴らしい学生たちばかりなのです。
 私の常に抱えるジレンマをご理解下さい。
 それでもわたしは学生を第一優先にし続けます。
 一番愛してくれる者に、一番の愛を返したいのです。
 だれがなんと言おうとも、残された短い人生を賭けて私はあがき続けるのです。
If I could teach these bright students under better or at least normal conditions, I am sure no one would be as influential to both Serbian and Japanese society as they could be.
They really are a great bunch of students.
I hope you understand my dilemma.
Despite all this, I continue to put my students first.
I want to give all my love to those I love the most.
No matter what people say, I want to give what’s left of my short life to these students.

日本語科の新入生たち / The new students of the Japanese department


活動日誌 2019年9月 / September 2019 Activity Report

2019年9月30日 / September 30, 2019
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / Amari Mino

 9月の残暑の中、今年は例年の2回に加え、学部生たちからの強行突破的な「希望」により、文学部全てでさらにもう1回、期末試験が行われることになりましたので、名実ともに、残暑さめやらぬ、熱い9月となりました。また、期末試験とは別に、9月の頭から始まったJLPTの12月の試験の申し込み数は、大きく数を伸ばし、今後とも受験者数の伸びが期待されます。それと共に、準備をいかに効率良く行っていけるかが課題となってきています。セルビアにいると、日本語を学びたいという人々の熱気を感じることがあります。また、いつか日本を旅行してみたいという人たちにもよく会います。そういった人々の気持ちを大切にしていきたいものです。
In the lingering summer heat of September, due to the aggressive “hope” from the undergraduate students, in addition to the usual two times this year, the final exams will be held once more in the Faculty of Letters. So it was a hot September both in name and reality. In addition to the final examinations, the number of applications for the JLPT December examinations, which started in early September, has increased significantly, and the number of examinees is expected to increase in the future. At the same time, the challenge is how to prepare efficiently. When I’m in Serbia, I sometimes feel the enthusiasm of people who want to learn Japanese. I also often meet people who want to travel to Japan someday. I want to value the feelings of these people.

◆日本への留学生をいかにサポートしていくか / How to Support International Students in Japan
9月というのは、ちょうど日本へ留学生たちが旅立って行く月に当たります。今年は、東京外国語大学を初めとし、約6の大学へと旅立っていきました。
その中で、大学の寮が空いていなかったため、自分たちでアパートを見つけなければならなくなった東京外国語大学への留学生二人がいました。
8月のある日、わたしのスマホへ、メッセージが届きました。
「先生、助けてください!」
September is the month when international students leave for Japan. This year, students traveled to about six universities, including Tokyo University of Foreign Studies.
Among them, there were two foreign students at Tokyo University of Foreign Studies who had to find their own apartment because the university dormitory was not available.
One day in August, a message arrived on my smartphone.
“Please help me!”

それは、9月末から東京外国語大学へ国費留学することが決まっている学生からのメッセージでした。 今年は大学の寮が空いておらず、アパートを見つけて契約をしなければならなくなったのです。
It was a message from a student who is scheduled to study at Tokyo University of Foreign Studies from the end of September. This year the university dormitory is not available, so I have to find an apartment and make a contract.

今はインターネットの時代。セルビアだってインターネットは使えるのだから、昔に比べたら簡単に物件は探せるだろうし、困ったときは留学生課からのサポートも得られるから簡単そうに思えるかもしれません。ところが実際には、セルビアという国はまだまだ国際的にはとても厳しい状況にあるがゆえに、現実には難しい問題に直面してしまうのです。
まずなによりも大変なのがお金です。留学生が言うには、「敷金」「礼金」「契約費」「前払い家賃」で一気に約20万円を超える一時金も必要となってしまう、という訴えでした。確かに日本人にとってもあまり楽ではない金額ですが、セルビア人にとって、それはどのくらいのインパクトがあるのでしょうか? 平均給与から考えてみましょう。セルビアでの平均月収は約4万円です。つまり、年収にしても約48万円。日本の約10分の1です。国費留学生の場合、確かに日本という国から留学費用は出ます。しかし、実際にお金をいただけるのは、日本に行ってしばらくしてからであり、アパートを借りる場合は、一時自己負担でなんとかしなければなりません。その他の生活当初の諸経費を考えるとかなりの出費が必要となってしまいます。
This is the age of the Internet. Serbia also has an internet connection, so it’s easier to find a place than it used to be, and if you’re in trouble, you can get support from the Student Exchange Division, so it might seem easy. In reality, however, Serbia is still in a very difficult situation internationally, so students from here do face problems.
The most difficult thing is money. According to the student, they have to pay a lump sum of over 200,000 yen including the “security deposit”, “key money”, “contract cost”, and “prepaid rent”, which they complained was too much. It’s certainly not an easy price for Japanese, but how much impact does it have for Serbs? Let’s start with the average salary. The average monthly income in Serbia is about 40,000 yen. In other words, their annual income is about 480,000 yen. It is about 1/10 of Japan. In the case of a government-sponsored international students, the expenses for studying abroad are surely paid from Japan. However, it will be some time after they arrive in Japan that they will actually receive the money, and if they rent an apartment, they will have to temporarily pay for it themselves. Considering other expenses at the beginning of their life, they need to spend a lot of money.

今回は、幸い、二人とも、親御さんがこういうときのためにお金を貯めておいてくれていました。しかし、セルビア人にとっては非常に高額なお金なのは確かです。
次に、セルビアから果たして日本の不動産会社を通じて、渡日前にちゃんと物件を抑えて契約ができるのか、という問題がありました。実はセルビアはヨーロッパにはありますが、郵便や通信、金融などのサービス等々、全てにおいて、原本主義の日本の契約慣例にセルビアから合わせることは思いの外、大変なことなのです。日本における不動産契約というのは外国人にとっては難しい手続きなのです。
これらを今回はGJOでサポートしていくことにしました。
Fortunately, their parents saved money for them this time. But for the Serbs, it’s certainly very expensive.
Next, there was the question of whether they would be able to make a contract with a Japanese real estate company from Serbia to secure a property before coming to Japan. Serbia actually exists in Europe, but it is unexpectedly difficult to adapt from Serbia to the Japanese contract customs of “originalism” in all services such as postal services, telecommunications, financial services, etc. Real estate contracts in Japan are difficult procedures for foreigners.
This time, I decided to support them in GJO.

二人の留学生の希望としては、大学の近くがいい、費用は寮に住んだときと同じくらいがいい、シェアハウスは嫌だ、というだいたい3点に絞られました。そして、その3点を満たしていたのが、わたしが住んでいたアパートだったのです。
それで、わたしは二人の学生に聞きました。
「わたしが住んでいたアパートなら紹介できるけど、そこはとても古いよ。大丈夫?」と。
そうしたら、二人が言うには、「先生が住んでいたところなんですから、どんなに古くても、わたしたちは絶対大丈夫です!」と。
そう言ってもらえて、とても嬉しかったです。
The requests of the two international students were narrowed down to about three points: they wanted to live near the university, they wanted rent to be as good as the dormitory, and they didn’t want to live in a share house. The apartment where I used to live ended up satisfying these three points.
So I talked with the two students.
“I can recommend the apartment I used to live in, but it’s very old. Are you okay with that?”
Then they said, “It’s the place where you lived, so no matter how old it is, we’ll be fine!”.
I was very happy to hear that.

その上、わたしが住んでいたときにはなかった冷蔵庫やガスレンジまで大家さんの計らいで2部屋ともそろえてくださいました。
日本に着いてからほんの数日間、ホテルを借りて不動産を探すなどということですらセルビア人には金銭的にとてもきついことです。着いた日に、自分の寝床がちゃんと確保されていることほど、安心できることはありません。
このように、ちょうどうまく連携がいき、留学生たちは不安を感じることなく日本へ旅立つことができたのですが、温かな大家さんの気心、真摯に接してくださった不動産会社、そして、かなりの時間と身をもってボランティアに徹して支えてくれたわたしの姉がいなけば、実現が難しいことでした。
今後、留学者数の増加により、東京外国語大学に限らず、受入大学で寮に入れない可能性があります。それでも、セルビアから安心して留学にのぞめるよう、日本の大学と協力してセルビアの学生の支援を続けていきたいと思います。
In addition, the landlord arranged two rooms including refrigerators and a gas stoves that they didn’t have when I lived there.
Even renting a hotel and looking for real estate for just a few days after arriving in Japan is very difficult for Serbs financially. There is nothing more reassuring than having your own bed on the day you arrive.
In this way, the cooperation was just right, and the students were able to travel to Japan without feeling uneasy, but without the warm spirit of the landlord, the real estate company that treated them sincerely, and my older sister who supported them with a lot of time and effort and devoted herself to volunteering, it would have been difficult to realize it.
Due to an increase in the number of students studying abroad in the future, there is a possibility that students may not be able to live in dormitories at host universities, not just the Tokyo University of Foreign Studies. Nevertheless, I would like to continue supporting Serbian students in cooperation with Japanese universities so that they can come to study abroad from Serbia with peace of mind.

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姉(右)と留学生の一人 / Elder sister (right) and one of the international students


活動日誌 2019年8月 / August 2019 Activity Report

2019年8月31日 / August 31, 2019
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / Amari Mino

8月のベオグラードは暑いとは言え、現地の人たちによると例年ほどは暑くはなかったそうです。それにしても、湿度は低いとは言え、日本人にとっては結構暑く感じてしまいました。特に、大学の寮の部屋には冷房はないため、扇風機頼りの夏でした。それでもたくさんのアウトドアスポーツ(例えば、登山やカヤック)を楽しむことができ、ずいぶんと健康的に日焼けすることができました。夏のセルビアは日本に帰るにはもったいないほど素晴らしい季節だと思いました。ずっとセルビアにいたおかげで、日本からのお客様をたくさんお迎えすることができ、わたしにとっても、学生たちにとっても、大変充実した夏休みになりました。

Belgrade in August was hot, but local people said it was less hot than usual. Even so, although the humidity is low, I felt quite hot for Japanese. Notably, there is no air conditioner in the dorm room of the university, so electric fan is very necessary during the summer. Even so, I was able to enjoy a lot of outdoor sports, for example, mounting and kayaking, and get a very healthy suntan. I thought Serbia in summer is the best season for me, even not willing to return to Japan. Being in Serbia all this summer, I have been able to welcome many guests from Japan. So it has been very fulfilling summer vacation for both the students and me.

◆夏に輝く学生たち
7月はほとんどイベントがなかったのですが、本格的に8月に入ると、ベオグラード大学へ海外からのお客様が多数訪問してきてくれるようになりました。
まず、例年訪れてきてくれている、学習院女子大学の学生さんたち。中島先生に率いられて、今年でなんと9回目のベオグラード大学への訪問となります。そして、毎回、ベオグラード大学の日本語科の学生たちとの交流会を開くのですが、今年はご連絡いただいたのが直前だったため、どの程度学生が集まるだろうかと危惧したのですが、学習院女子大学の学生11人に対してベオグラード大学の学生は30人近くも集まってくれました。日本語科以外の日本語に堪能な学生も集まってくれたのも嬉しかったです。
一行はカレメグダン要塞を巡り、それからマーケットに寄ったりしながら、大学付近のベオグラード市内の観光をし、交流会のために用意しておいたお店に集い、文字通り、真夜中過ぎまで交流を暖めました。
その次に訪れてきてくれたのが、慶應大学のサークルによるスタディーツアーで、2月に続いての2回目でした。2月にベオグラードを訪問してくれた2年生の先輩が、1年生の後輩たちを引き連れてベオグラードにまたやってきてくれました。慶應大学からの訪問については、特別に公式な行事は用意しなかったのですが、それでもやはり多くのベオグラード大学生たちとの交流を十分に持つことができました。
このように、同じ大学生たちがベオグラードを訪れてきてくれることほど、ベオグラード大学で日本語を学んでいる学生にとって嬉しいことはありません。なにせ私たちにとっては日本はとても遠くて旅費もすごくかかってしまう国です。セルビアにいる在留法人数も公式にはたったの177人。しかもそのうち、大学生の世代の日本人はほんのわずかです。そのような状況の中で、これだけたくさんの日本からの大学生と和気あいあいと交流ができる機会というものほどありがたいものはありません。まさに学生たちの目が輝き、いつもよりもぺらぺらと日本語が口をついて出てくる時なのです。
さて、8月の終わりには今後は、非常に大きなイベントが行われました。これは滅多に行われないような大イベントです。その名は、AJE、ヨーロッパ日本語教師会によって開催された「第23回ヨーロッパ日本語教育シンポジウム ベオグラード大会」です。学生たちにとってこのような大規模な日本語の学会を経験するのは初めてのこと。何ヶ月も前から入念に準備を進め、例えば、パーティー会場へ向かうまでのツアーガイドのための文章も考えに考え、添削してもらって一生懸命暗記していたようです。学会会場では、会場への案内や休憩時間の飲み物やお菓子の提供など、一生懸命おもてなしの心を発揮していました。セルビア人のおもてなしの心は決して日本人には負けていません。それどころか、ずっとおもてなしの心が強いように私には思えるほどです。3日間にも及ぶ、朝早くから夜遅くまでの学会を無事に乗り切った学生たちは、とてもたくましく育ったように見えました。特に、多数の日本語話者の研究者と日本語で常に会話し続けたことにより、同世代の学生との気楽な会話とはまた違った日本語の力が伸びたように感じました。おかげさまで、参加者の皆様からはベオグラード大学日本語科の学生に対して過分なほどのお褒めのお言葉をたくさんいただくことができました。全ての参加者の皆様、お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。

◆Students Shining in Summer
Although there were almost no events in July, after August began, then the University of Belgrade started receiving many visitors from overseas.
First, the students from Gakushuin Women’s University visited us. They visit us once every year, and this is their ninth visit to Belgrade University, led by Professor Nakajima. And every time, we hold an exchange meeting with Japanese language students at the University of Belgrade. This year, we were worried about how many students would gather because we had just received a message from them. But as a result, we welcomed 11 students at Gakushuin Women’s University, and nearly 30 students at the University of Belgrade came to host them. I was also happy that students are more fluent in Japanese than in the Japanese language classes.
The party toured the Kalemegdan Fortress and then shopping at the market. We had excellent sightseeing around the university and gathered in the restaurant they had set up for the get-together, literally keeping the exchange warm until after midnight.
The next one we welcomed was a study tour by a club of Keio University, which was the second one after February. A senior sophomore who visited Belgrade in February came back to Belgrade with his juniors. We did not prepare any official events for a visit from Keio University, but we were still able to interact with many students of the University of Belgrade.
There is nothing happier for students studying Japanese in Serbia than the fact that the same generation’s students visit Belgrade. After all, Japan is a very far country for us, and it costs a lot of money to travel. There are officially only 177 residents in Serbia. And only a few of them are Japanese university students. In such a situation, there is nothing more welcome than the opportunity to socialize and interact with so many Japanese university students. I felt happiness supremely when the students’ eyes are shining, and their Japanese words come out more fluently than usual.
At the end of August, there was a massive event at the university. This event is a big event that rarely happens. The name is “The 23rd Japanese Language Education Symposium in Europe” held by AJE, Association of Japanese Language Teachers in Europe. It was the first time for students to experience such a large-scale Japanese language conference.
For months they had been carefully preparing, thinking about writing for a tour guide in Japanese, asking for corrections, and memorizing them all. At the conference venue, they showed their hearts for hospitality by guiding people to the site and offering drinks and sweets during breaks. The Serbians are no less hospitable than the Japanese. It seems to me that they have a powerful spirit of hospitality. The students who survived the three-day conference from early morning to late at night looked very strong. In particular, I felt that their ability to speak more formal and polite Japanese has improved as a result of constant conversation in Japanese with many Japanese-speaking researchers. Thanks to you all, we received a lot of praise from the participants for our students.
Thank you very much to all the participants, students, and staff.

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セルビアと日本の学生たちの交流、及び、学会での様子 Interactions with students of Serbia and Japan, and the academic symposium


活動日誌 2019年7月 / July 2019 Activity Report

2019年7月31日 / July 31, 2019
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / AMARI Mino

とても暑い上にゲリラ豪雨に見舞われた6月が終わり7月に入ると、少し涼しくなりました。セルビア人によれば、例年よりも今年の夏は涼しいとのことで、確かに扇風機があれば十分快適に過ごしていけます。ただし、雷を伴うゲリラ豪雨は7月に入っても時々ありますので、傘は必ず持って出るようにしています。大学は7月の上旬に学期末試験があり、そのあとは本格的に長い夏休みに入りました。大学の校舎も閉じられてしまっています。わたしは夏の間もずっとセルビアにいて大学の寮で暮らしているのですが、学生が帰省してしまっているので、とても静かです。それに、セルビアの夏は、日本と違って蟬が鳴かないんですね。そこが日本の夏との最大の違いであることに気が付きました。ベオグラード周辺は自然が豊かなので、山登りに行ったり、ドナウ川でカヤックに乗ったりして、夏の生活を楽しんでいます。日本と同じなのは、蚊がいっぱいいることですね!
The hot and rainy June came to an end, and Belgrade became a little cooler in July. According to Serbians, this year’s summer was cooler than usual, and when I think about it, having a fan was enough for me to survive the heat. Going into July, there was still the occasional downpour paired with thunder and lightning, so I have been constantly carrying an umbrella with me. Final exams at the University were held in the first half of July, after which the long summer vacation began. The university will be closed during this time. I will be spending my entire summer in Serbia, living in the university dormitory, but the students have all left, so it is very quiet. Also, different from Japan, cicadas don’t sing during the summer. I realized that this is probably the biggest difference between Japanese and Serbian summers. There is a lot of nature surrounding Belgrade, so I have been enjoying my summer by hiking in the mountains and going kayaking in the Danube river. One thing Japanese and Serbian summers do have in common though is the amount of mosquitoes.

◆セルビアの公教育における日本語教育 / Japanese in Serbian Public Education
今月は部活動などもお休みで、あまりイベントらしいイベントがありませんでしたし、試験の報告をしても面白くないでしょうから、セルビアの公教育における日本語教育について少しお話ししたいと思います。
現在、セルビアで最大の日本語教育機関は、何と言ってもベオグラード大学です。日本語を専攻する学生は4学年で約320名、副専攻とする学生も約110名います。セルビアという地で実に430名もの学生が日本に強い関心を持って日本語や日本の文化などを勉強しているというのは驚くべきことです。
There were no club activities or events this month, and talking about exam results is not very interesting, so I want to talk a little about Japanese language education in Serbia’s public education system.
Currently, the biggest Japanese language education institution in Serbia is none other than the University of Belgrade. There are around 320 Japanese language majors spread over four year levels, and around 110 students taking Japanese as a minor. It is actually surprising that there are 430 students in Serbia that have such a keen interest in studying Japanese language and culture.

ベオグラード大学の日本語専攻の学生には、これまで東京外国語大学で作られた「初級日本語」と「中級日本語」という教科書が使われてきました。とてもよくできた教科書なのですが、さすがにだんだんと古くなってきていることは否めません。学生もそれを知っているので、新しい教科書を欲していました。
そんな折、新しく「ともだち」という教科書が「初級日本語」の後継として作られました。まだできたての新品ほやほやです。わたしはセルビアに来る前にちょうどこの教科書について藤森弘子先生から直接学んでいましたので、今年に入ってからわたしの1年生、2年生のクラスで実験的に「ともだち」を使ってみました。結果、とても好評を博し、2019年10月からの新年度をもって「ともだち」が正式導入されることになりました。新しい教科書で学生はやる気を増し、教師にとっては使いやすくて教えやすいという嬉しい結果です。ただし、「初級日本語」が蓄積してきたような数々の副教材はまだまだこれからの開発途上ではあります。新しい教科書を使いながら、「ともだち」の環境をますます充実させていくお手伝いもできたらと願っています。
Japanese language majors at the University of Belgrade have been using the “Elementary Japanese” and “Intermediate Japanese” textbooks made by TUFS. I think these are very well-made textbooks, but you can’t deny the fact that they are a getting a little old. The students also know this, and have been wanting new textbooks.
Right at this time, a new textbook called “Tomodachi” was made as a successor to “Elementary Japanese”. It’s a brand new book, so it feels quite fresh. I had actually just heard about this book directly from Professor FUJIMORI Hiroko before I came to Serbia, so I decided to try it out with my first and second-year students. As a result, the textbook received a lot of praise from the students, so I decided to officially introduce “Tomodachi” to the curriculum starting from the new academic year in October 2019. This is a welcome change, as the students will be more motivated with a new textbook, and it is also easy to use, so it makes things easier for teachers too. However, a number of supplementary teaching materials for “Elementary Japanese” are still being developed. I hope that these materials can be used with “Tomodachi” to further improve its content.

さて、大学の状況はこのような感じなのですが、高校について見てみましょう。前回の活動日誌でも少し紹介しましたが、セルビアには「言語専門高校」という特種な高校があります。現在、全国に2校あり、ベオグラードの言語専門高校とスレムスキのカルロヴツィ高校がそうです。カルロヴツィ高校は2018年の10月より日本語コースが新設されました。これらの高校では教科書は「みんなの日本語」を使っています。ベオグラード大学に来ている言語専門高校出身の学生の日本語能力は非常に高く、いつも感心させられます。
また、セルビアでは三菱商事と日本大使館、そしてベオグラード大学の協力により、日本語拡大プロジェクトがここ数年間行われてきました。最大で同時に17の高校などで日本語のクラスが開かれていました。それをきっかけにして日本語に目覚め、ベオグラード大学でも日本語を学び、日本への留学を決めた学生もすでに出てきており、大きな成功を収めたプロジェクトだと言えるでしょう。ベオグラード大学で日本語を学んで卒業した者たちの就職先としても大きな意味がありました。
So this is what has been happening at the university, now I want to talk about high school education. I’ve written about this a little in prior reports, but in Serbia there are special “language specialty high schools”. Currently there are only two in the entire country, which are the Philological High School of Belgrade in Belgrade, and the Karlovci Gymnasium in Sremski Karlovci. The Karlovci Gymnasium established a Japanese course in October 2018. These schools both use the textbook “Minna No Nihongo”. The students who come to the University of Belgrade from these schools are very good at Japanese, and never fail to impress me.
The Japanese Promotion Project, a collaborative project between Mitsubishi Corporation, the Japanese Embassy and the University of Belgrade, has also been happening for the past few years in Serbia. At the height of this project, Japanese classes were being held at 17 different high schools. This project was successful, as many students who took the classes offered by the project then went on to study Japanese at the University of Belgrade, and some even earned the opportunity to study abroad in Japan. It also had great significance for the careers of those who studied Japanese at the University of Belgrade.

ところが、すでにお伝えした通り、日本語拡大プロジェクトは一旦終了してしまいました。これでセルビアにおける日本語熱が冷めてしまうかもしれないと危惧していたのですが、どうやら、非常に嬉しいことに、今後、セルビアの高校では日本語が外国語の選択科目として学べるようになるようです。どの程度の数の高校で選択できるようになるのかなどはまだ分かりませんが、日本語が正式な選択科目になれば、そのインパクトは計り知れないでしょう。ベオグラード大学で日本語を学んで卒業しても、なかなか日本語を使う職がなかったという問題も解決されていくのではないでしょうか。
日本にいるとセルビアのことはなかなか分かりません。ですが、セルビアの学生達は目を輝かせて日本のことを見てくれています。日本に夢を持ってくれています。わたしたちの使命は、その夢を壊すことなく、さらに育んで叶えていくことを手伝っていくことだと思っています。遠い外国の地で母国の言語と文化を愛されていることを知ることほど幸せなことはないと、つくづく感じます。どうかこれからもセルビアへの支援の手をよろしくお願いいたします。
However, as I mentioned previously, the Japanese Promotion Project has come to an end for now. Due to this, I was anxious that the Japanese language’s newfound popularity in Serbia would cool down, but actually I am happy to report that it has been decided that Japanese will be offered as an elective subject at high schools all throughout Serbia. While I’m not sure exactly how many schools it will be offered at, I think that having Japanese as an official elective subject will have an immeasurable impact on the presence of Japan in Serbia. Perhaps this will solve the problem of University of Belgrade Japanese majors not being able to find jobs that utilize their language skills after graduating.
While not much is known about Serbia in Japan, Serbian students are looking on at Japan with ambition in their eyes. They are dreaming of Japan. I think that our duty as Japanese teachers is to help these students grow and to nurture their dreams so they don’t shatter before them. I think that there is no greater happiness than going to a distant land and finding that people love your country’s language and culture. I hope that people keep supporting Japanese promotion activities in Serbia.


活動日誌 2019年6月 / Activity Report June 2019

2019年6月30日 / June 30, 2019
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / AMARI Mino

6月に入り、セルビアは急に猛暑の毎日です。連日30℃を超えるような暑さで、夕方になると雷を伴ったゲリラ豪雨となる日が多く、低地ではさながら洪水のようになってしまいます。ちょっと異常気象っぽい今年のセルビアです。さて、今年度の授業は5月末で終わり、6月からは学期末試験が始まりました。留学生は6月で留学が終了する学生が多いため、送別会なども開かれました。そして、大学の入学試験も6月に行われました。セルビアではいろいろと変わっていく季節が今の時期なのだな、と痛感します。街中では大規模な工事もたくさん行われており、秋になれば新しいベオグラードの街並みが現れてくるようです。7月に入れば本格的に始まる夏休みに向けて、猛暑の中でも人々は楽しそうにしています。
In June, Serbia seemed to suddenly enter a heat wave. The days seemed to continuously reach over 30 degrees, and many nights it would suddenly pour down with rain, thunder and lightning, which caused flooding in the lowlands. The weather in Serbia this year is a little abnormal. Anyhow, classes ended in May for the academic year, and final exams began in June. Since many exchange students’ exchange programs end in June, there were a few farewell parties. The university’s entrance exam was also held in June. I realized that this is a season where many things change in Serbia. There are many large renovations happening around the city, and it seems that Belgrade’s new townscape will be here by fall. Despite the heat, many people are enjoying themselves, perhaps as a warm up for the summer vacation starting in July.

◆言語専門高校の語学祭 / Philological High School of Belgrade’s School Festival
セルビアには、言語専門高校という特種な形態の高校があります。2019年現在、2校が存在します。1校は、古くから日本語コースを設置しているベオグラードの言語専門高校、そしてもう1校が、2018年10月から日本語コースも設置されるようになった、ノヴィ・サドの近くの町にあるスレムスキカルロヴツィ高校です。
ベオグラードの言語専門高校の日本語コースは1学年12名(セルビアの高校は4学年制)ですが、昔からベオグラード大学にたくさんの優秀な学生を送り込んできてくれています。現在もどの学年にも言語専門高校出身の優秀な学生が在籍しています。
そうした、ベオグラード大学ともとても縁の深い言語専門高校に、東京外国語大学からベオグラード大学にセルビア語の留学に来ている亀田真奈さんが、今年に入って何度も、日本語文化のプレゼンテーションや学生との交流のためにボランティアとして授業参加してくれてきました。
In Serbia, there is a special kind of high school called a “language specialty high school”. As of 2019, two of these schools exist. One is the Philological High School of Belgrade, which has had a Japanese course for many years, and the other is a school in the nearby city of Novi Sad, which began offering a Japanese course in October 2018.
Speaking of this high school and its deep ties to the University of Belgrade, TUFS student KAMEDA Mana, who is studying Serbian on exchange at the University of Belgrade, has visited there many times this year as a volunteer to give presentations on Japanese culture and interact with the students.

そういうご縁や、わたしと言語専門高校の先生方とのお付き合いもあって、言語専門高校の語学祭に招かれました。そこで、同じく外大からの留学生である船木佐紀野さんとも一緒に、6月22日(土)に語学祭へ参加してきました。
言語専門高校はちょうど年度末の授業も終わり、学生たちも解放された雰囲気で、カンカン照りの中、日本の文化を紹介したり、おにぎりやお好み焼きなどの食べ物やお茶を振る舞ったり、舞台の上で日本の歌を歌ったりと、生き生きとした姿を見せてくれました。
もちろん、会場では、日本語コース以外の学生たちも同じように活躍していました。言語専門高校には10ほどの言語コースがあるため、振る舞われる食べ物なども様々で、それぞれのブースを歩いて回るのはとても楽しく、そしてとても美味しい時間でした。東京外国語大学の外語祭を訪れたことのある人ならば、なんとなく雰囲気が似ていると思われることでしょう。
Through this I met some of the teachers at the Philological High School of Belgrade, and was invited to their school festival. So on June 22, I attended this festival together with a different TUFS student, FUNAKI Sakino.
The school year is almost over for the students at the Philological High School of Belgrade, so they were feeling quite relaxed, and happily entertained visitors underneath the hot sun by introducing Japanese culture, serving okonomiyaki and tea, and singing Japanese songs on the stage.
Students from other courses also worked at the festival. There are 10 different language courses at the Philological High School of Belgrade, so it was fun to try the different foods and walk around the booths – I had a very delicious time. Anyone who has been to the TUFS Gaigosai Festival would probably see quite a few similarities.

今年、日本語コースからステージに上がったのは1、2年生を中心とする学生たちでしたが、竹内まりやの「プラスチック・ラブ」を熱唱してくれました。少し前に言語専門高校から何名かがベオグラード大学の部活であるペラペラカフェに参加してくれたのですが、そのとき私が竹内まりやをよく聴きますよと話したところ、竹内まりやはよく知っています!と目を輝かせながら話してくれました。実は、語学祭での日本語コースの学生たちのパネル発表は、日本の1970年代、80年代の文化についての研究だったのですが、その一環として選んだのが竹内まりやの歌で、ちょうど練習していたというわけです。結構難しい歌だと思うのですが、リズム良く上手に歌いこなし、学生同士による投票で日本語コースの合唱は見事2位に輝いたのでした!
This year, first and second-year students from the Japanese course took to the stage and performed TAKEUCHI Maria’s song, “Plastic Love”. A while ago, some students from the Philological High School of Belgrade came to the Pera Pera Café, a Japanese conversation club at the university, and after I told them I often listen to Takeuchi Maria, a few of them got very excited, exclaiming “I know her!” It seems that the students of the Japanese course were researching Japan’s 1970s and 80s for their panel presentation for the festival, and had been practicing her songs as part of that. I think it’s quite a difficult song, but the students managed to sing it well, and was voted 2nd place by the students out of all the performances at the festival.

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言語専門高校の語学祭の様子 / The Philological High School of Belgrade’s festival


活動日誌 2019年5月 / May 2019 Activity Report

2019年5月31日 / May 31, 2019
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / AMARI Mino

5月に入り、例年なら毎日Tシャツでも十分なほど暑くなると聞いていたのですが、今年は涼しい日が多く、雨もよく降り、まるで日本の梅雨のような感じです。大学は、ベオグラードの旧市街の中心地にあるのですが、周りでは共和国広場を中心にして百数十年ぶりという改修工事が行われています。そのため、道路がかなり封鎖されていて、交通の便は悪くなってしまっています。毎日遠くのバス停まで往復4キロくらい歩いていますので、運動のためにはいいのですが、雨の日や荷物の多い日は少し辛いところです。そうは言っても、綺麗に生まれ変わるベオグラードの中心地には、今から期待が高まります。
I had heard that May in Belgrade is warm enough to just wear a t-shirt every day, but this year there were many cooler days and it rained often, so it more or less felt like Japan’s rainy season. The university is located in the center of Belgrade’s old town near the Republic Square, which is currently being renovated for the first time in a few hundred decades. Because of this, many of the surrounding roads are blocked, and traffic has worsened. I have been walking 4km every day to a far off bus stop, which is good exercise but not ideal on rainy days or days I have a lot of luggage. Despite this, I am looking forward to seeing the beautiful new center of Belgrade.

◆日本からの民間外交 / Public Diplomacy from Japan
4月末から5月頭にかけての10日ほど、こちらではイースターとメーデーによる連休が続くのですが、その時期に、日本から嬉しい文化紹介のための一団がやって来てくれました。
一団の中心となって活躍してくれたのは、お好み焼きをセルビアに紹介してくれたよしだかおりさんと、三味線の演奏と歌を披露してくれた、三味線ソングライターのなつみゆずさんです。
今回のメインの会場は、ベオグラードからは80キロほど離れたノヴィ・サドというセルビア第二の都市で、5月3日、4日の両日に開催されたのですが、その前の4月29日にベオグラード大学でも同じようにお好み焼きの紹介と三味線と歌の披露をしてくれました。
For 10 days from the end of April to the start of May, we had Easter and May Day holidays, during which a Japanese cultural group visited Belgrade.
This group was mainly run by YOSHIDA Kaori, who gave an okonomiyaki (savory pancakes) demonstration, and shamisen songwriter NATSUMI Yuzu, who gave a performance.
This event was held 80km away from Belgrade in Novi Sad, the second largest city in Serbia. It was held on both May 3 and 4, and the same okonomiyaki demonstration and shamisen performance were also held on April 29 at the University of Belgrade.

イースター休暇中だったのですが、結構な数の学生が集まり、皆、初めてのお好み焼き作りの実演に見入り、何度もおかわりをしている学生もいました。また、やはり三味線を聞くのも見るのも初めての学生も多く、とても興味深い演奏会となりました。当日は、テレビ局の取材も入ったほどでした。
今回のイベントは、日本人による全くの民間外交です。セルビアが大好きなよしだかおりさんが、自ら企画し、実現してくれたイベントなのです。そのエネルギッシュな行動力にはただただ感動するばかりです。
ちなみに、5月3日、4日の、ノヴィ・サドでのイベントも大盛況で、2日間で600食以上のお好み焼きのオーダーがあったそうです。わたしも4日の日に初めてノヴィ・サドに行き、観光を楽しむと共に、お好み焼きをいただきに会場を訪れたのでした。ノヴィ・サドにはこんなに日本が大好きな人たちがたくさんいるのだと感動した一日でした。
Despite coinciding with the Easter break, quite a few students attended this event, and everyone seemed to gaze at their first okonomiyaki demonstration in awe – many students even asked for seconds. Also, it seems that for many students this was their first time both seeing and hearing a shamisen, so it was a very interesting experience for them. The event was even covered by a television station.
This event was an example of Japanese public diplomacy. Yoshida Kaori loves Serbia, and personally organized and held this event. I was very moved by her energetic initiative.
By the way, apparently the event in Novi Sad (May 3-4) was extremely popular, and there were over 600 orders of okonomiyaki during these two days. I visited Novi Sad for the first time ever on May 4, and popped in for some okonomiyaki whilst sightseeing. I was very touched that day after seeing how many people in Novi Sad are interested in Japan.

◆広がるペラペラカフェの輪 / Pera Pera Café
ベオグラード大学では、部活動という名の下に、ペラペラカフェという会話の会や多読の会、書道の会などが開かれているのですが、現状、最も開催頻度が高いのは、ペラペラカフェです。
そして、そのペラペラカフェでは毎回、多彩なゲストに来てもらっているのですが、最近では、日本人のゲストのみならず、ペラペラカフェに参加してみたいというセルビア人のゲストも増えてきました。
At the University of Belgrade, a Japanese conversation club called the “Pera Pera Café”, a Book Club and a Calligraphy Club are held as club activities, with the Pera Pera Café currently being the most popular.
I usually have various special guests visit the Pera Pera Café each time we meet, and recently I’ve even had requests from Serbian people who wish to join as guests, as opposed to just Japanese people.

例えば、語学学校で日本語を学んでいて、初めて日本人と話をするという学習者がいます。いつもはセルビア人の日本語教師から日本語を学んでいますが、ペラペラカフェに参加することで、初めて日本人と会話することができたそうです。さすがに最初はとても緊張しています。それでも、自分の分かる日本語で会話が成り立つことに気が付き始めると、次第に気持ちの上ではペラペラという感じになってくるのです。また、日本語を学んでいるセルビア人同士で、日本語で話すというのも面白い体験のようで、趣味の話などで盛り上がります。
他にも、参加が多くなってきているのが、大学からほど近い、言語専門高校の日本語科の高校生たちです。ベオグラード大学の日本語・日本文学専攻課程にはこの高校から進学してきた学生も結構いて、ペラペラカフェでは高校の卒業生である日本語専攻の大学生と話すこともできます。さすがに、言語専門高校の高校生は日本語はかなりでき、そんなに緊張はしていない様子なのですが、それでも、「いつもとは違う日本語をしゃべることができた!」と喜んでくれます。ベオグラード大学に進学して日本語をさらに学びたい、と目をキラキラさせて語ってくれる高校生たちの期待に沿えるように、良い授業をしていかなければ、と私などはかなり身の引き締まる思いがするのでした。
ペラペラカフェは、セルビアで勉強したり働いている日本人や、旅行で立ち寄った日本人など、誰にでもオープンに開かれています。面白そうだなと思われましたら、ぜひお声をかけていただければ幸いです。とても楽しいひとときを過ごせると思います。
For example, I’ve had requests from people studying Japanese at language schools who wish to have their first interaction with Japanese people. These types of students are learning Japanese from Serbian Japanese language teachers, and had their first conversations with Japanese people through participating in the Pera Pera Café. They were, of course, very nervous at first. Despite this, once they realize they can actually have conversations with the Japanese they have learnt, they will become much more relaxed and “pera pera” (fluent). They also seemed to enjoy speaking to other Serbians in Japanese, and got really hyped up during a conversation about their hobbies.
Aside from this, quite a few high school students from the nearby Philological High School of Belgrade have been attending the club’s meetings. Quite a few students in the University of Belgrade’s Japanese Language, Literature and Culture Department came from this high school, so it is encouraging for the high schoolers to talk with them. As expected of a language-focused school, the students of the Philological High School of Belgrade can speak quite a bit of Japanese, and aren’t too nervous to do so, but even they seem quite happy, exclaiming “I was able to use different Japanese than usual!” This made me feel a little nervous, and that I must hold good classes, as I hope to live up to the expectations of these high school students that have their sights set on studying Japanese further at the University of Belgrade.
The Pera Pera Café is open to any Japanese people, whether they are studying or working in Serbia, or just visiting. If this sounds up your alley, please contact me. I think we could have a really good time together.

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ペラペラカフェの様子 / The Pera Pera Cafe


活動日誌 2019年4月 / April 2019 Activity Report

2019年4月30日 / April 30, 2019
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / AMARI Mino

4月に入り、桜は次第に散っていきましたが、次から次へと春らしい花々が咲き乱れ、冬の白く美しい世界とはまた違って、カラフルで力がみなぎる世界が広がっていく日々が続いています。そして、4月後半からはイースターの準備が始まりました。正教会のイースターは1週間ほど日がずれるため、同じように日がずれるクリスマスやお正月と同様、お祭り気分が長く続くセルビアなのでした。
Going into April, the cherry blossoms gradually fell from their branches, springtime flowers bloomed one after another, and unlike the beautiful white world of winter, a colorful world brimming with power began to unfold. In the latter half of the month, Easter preparations began. Eastern Orthodox Easter is celebrated one week later than Christian Easter, and celebrations in Serbia seemed to last for a long time, similar to Christmas and New Year celebrations (which are also held a week later than in Christian countries).

◆プライベートレッスンのご紹介 / Private Lessons
ベオグラード大学の4月は、日本とは違って新年度でも新学期でもなく、後半の学期のまっさかりですので、学生たちは猛烈に勉学にいそしんでいる時期に当たります。
そんな中、志の高い学生の声を受け、今年に入ってから始めているプライベートレッスンのほうも軌道に乗ってきました。
現状のベオグラード大学の日本語・日本文学専攻課程は学生数が急増しているため、一クラスの人数も多く、必ずしも語学教育の面では最良の環境とはなっていませんが、だからと言って、諦める必要はありません。
Unlike Japan, April at the University of Belgrade is neither the start of a new semester nor a new academic year, but rather is the middle of the academic year’s second semester, so students were studying diligently during this month.
One particularly ambitious student reached out to me, and the private lessons I began offering this year started going to plan.
Currently, the University of Belgrade’s Japanese Language, Literature and Culture Department is experiencing a rapid increase in students, so there are a large number of students in each class, which is not an ideal environment for language learning – but this doesn’t mean that students should give up.

通常の授業ではカバーできないようなことをしていくために、これまでもご紹介してきましたように、部活動(会話・読書・書道)が行われていますし、それ以外にも日本からのゲストを迎えての特別な授業や文化の紹介イベントなどが随時行われてきました。
それに加えて、個別の学生のニーズに応えてのプライベートレッスンも行ってきているわけですが、教える側としても、それはなかなか面白いものとなっています。
今のところ、プライベートと言っても友だちなどの仲良しグループで参加してきてくれることが多く、通常は多くても4名程度までで和気あいあいと授業を行っています。
授業内容の希望としては、JLPT(日本語能力試験)のための具体的な対策が多いのですが、わたしから伝えてあるのは「なんでもO.K.」という基本方針なため、テーマを決めてのイレギュラーな授業も入ることがあります。
I have been organizing opportunities as needed to teach students things that we couldn’t cover during class, such as club activities (conversation, reading, calligraphy), lectures with special guests from Japan, and cultural events.
In addition to these, I have been holding private lessons suited to the individual needs of each student, which, as a teacher, have been very interesting for me.
As of recent, many students have been coming to my private lessons in small groups with their friends, usually groups of four at the most, so the lessons have been quite harmonious and friendly in nature.
As for the content of these private lessons, many students ask me to help them prepare for the JLPT (Japanese Language Proficiency Test), but I have told the students that anything is okay, and so occasionally I have irregular lessons where we decide on a topic and focus on that alone.

例えば、「敬語についての入門講座」の希望があれば、これから敬語を本格的に学んでいこうとしている学生と敬語だけみっちり学んだり、「先生、今日はとても天気がいいから、カレメグダン要塞を見学に行きましょう!」という要望があれば、大学近くの要塞まで一緒に小さな探検旅行をし、学生には日本語でガイドをしてもらいます。
学生も慣れてくると、いろいろと要望を出しやすくなるようで、思ってもみなかったようなリクエストをもらうことは、教える側としてもサプライズ的な楽しみになってきています。これからもどんどん自由な発想でやりたいように希望を出していってくれることを期待しています。
わたしは、元気いっぱいの学生たちに囲まれて学ぶ日々をとても楽しんでいます。
For example, if a student asks me for a private lesson on “basic honorific language”, then I would focus fully on teaching them the basics of honorific/polite language, and if a student came to me saying “the weather is so good, let’s go for a walk around Belgrade Fortress”, then I would go on a field trip with the student to the fortress, which is near campus, and ask them to guide me in Japanese.
As the students get used to me and these lessons, it becomes easier for them to ask for more personalized lesson content, and I have even received requests that I never would have thought of, which is quite surprising and exciting for me as a teacher. I hope the students continue coming to me with ideas for their private lessons.
I am really enjoying my days learning together with these bright and energetic students.

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プライベートレッスンの様子 / During a few private lessons


活動日誌 2019年3月 / March 2019 Activity Report

2019年3月31日 / March 31 2019
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / AMARI Mino,

3月に入り、日を追うごとにどんどん暖かくなり、ついには桜の花が満開になりました。東京よりも半月ほど早い満開の桜に望郷の念は禁じえませんでしたが、ここセルビアでも同じように桜の花を愛でる文化があることを知ったのは、大変嬉しいことでした。
In March it grew warmer as the days passed, and the cherry blossom trees bloomed. I couldn’t help but feel nostalgic when I saw the cherry blossoms (which bloom here two weeks earlier than in Tokyo) in full bloom, but I was very happy to discover that cherry blossoms are cherished in Serbian culture too.

◆たくさんの日本人ゲストを迎えての部活動 /Welcoming Japanese guests to Club Activities
2月末から3月はちょうど日本は春休みということもあり、セルビアを訪問してくれる日本人はいつもの月よりも多くなります。それに伴い、部活動への日本人ゲストの参加者も増え、セルビアで日本語を学ぶ学生たちにとってはとても良い経験になりました。
部活動は、ペラペラカフェという会話の活動だけではなく、読書の活動も活発になってきましたし、本格的に書道の活動も行うことができました。やはり学生が主体となって行える部活動の存在はとても重要で、生き生きと楽しそうに活動している姿を見ていると、こちらも幸せな気持ちになってきます。
From late February to March, it is spring break in Japan, so there were more Japanese people visiting Serbia than usual. Because of this there were more Japanese guests participating in our club activities, which was a very good experience for students learning Japanese in Serbia.
Our club activities aren’t limited to the Pera Pera Café conversation club, as there is also a Book Club and a Calligraphy Club. I think it is very important to have student-run clubs, and watching the students enjoy themselves in these activities also makes me very happy.

◆Japan Bowl Balkan 2019
Japan Bowlというのは、日本に関するクイズ大会のようなものですが、バルカン半島でも開催しようということで、3年前からベオグラード大学で行われてきました。3回目となる今年、昨年赴任したわたしとしては初めての参加(見学)でした。厳しかった予選から始まり、決勝戦では激しいクイズバトルが繰り広げられました。また、国際交流基金ブダペスト日本文化交流センターの林敏夫先生による茶道の紹介や、高校生による合唱、大学生による踊りなどもあり、大会は大きく盛り上がりを見せ、活況のうちに幕を閉じました。Japan Bowlを支援してくださる企業からは素敵な商品などが提供されました。また、日本人の見学者の数も増えたことも大きな成果だったと思います。今後とも大会が大きく育っていくことを期待しています。
The Japan Bowl is a quiz competition on all things Japan, and its Balkan region competition has been held at the University of Belgrade for the past three years. While it was the third year this competition had been held, it was my first time participating (watching), as I only moved here last year. The competition began with the tough preliminaries, and moved on to the fierce quiz battles of the finals. There was also a tea ceremony demonstration from HAYASHI Toshio of the Japan Foundation Budapest, choir performances by high school students, and dance performances by university students, making for a lively and entertaining event. We received many nice products from the sponsors of Japan Bowl. The number of Japanese visitors to this event also increased, which was another big accomplishment. I hope this competition continues to grow.

◆セルビアにおける日本語拡大プロジェクト /  / Japanese Promotion Project in Serbia
セルビアでは4年ほど前から、三菱商事、日本大使館、そしてベオグラード大学の協力による、日本語拡大プロジェクトが進められてきました。これは、ベオグラード大学で日本語を専攻した卒業生や大学院生に有給で日本語を教える機会を提供するとともに、セルビアで日本語を学びたい中高生などには無償でその機会を提供するという、たいへん貴重なプロジェクトとして機能してきました。実際、ベオグラード大学に入学してきて日本語を学ぶ学生の中には、このプロジェクトの日本語授業がきっかけだったという者も少なくありませんし、4年たった今、日本への留学を決める学生も出てきています。
For the last four years, Mitsubishi Corporation, the Embassy of Japan and the University of Belgrade have been working collaboratively on the Japanese Promotion Project. This is a very important project that not only gives graduates and postgraduates of the Japanese department at the University of Belgrade the opportunity to teach Japanese in a paid position, but also gives secondary school students in Serbia the chance to study Japanese for free. Among the students who enter the University of Belgrade to study Japanese, these free Japanese classes were the incentive for many, and four years later many of these same students have gone on to study abroad in Japan.

そんな日本語拡大プロジェクトなのですが、今年度のプロジェクトリーダーを務めてくれているルカ・ミロシェビッチ先生(ベオグラード大学文学部日本語・日本文学専攻博士後期課程在学中)の授業に、JICAのシニアボランティアの日本語教師としてベオグラードの言語専門高校へ赴任されている平田紀子先生と一緒に参加させてもらいました。今回訪れたのは、ゼムン高校での日本語クラスの授業でした。訪れた日はちょうど年度末の最後の授業に当たる日だったため、それまでの復習をしたり、日本の歌の歌詞を説明したり歌ったりと、とても自由で楽しい授業でした。午前、午後と2回の授業に参加しましたが、学生たちはみな日本語を学ぶことに対してとても積極的で、この日本語拡大プロジェクトを通じてますます日本語熱が高まったそうです。そして、2人の生徒がベオグラード大学に入って日本語を専攻したいと話してくれました。まさに感無量です。
For this project, I participated in this year’s project leader Luka Milosevic’s (a doctoral student in the Faculty of Philology’s Japanese Language, Literature and Culture department at the University of Belgrade) class together with HIRATA Noriko, a JICA senior volunteer teaching Japanese at the Philological High School of Belgrade. This time we visited the Japanese class at Zemun Gymnasium (high school). The day of our visit coincided with the last day of class for the term, so the students had already learnt quite a lot, and sang and explained Japanese songs, so class was relaxed and enjoyable. I participated in both the morning and afternoon classes, a total of two classes, and the students in both of these were very enthusiastic about learning Japanese, so I think this project has raised students’ interest in the Japanese language. Two of these students have even expressed how they wish to study Japanese at the University of Belgrade. This made me feel quite emotional.

そんな日本語拡大プロジェクトなのですが、今のところ、来年度の開催の目処が立っていない状態に陥ってしまっています。日本語を教えるセルビア人講師の確保と学校とのネットワークの構築に関しては引き続き大丈夫なのですが、やはりこのようなプロジェクトを推進するに当たっては、財政的、人的に多大な支援が必要となってきます。2017年度においては約200名もの修了生を輩出した、セルビアにおける日本語拡大プロジェクトが、今後とも何らかの形で続いていくことを強く望むとともに、そのためのサポートを続けていきたいと思います。学生たちのきらきらしたまなざしにこそ未来があるとわたしは信じます。
Unfortunately, it seems that the Japanese Promotion Project has come to a point where they are not sure whether they will continue it next year. While the securing of Serbian Japanese language teachers and the creation of school networks will still happen, promoting such a project requires a great deal of financial and human support. The Japanese Promotion Project produced 200 graduates in 2017, so I hope to continue providing support so this project can continue in some way or another. I believe the future lies in the students’ ambitious eyes.

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ゼムン高校における日本語クラスの様子 / The Japanese class at Zemun gymnasium


活動日誌 2019年2月 / February 2019 Activity Report

2019年2月28日 / February 28, 2019
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / AMARI Mino

2月に入り、セルビアは次第に暖かい日が多くなってきました。もうほとんど雪は降らないようです。今年の冬は雪が多かったと言われましたが、もっとすごい雪国のイメージを抱いて昨年10月に着任しましたので、わたしとしてはこれならば大丈夫、とほっと胸をなで下ろしているところです。
In February, the days gradually became warmer in Serbia. It seems to hardly snow at all now. I’ve been told that it snowed a lot this year, but when I arrived in October I was under the impression it would snow even more, so I have been okay with this amount of snow.

◆新学期の開始 / The New Semester
2月上旬に2回目の学期末試験があり、その後、さっそく2月18日から後半の学期が始まりました。2月から5月まで後半の学期の授業は続き、その後、6月から9月の間に4回の学期末試験が行われるわけですが、日本の大学とは学期の流れ方が大きく違うため、だんだん学期に関する感覚がずれてきました。
ベオグラード市内の高校ではインフルエンザによる学校閉鎖もあった2月ですが、幸い、大学内ではそれほど流行っている様子はなく、学生達は元気よく授業に参加してくれています。
Two sets of end-of-semester exams were held in early February, after which the new semester promptly began on February 18. Classes for this semester will be held from February until May, which will be followed by four sets of exams from June to September. This way the semesters flow here is very different from Japanese universities, so my sense of semesters has gradually shifted.
High schools in Belgrade were closed this month due to influenza, but luckily this doesn’t seem to have spread to the university, and the students are all coming to class in good health.

◆部活動にエンジンがかかってきた / Club Activities Have Taken Off
前の学期は新年度が始まったばかりということもあってか、それほど部活動は盛んではありませんでした。それでも、ペラペラカフェやちょっとした書道は開かれてきたのですが、後半の学期が始まってからは、学生達から部活動をどんどんやっていこうという声が高まってきています。これには、日本からの交換留学生、特に東京外国語大学からの交換留学生の働きかけが大きく貢献していると思います。また、日本から訪問中の高橋亘先生の多読セミナーによる活性化も大きく貢献してくれています。
Last semester, the new academic year had only just begun, so club activities were not very successful. Despite this, we were able to hold a few meetings of the Pera Pera Café and the calligraphy club, and since the new semester began, many students have been saying they want to do more club activities. I think that this is largely due to the efforts of the Japanese international students, especially the ones from TUFS. Professor TAKAHASHI Wataru, a visiting scholar form Japan, has also contributed to this rise in interest with his Extensive Reading Seminar.

◆高橋亘先生の多読セミナーが好評を博す / Professor Takahashi’s Extensive Reading Seminar a Great Success
高橋亘先生は、東京外国語大学から以前、ベオグラード大学へいらっしゃって日本語講師をしてくださっていた方で、今は神田外語大学で教えておられます。毎年、ベオグラード大学へ研究のためと多読の部活の維持・普及のためにベオグラードへいらっしゃっており、今年は2月25日に多読セミナーとともに読書の部活動が開催されました。
部活動は前の学期は会話中心のペラペラカフェが人気だったのですが、本格的に多読の仕方の指導を高橋亘先生からいただいたあとは、読書の部活動の熱のほうが上がってきているようです。今年度は学生達が読書の部活動に腰を上げるまではちょっと時間がかかったものの、一度その面白さを実感してしまえば、はまってしまうのが多読の面白さです。1年生や2年生も積極的に参加してくれており、今後の活発な部活動が期待されます。
Professor Takahashi Wataru is a former Japanese language teacher at both TUFS and the University of Belgrade, and is currently teaching at the Kanda University of International Studies. He comes to the University of Belgrade every year to do research and run the Extensive Reading Seminar. This year, the seminar was held on February 25 alongside the meeting of the Book Club.
Last semester, the conversation-focused Pera Pera Café was popular, but after receiving proper guidance and tips for extensive reading from Professor Takahashi, the Book Club has gained more popularity. This year, it took a while for students to get into the Book Club’s activities, but the funny thing about books is that, once you realize how interesting they can be, you become addicted to them. Both first and second years have been actively participating in the Book Club, and I expect our activities will be quite lively from now on.

◆貴重な部活動の場 / Club Opportunities
日本の大学生にとっては、部活動やサークル活動は日常的なものかもしれませんが、セルビアの大学では部活動のようなものは基本的にありません。ですから、ベオグラード大学における部活動は特別な存在です。特に、日本語を学ぶ学生にとって、日本語話者と一緒になんでも話せる機会となっているペラペラカフェは貴重なものです。毎回、できるだけ多くのゲストを招いており、それも刺激になっているようです。この活動日誌をご覧になってくださっている方にも、ぜひ、ベオグラード大学の部活動にゲストとしてご参加いただければ大変ありがたく存じます。
For Japanese university students, club and circle activities are an everyday occurrence, but in Serbian universities, clubs aren’t really a thing to begin with. Because of this, the clubs at the University of Belgrade are quite a novelty. In particular, the Pera Pera Café is a precious opportunity for Japanese language learners to talk about whatever they want with native Japanese speakers. I invite as many guests as I can each time, which is a good stimulus for students. For those reading this report, you are more than welcome to join in as a guest in our club activities at the University of Belgrade.

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高橋亘先生の多読セミナーと部活動の様子 / Professor Takahashi’s Extensive Reading Seminar and the Book Club


活動日誌 2019年1月 / January 2019 Activity Report

2019年1月31日 / January 31, 2019
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / AMARI Mino

実はセルビアにはクリスマスとお正月が2回ずつあります。日本と同じように12月25日も1月1日もお祝いしますが、旧暦にしたがって1月7日にクリスマス、1月14日にはお正月をお祝いします。実に3週間以上もお祝いが続きますので、街はとても華やかで、寒い中でもとても楽しいそぞろ歩きができる季節なのです。
Christmas and the New Year are actually celebrated twice in Serbia. They celebrate once on December 25 and January 1 like we do in Japan, and then once more on January 7 and January 14, which respectively are Christmas and the New Year according to the Julian Calendar. This means three weeks of continuous celebrations, so the city was very festive and, despite it being cold, perfect for leisurely strolls.

◆学期末試験 / End-of-semester exams
学生にとっての今月の最大の関心事は何と言っても学期末試験です。
ここでちょっとベオグラード大学の学期末試験に関する文化(?)をご紹介したいと思います。
まず、学生は、自分が受験したい科目の受験登録をしなければならないのですが、その時になんと受験料を払うのです。そんなに高いものではありませんが、学期末試験を受けるためにお金を払うとなると、気合いが入ると思いませんか。
次に、学期末試験はワンチャンスではありません。実は何度か受験するチャンスがあるのです。直近では1月と2月にそれぞれ1回ずつ学期末試験が行われます。どちらか1回のみ受験しても構わないですし、2回とも受けることもできます。成績は良かったほうが採用されます。また、前の学期の学期末試験も受けることができます。
The biggest hurdle for my students this month was the end-of-semester examinations.
Let me tell you a little bit about the exam… culture? here at the University of Belgrade.
First, students have to register for the exams they wish to sit for each subject, and then they have to pay to sit them. The fees themselves aren’t very expensive, but don’t you think that having to spend money to sit exams motivates the students?
In addition to this, these exams are not a “one chance” deal. Students actually have multiple chances to sit each exam. The earliest chances they have are once in January and once in February. They can sit an exam just once, or they can sit it both times. Their highest mark is used in their final grade. They can also take the final exams from the previous semester.

何度も試験を受けられていいなぁと思いますでしょうか。いえいえ、何度も受けられると言うことは、何度も何度も競争をするということでもあるのです。試験の成績によって留学ができたり、寮の部屋替えに影響があったりと、いろいろと実生活に直結しているのですから、学生は真剣そのものです。
学生も大変ですが、試験を用意し、採点をする教師も実は大変です。でも、わたしはそんな真剣勝負が大好きなのです。
You’re probably thinking how nice it is that they can take exams as many times as they like. However, sitting an exam multiple times also means dealing with the challenging content several times. The students are quite serious when it comes to exams, as their grades can affect many aspects of their lives such as whether or not they can go on exchange, and room assignments in the dormitory.
While these exams are of course stressful for the students, they are also stressful for the teachers who have to prepare and mark them. However, I always love a good challenge.

◆新年祝賀会 / New Year’s Celebration
大学自体の行事ではありませんが、1月には日本国大使公邸で新年祝賀会が開催されました。セルビアにいる邦人の数はほんのわずか。200名もいないそうです。そんな中、80人ほどの邦人が新年祝賀会に参加し、おいしい和食に舌鼓を打ちながら親交を深めました。わたしはセルビアに来てまだ3か月ちょっとですから、ほとんどの方とは初顔合わせです。JICAのシニアボランティアで日本語教師として来られている方など様々な方々とお会いできてとても楽しく刺激的なひとときでした。
It wasn’t a university event, but a New Year’s celebration was held at the Japanese Ambassador’s Residence. There are only a small number of Japanese nationals living in Serbia. Apparently less than 200. 80 of these Japanese nationals attended this New Year’s celebration, and deepened friendships while relishing delicious Japanese food. Only three months have passed since I came to Serbia, so it was my first time meeting most of these people. I met all kinds of people, including senior volunteers from JICA, so it was a very fun and rewarding evening.

◆学期の区切りはお別れのとき / End-of-semester Farewells
10月から始まったベオグラード大学の新年度と新学期もおおむね1月末をもって終わりです。学期末試験はまだちょっと続くのですが、2月後半からは新学期が始まります。
それを機会に、帰国したりセルビアに新たにやってくる留学生がいます。1月末には一人日本に帰国することになっていましたので、そのお別れ会を兼ねての部活動が開催されました。
わたしが見ていて感心したのは、今回、率先して東京外国語大学からの留学生が音頭を取ってセルビアの学生に発破をかけ、大盛況となった会の開催に持って行ってくれたことでした。大学関係者以外の日本人の方々にも参加してもらえ、とても楽しい送別会となりました。
2月になれば、また新たに外大から留学生がやってきます。楽しいセルビア留学生活を送ってもらえるよう、GJOのコーディネーターとして最大限のサポートをしていきたいと思います。
The academic year and semester that began last October came to an end at the end of this month. The final exams are not quite over yet, but the next semester will begin in late February.
Due to this, some international students will be returning to their countries, and some new ones will be coming to Serbia. One student was to return to Japan at the end of January, so we held a farewell party during club activities.
I was really impressed by this student, a TUFS student, who took initiative during the party to lead a toast, which enlivened all the Serbian students and made the party a great success. We also invited some Japanese people from outside of the university, so the party was really enjoyable.
In February, new exchange students will arrive from TUFS. I hope to support them in my role as the GJO coordinator so they can enjoy their study abroad experience in Serbia.

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学期末試験の様子 / The end-of-semester exam


活動日誌 2018年12月 / December 2018 Activity Report

2018年12月31日 / December 31, 2018
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / AMARI Mino

12月のベオグラードは、年末年始とクリスマスを迎えるに当たって、1年で最も華やかな装いとなっています。セルビアでのクリスマスは旧暦の1月7日がメインとなりますので、年末年始にかけてクリスマスがずっと続いているような印象です。12月中旬に大雪が降りましたが、年末には一旦雪が消え、比較的暖かな日和で新年を迎えようとしています。
December in Belgrade, in preparation for Christmas and the New Year, is aesthetically the most splendid month. Serbian Christmas follows the Julian Calendar and is celebrated on January 7, so it feels like Christmas lasts all throughout the New Year period. It snowed heavily in mid-December, but disappeared around the New Year, which was welcomed with comparatively warm weather.

◆コロキウム(中間試験)/ Colloquium (Mid-term Exams)
学生にとっての今月の最大の関心事は次から次へとやってくるコロキウムをいかに乗り切るかということになります。12月を迎え、多くの科目でコロキウムが行われるため、学生たちは毎週、毎週、コロキウム対策に課題や発表にと大変忙しく学業生活を続けています。
日本語に関するコロキウムは12月15日に1年生から4年生まで一斉に行われました。受験人数が大変多くなってきているため、試験会場の座り方などにもさらなる工夫が必要となってきました。今後とも円滑に試験が行えるよう、教師陣は頭を絞っています。
The biggest concern for my students this month was whether or not they could pass the colloquiums. Heading into December, colloquiums are held in many subjects, and students have been living very busy lives preparing assignments and presentations for these colloquiums week after week.
The Japanese colloquium was held for all students from first to fourth year simultaneously on December 15. Since there were so many students, it took more effort than usual to seat them all appropriately. Us teachers are all wracking our brains to think of better ways to hold these exams in the future.

◆部活動 / Club Activities
そのような中、残念ながら部活動はなかなか開くのが難しい状況で、学生たちが自主的にアンケートをとり、日程の調整を行っています。部活動はやりたいものの、学生たちのスケジュールをすりあわせての部活の時間がなかなか取れないということなのですが、今後は時間の捻出をさらに工夫することにより、部活動を継続して行えるよう、学生も、支援する教師も知恵を絞っているところです。
In the midst of this busy month, it was unfortunately too difficult to hold club activities, so the students made a poll, of their own volition, which we are using to decide when to meet. While we wanted to hold more club activities, the students just didn’t have time due to their busy schedules, but, together with the students, us supporting teachers are focusing our efforts on devising time to continue club activities.

◆能楽のワークショップ / Noh Theatre Workshop
ベオグラード公演のためにセルビアを訪問中の能楽の櫻間右陣先生によるワークショップが、山崎佳代子先生のお招きで実現しました。日本でも滅多に体験できないようなワークショップに学生たちは目を輝かせていました。積極的な質問がたくさん出て、大変盛り上がったワークショップとなりました。
Professional Noh performer Mr. SAKURAMA Ujin visited Belgrade for a performance, and was invited by Professor YAMAZAKI Kayoko to hold a workshop on Noh theatre. The students shined in this workshop, which was actually a workshop you can’t commonly experience in Japan. They actively asked many questions, and thoroughly enjoyed the workshop.

◆先輩から後輩への思いやり / Upperclassmen’s gift to their lowerclassmen
クリスマスを迎えるに当たって、教室での活動も楽しくなるようにと願い、高学年の学生たちがGJOのある教室を華やかに飾ってくれました。学生からの発案によるボランティア精神に基づいた活動であり、学生が皆で少しずつお金を出し合って、飾り付けの工夫をしました。ある日突然、サプライズ的に飾られ、教室に入るといきなり電飾が輝いている状態になっていましたので、わたしも驚きましたし、なによりも1年生たちはとても喜んでいました。このようなことにより、学年間の連帯感がいっそう深まり、学年を超えた、全学一体となったチームビルディングも進んでいくことでしょう。
Getting closer to Christmas, hoping it would make class a little more fun, students from my upper year-level classes decorated the GJO classroom. This was all done in the spirit of volunteering, and the students all contributed a little money and worked on the decorations together. One day, I came to the classroom, which was decorated as a surprise, and when I entered all the Christmas lights turned on. I was surprised, and so were the first-year students, who were very happy with their upperclassmen’s efforts. Through this, the relationship between the year-groups grew deeper, and perhaps now we could do some teambuilding with all the students without these year-level hierarchies.

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活動日誌 2018年11月 / November 2018 Activity Report

2018年11月30日 / November 30, 2018
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / AMARI Mino

11月のベオグラードは、中旬以降、急に寒くなり2回雪が降るなど、次第に本格的な冬を迎えつつあります。街ではクリスマスに向けての飾り付けが始まり、ベオグラード大学文学部近くの目抜き通りは特に美しい装いとなりつつあり、すでにたくさんの市民と観光客の目を楽しませてくれています。
November in Belgrade suddenly became cold halfway through, and it snowed twice, so I definitely think an all-out winter is coming. Decorations have gone up around the city in preparation for Christmas, and the main street near the Faculty of Philology’s campus is particularly beautiful, entertaining the eyes of many locals and tourists.

◆「部活」も本格的に始動 / Start of Club Activities
授業だけではカバーしきれない部分を補う意味もあり、ベオグラード大学文学部では日本の部活動にならい、書道・ペラペラカフェ・多読の部活が伝統的に行われてきています。大学におけるサークル活動や文化祭といったものが日本の大学のようには存在しないベオグラード大学においては、部活という活動は一種特筆すべき課外活動として存在しています。
To make up for things we can’t cover in class, the Japanese department here at the University of Belgrade has taken a page from Japanese club culture and established a calligraphy club, a conversation club called the Pera Pera Café, and a book club. At the University of Belgrade, where club activities and cultural festivals do not exist like they do in Japanese universities, club activities exist as a kind of special extra-curricular activity.

学期中は朝から夜までぎっしりと詰まった授業と課題や試験のため、なかなかそう簡単には皆揃っての部活動とはいかないのですが、それでも多忙な中を縫うようにして部活動が行われています。3年生がリーダーとなり、自主的に運営されているのが特徴です。そして、日本からの留学生やわたしのような講師も積極的に参加し続けることにより、日本とのかけがえのない交流の場ともなっています。
During the semester, everyone is busy with classes and exams, so it is hard for students to gather for club activities. Despite this, the students are making time in their busy schedules, and club activities are being held. The third-year students take on leadership roles, and independently run the clubs. Japanese students and teachers, like myself, also actively participate, making each club an irreplaceable opportunity for cultural exchange with Japan.

11月は書道が1回と、ペラペラカフェが2回開催されました。書道は第一次世界大戦休戦記念日、それも100周年記念と重なってしまったため、学内の教室を使っての開催はできなかったのですが、いつもの馴染みのカフェを借りて、水書道で行いました。
In November the calligraphy club met once, and the Pera Pera Café met twice. Since the calligraphy club met on Armistice Day, which this year happened to celebrate its 100th anniversary, we couldn’t use the classrooms on campus. Instead, we borrowed space at a local café and did water calligraphy.

セルビアの学生は漢字が大好きです。「漢字は難しいけど楽しい!」と言いながら、たくさんの漢字と日々向き合っています。なによりも漢字の芸術としての魅力に惹かれている学生が多いものですから、書道という形で漢字を表現できる機会は重要です。授業中は少々シャイな学生も、書道の部活の時には次々と積極的に作品を仕上げていったりします。そういう姿を横から眺めていると、こちらまでとても幸せな気持ちになります。
Serbian students love kanji. They are challenging themselves with many kanji every day, all while saying “kanji is hard, but also fun!” Many students are attracted by kanji as an art form, so giving them opportunities to express kanji through calligraphy is very important. While some of my students are shy during class, they actively churn out calligraphy pieces one after another during club activities. Watching them do so makes me very happy.

また、ペラペラカフェも人気がある部活です。カフェでおいしい飲みものをいただきながら、ざっくばらんにあらゆるテーマについて話し合える部活の場は、授業では絶対に得られない特別な空間です。まだペラペラとはしゃべれなくともどんどん参加して、新しい言葉をしゃべることの喜びを実感していってほしいと思います。今年度は、さっそく1年生からの参加もあり、今後の盛り上がりが大いに期待されます。
気が付くと、部活が終わる頃には外は真っ暗。さすがに夜になるとぶるぶるっと寒いこの時期ですが、温まった心を抱きながら家路につく参加者なのでした。
The Pera Pera Café is another popular club. Freely discussing a wide range of topics while drinking nice coffee in a café is something special that you definitely can’t do in the classroom. Even if students can’t speak Japanese fluently, I think that if they participate regularly they will pick up new words and realize the joy that comes from learning these. This year, even first-year students are participating, and I think we can expect a lot of excitement towards upcoming activities.
When club activities ended for the day, without us realizing it, it was already dark out. On these days, it becomes very cold at night, but the students headed home with warmth in their hearts.

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活動日誌 2018年10月 / October 2018 Activity Report

2018年10月31日 / October 31, 2018
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
甘利実乃 / AMARI Mino

10月2日よりベオグラード大学のGJOコーディネーターを引き継ぎました。その前日の10月1日にはベオグラード大学では入学式が執り行われ、新入学生を迎えての新しい年度が始まりました。10月のベオグラードは概ね暖かく過ごしやすい日が続き、今年は秋を満喫できるような気候となっています。
On October 2 I took over the position of GJO coordinator at the University of Belgrade. Before this, the University held its Entrance Ceremony on October 1 and welcomed its new students to the new academic year. October in Belgrade was generally warm and pleasant, and the climate allowed everyone to fully enjoy fall.

◆新入生のうち日本語を主専攻とする学生は72名 / 72 new students in the Japanese department

ベオグラード大学の文学部日本語・日本文学専攻課程に在籍している日本語を主専攻とする学生は、登録者数ベースで今年度72名となっています。ベオグラード大学では東京外国語大学のように確定的な履修届が学期の初めの頃からあるわけではないので、最終的な履修者数は学期末試験の受験者数をもって確定します。
なお、従来は学年が上がるにつれ、日本語を専攻する学生の数はかなり減っていったそうですが、近年、その傾向が薄れ、最後まで日本語を専攻し続ける学生の数が増えています。そのため、4学年合わせると、名簿上実に300名を超える学生が日本語を主専攻としています。落第しても引き続き日本語を主専攻とする学生が多いため、名簿上ではむしろ学年が上がるにつれ人数が増えていくという現象が起きています。名簿上の人数だけではなく、実際の授業への出席者数も増加しています。
このような劇的な日本語学習者数の増加の中、次のような点が問題となっています。
This year, 72 students registered to major in Japanese in the Faculty of Philology’s Japanese Language, Literature and Culture Department. The University of Belgrade doesn’t do definitive course registration at the start of the semester like at TUFS, so the final number of students is determined by the number of students who sit the end-of-semester exams.
Until now, it seemed that less students were continuing to study Japanese as they progressed through their degrees, but recently this trend has changed, and more students are sticking with Japanese until the end. Because of this, when you combine the registers of all four year groups together, over 300 students are majoring in Japanese. Since there are many students who stick with Japanese despite failing a year, the number of students actually increases with each year level. In addition to the number of registered students, the number of students actually attending classes is also rising.
Alongside this exciting increase in Japanese language learners, the following problems have arisen.

① 定員36名の教室に72名の学生 / 72 Students in a class made for 36
Global Japan Officeと兼用となっている教室は、日本からの寄贈により、PCなどの機材が揃っていますが、定員が36名の教室です。そこに72名の新入生が一堂に会し、一斉授業により日本語を学んでいます。教室の後ろや壁沿いにも椅子をずらりと並べ、そこにも座ってもらって授業をせざるを得ません。しかも72名に対して1名の先生で授業を行います。本来でしたら、クラスをいくつかに分ければ良いのですが、大学自体に教室が足りませんので、それが叶わない状況です。また、ここまで学生数が増えてくると、日本語講師の数も足りないと言えるでしょう。学期中の成績につながるような正式なテストのときは、2部入れ替え制で半分の学生には廊下で待っていてもらい、テストを行っています。
The classroom that doubles as the Global Japan Office is fitted with computers and materials gifted from Japan, and can fit up to 36 students inside. In this room, 72 first-year students are simultaneously learning Japanese. I had no choice but to line up extra chairs along the walls and at the back of the classroom for students to sit on. On top of this, there is only one teacher for these 72 students. Naturally I wanted to split the students into several smaller classes, but there are not enough classrooms at the university to do this, so splitting them up is not an option.
If the number of students increases any more than this, there won’t be enough Japanese teachers to handle them. For the tests that affect the students’ final grades, I have been splitting the class in two, with one half waiting in the hallway while the other group sits the test.

② 機材の老朽化 / Aging materials
Global Japan Officeと兼用となっている教室には36台のPCと講師用のPC 1台があります。プロジェクターも2台あります。ただし、そのうち、実際に使用されているのは、もはや講師用のPC 1台とプロジェクター1台のみとなっています。
The GJO Classroom has 36 computers for student use, and one for staff use. There are also two projectors. Despite this, we generally only use the staff computer and one projector.

③ 留学の機会 / Exchange opportunities
学生数の増加に伴って日本へ留学できる学生数も増やしたいところなのですが、留学の機会自体はあまり増えてはいません。私費留学が事実上極めて困難な国情であるため、交換留学や奨学金制度の拡充が最も渇望されています。これだけ多くの学生が日本語を主専攻として選び、高いモチベーションを持っていても、機会がなければどうしてもモチベーションは維持しづらくなってしまいます。ぜひ、この現況をこの文章をお読みいただく方々に知っていただき、今後の改善のために引き続きご支援をいただきたく存じます。
With the increase in students, I also want to increase the number of students who can study abroad in Japan, but the actual number of exchange opportunities is not increasing. Since private exchanges are quite complicated, students are craving for more exchange programs and scholarship-funded programs. Even though this many students chose to study Japanese, and are highly motivated to do so, if there are no opportunities for them to actually go to Japan, they will lose their motivation. I hope to work towards solving these issues.

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2部入れ替え制でひらがなテストを受ける新入生たち (パノラマ撮影のため画像にはゆがみがあります)
Half of the first-year students sitting a hiragana test while the other half wait in the hall (this picture is a panorama, so there may be some inconsistencies in the image)


活動日誌 2018年9月 / September 2018 Activity Report

2018年9月30日 / September 30, 2018
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
正木みゆ / MASAKI Miyu

9月は寒暖差のはげしいひと月になりました。下旬までは夏のまぶしさで30度近くありましたが、3日ほど秋っぽい日差しになったと思ったら急に気温が下がり、最低気温が5度になる日も出てきたり、まだ9月なのに冬が近いような気温でした。
September was a month of extreme temperature differences. The summer heat had temperatures up around 30 degrees until the latter end of the month, then after about three autumn-like days, the temperatures suddenly dropped to winter levels, with some days having lows of 5 degrees, despite it still being September.

【年度内最後の試験 / Last Exam of the AcademicYear】

一週間おきに2回、定期試験がありました。この2回で年度内の試験は終了です。まあここで落ちても来年度また同じ科目の試験を受けられますが、さすがにこの回ばかりは頑張って勉強してくる学生が多く、合格率が高かったように思います。
We held two exams every other week. With the last of these, exams for the current academic year came to an end. Even if students fail these exams, they can take the subject again next year, but many students study hard so they can pass the first time, and so I think that’s why the pass rate was high.

【年度内最後の部活『ペラペラカフェ』 / “Pera-Pera Café” Last Club Activities】

10月からの新学期を前にして、ベオグラードに戻って来る学生がちょこちょこ増えてきたので、日本語を使っておしゃべりをする部活を行いました。部活はほかにも書道や読書などがあります。現地学生と日本人留学生の交流の場にもなっています。
Before the start of the new semester in October, students started to return to Belgrade, so I held a meeting of the Japanese conversation club, “Pera-Pera Café”. There is also a calligraphy club and a book club. These clubs also serve as places where local students can meet Japanese exchange students.

【いつものカフェの前で / At Our Usual Spot】

私が離任する前の最後の回でもあったので、記念に集合写真も撮りました。ベオグラードは東京とは違う部分が多くて、戸惑うこともありましたが、とっても楽しいところでした。着任して2年半、楽しく暮らせたのは学生のみなさんのおかげでした!
This was our last meeting before I leave, so we took a photo to commemorate the occasion. Belgrade is so different to Tokyo, and while I was taken aback by some things, it was a very fun place to be. It has been two and a half years since I took over this position at the GJO, and I was able to thoroughly enjoy it thanks to my students.

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活動日誌 2018年8月 / August 2018 Activity Report

2018年8月31日 / August 31, 2018
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
正木みゆ / MASAKI Miyu

8月は暑いひと月でした。といっても、日陰や夜はだいぶ涼しくなります。日本列島も今年の夏は猛暑に見舞われていたようですが、気温は同じでも湿度が低いぶん、ベオグラードの方が過ごしやすく感じられるかもしれません。
August was a hot month. However, it was quite cool in the shade and at night. Japan experienced a heat wave this summer, but since Belgrade is not as humid, it is easier to be here even if the temperature is the same.

【日本からのお客様 / Visitors from Japan】
とある暑い日、学習院女子大学で中東欧地域に関する研究をなさっている中島崇文教授とゼミ生のみなさんがベオグラードにいらしてくださり、日本語科の学生たちと交流を行いました。
One hot day, Professor NAKAJIMA Takafumi from Gakushuin Women’s College, who conducts research on Central and Eastern Europe, and his seminar students visited the University of Belgrade and met with our Japanese department students.

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カフェでくつろぐ学生たち / The students relaxing at a cafe

ちょうど晴れた日で、暑い!暑い!とこぼしながら市内のカレメグダン要塞を散歩した後、目抜き通りのカフェに入って楽しい時間を過ごすことができました。
It was a fine day, so we walked around the fortress at Kalemegdan Park, after which we stopped in a café on the main street to escape the heat.

日本語科の学生たちは1年生から4年生までの学生が集まり、日本の現役大学生との会話を楽しんでいたようです。このような交流は他に機会がありません。おそらく1年生にとっては、5人以上の日本人を一度に見るのは初めてだったことでしょう。普段はシャイでなかなか話したがらないセルビア人学生ですが、この日ばかりは積極的に中島ゼミのみなさんに町を案内していました。
毎年、中東欧研修の途中でベオグラードに立ち寄ってくださる中島先生とゼミ生のみなさんに感謝です!
Japanese department students from first to fourth year came with us and seemed to be enjoying talking with the Japanese university students. While Serbian students are usually shy and don’t want to talk so much, on this day they were actively guiding the Nakajima seminar students around the city.
I am very grateful to Professor Nakajima and his seminar students for stopping by Belgrade every year during their field work.


活動日誌 2018年7月 / July 2018 Activity Report

2018年7月31日 / July 31, 2018
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
正木みゆ / MASAKI Miyu

梅雨のような6月が終わって、7月です。7月も相変わらず雨が降ったりやんだりしていました。一日中降るような雨ではなく、大抵数時間で降りやむ夕立のようなものなのでまだマシですが。
The rainy June came to an end, and now it is July. July is still raining on and off, but it is better than last month as the rain usually only lasts for a few hours instead of all day.

【Ispit/学年末試験(2回目)/ Ispit (Second round of exams)】
通算5回ある学年末試験の2回目がありました。前回の試験は例年最も参加者の多い試験だったので、あとは徐々に減っていきます。とはいえ、6月と7月試験では参加人数にそれほど大きな差はありません。今回も、朝8時から午後までかかって採点を終えました。
The second round (out of five) of final exams for the end of the academic year were held this month. Last month’s exam had a bigger turnout, as always, so there should be less people sitting exams from now on. However, there wasn’t a big difference in the number of students sitting exams for June and July. Marking this month’s exams also took me all day even though I started at 8am.

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【試験中の様子 / The exam】

メイン科目の試験は、大ホールで全学年同時に実施します。カンニング防止のために着席にも色々とルールがあり、集まった学生たちを座らせるのも一苦労です。
The exams for the main subjects were held simultaneously for all year-groups in a large hall. There are many rules about seating in place to prevent cheating, and we do have a hard time getting all the students to sit.

【ヤパニザム / Japanizam2018】
近年はアメリカのコミコン、フランスのジャポニスムなど各国で日本文化やアニメ・マンガ関連のイベントが開催されていますが、ベオグラードでも「ヤパニザム」というイベントが毎年7月に開催され、例年とても盛況です。アニメグッズの販売(フィギュアや缶バッジなど)やコスプレ大会や映画上映会、様々なテーマの講演会、また日本から声優さんを招待してのライブなど、様々なイベントが目白押しの数日間です。市内のイベント会場で行われるのですが、真夏の太陽に負けないくらい、会場内も熱気があります。
このイベントはサクラバナという有志団体によって運営されていますが、日本語科の学生にもサクラバナに参加している人もいて、遊びに行くとスタッフとして忙しそうにしている様子が見られます。
In recent years, events showcasing Japanese culture and anime/manga, such as America’s Comic-con and France’s Japonismes, have been held in many countries, and even in Belgrade we have Japanizam, which is held every year in July attracting quite the turnout. Japanizam is held over a few days that are jam-packed with booths selling anime goods (figurines, badges, etc.), cosplay competitions, film screenings, talks on various topics, appearances by voice actors invited from Japan, and other events. Japanizam is held inside an event center in the city, and the inside of the venue is just as hot as the summer sun outside.
This event is run by a volunteer association called Sakurabana, which some of my students belong to. When I went to see them at the event, they looked very busy working away.


活動日誌 2018年6月 / June 2018 Activity Report

2018年6月30日 / June 30, 2018
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
正木みゆ / MASAKI Miyu,

6月になりました。
今年はなぜだか雨がちな週が続きます。日本は梅雨ですが、ベオグラードもつられて雨の多い月になりました。月の初めごろはもう8月か、と思うような暑い日がありましたが、雨が降ると途端に気温が下がります。タンクトップとショートパンツで出歩いても汗をかいていたのが、今週は長袖長ズボンでないと寒くて外出できませんでした。
It is now June.
For some reason, this year, there have been many weeks where the rain never seems to stop. Japan has a rainy season, and it seems Belgrade is following suit, as this month was particularly rainy. At the start of the month, some days were hot enough to be August, but when it started raining the temperature dropped instantly. While before I was sweating from walking around in shorts and a tank top, this week it’s too cold to go out without wearing pants and long sleeves.

【学年末試験(1回目)/ Ispit (First round of exams)】
通算5回ある学年末試験のうち、初回の試験を実施しました。現代日本語の筆記試験は全学年同時に行うので、普段の教室とは違う大きなホールを使います。
学生はどの回に出てもよく、何回受けてもいいことになっていますが、授業終了直後の6月試験が最も参加者が多くなります。採点もその分、大変に……。朝の8時に始まり、一日がかりです。
The first round (out of five) of final exams for the end of the academic year were held this month. All students will sit the Japanese writing exam simultaneously, so I held the exam in a large hall instead of the usual classroom.
The students can sit the exam during any of the five rounds, as many times as they like, but most students come to the first round in June right after classes finish. Marking their tests was a challenge… I started at 8am and they took me all day.


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言語系の主な試験は漢字、文法、現代日本語(総合科目の試験)、翻訳、文学です。文法は主にセルビア語で文法用語を答えるタイプの試験です。現代日本語は総合授業の筆記試験なので語彙から読解問題まで様々な系統の問題が入っていて、狙って勉強しにくい科目かもしれません。漢字の試験はこの一年分の総復習なので、勉強の仕方は単純ですが、物理的な量があり時間のかかる科目です。翻訳はその名の通り、日セル・セル日の翻訳試験で、文学のみ口頭試験を実施しています。
The main exams for Japanese are kanji, grammar, Modern Japanese (general subject), translation and literature. The grammar exam usually has students answer Japanese grammar terms in Serbian. The Modern Japanese exam is a written exam, and since it’s a general subject its questions cover everything from vocabulary to reading comprehension, making it a bit harder to study for. The kanji exam is a revision of the year’s class content, so studying for it is easy, but there is quite a lot of content to cover, so it does take a while. The translation exam is exactly how it sounds, a translation exam from Japanese into Serbian and vice versa, and the literature exam is the only oral exam.

すでに書いたようにどの試験をいつ、何回受けてもいいので、ほとんどの学生は数回に分けて必修試験を受験します。ただ、ちょっと頑張って6月で全て終わらせれば、あとは10月の新学期まで何もありません。長い夏休みです。学生には親切な制度ですが、教員としては試験を作るのに骨が折れます…。
As I wrote above, students can take the exams whenever and however many times, so many students sit their compulsory exams several times. However, if they finish everything in June, they have nothing to do until the next semester starts in October. The summer break is long. While this system is good for the students, it requires a lot of effort form the teachers.


活動日誌 2018年5月 / May 2018 Activity Report

2018年5月31日 / May 31, 2018
GJOコーディネーター / GJO Coordinator
正木みゆ / MASAKI Miyu

5月です!街中の緑がきらきらしています。
まだ、日中に「自然がきれいだなあ」と思う余裕があります。夏休みに入ると、暑くってそれどころではありません。
日本とはちがい、セルビアの人々は出来るだけ肌を焼こうとします。「肌、白いね~」はまったく褒め言葉ではありません。(「顔小さいね~」も特に褒め言葉にならないそうです。みんな小さいから…)
It’s May! The city is glistening with greenery.
I still catch myself thinking “nature is so beautiful” during the day. Going into summer, it’s a bit hot to be hanging around and thinking this.
Unlike Japan, people in Serbia always try to tan their skin as much as they can. “Your skin is so fair!” is not a compliment at all (apparently “your face is so small” is also not a compliment, as everyone has small faces here).

【労働者の日/Prvi Maj (Labor Day)】
5月は、休みから始まります。日本でも「勤労感謝の日」がありますが、セルビアでは5月1日がその日にあたります。この日は多くの人が公園や森に行ってバーベキューを楽しみます。自然を楽しむ日なのだそうです。
May starts with a holiday. In Japan we have Labor Thanksgiving Day, and in Serbia a similar holiday falls on May 1. On this day, many people have barbeques in parks and forests. It seems to be a day for enjoying nature.

【学年末発表会/Završni Čas (Final Presentation)】
今月は今年度の最終月なので、22日に学年末恒例の「発表会」がありました。セルビア語を直訳すると「最終授業」になりますが、授業は31日まできっちりあります。
学年ごとに何か出し物をすることになっていて、今年の1年生は日本語で歌と詩の朗読をし、2~4年生は動画を作って披露しました。特に私が9月末に離任することがあり、出し物の終わりには学生たちから餞別をもらってしまいました。
Since this month was the last month of the current academic year, the annual presentation was held on the 22nd. This presentation directly translates to “Final Class” from Serbian, but there will still some classes right up until the 31st. At the final presentation, each year group has to present something, so this year’s first-year students performed songs and recited poetry, and the second to fourth years made and submitted videos. I am leaving at the end of September, and so some of the students gave me farewell gifts after their presentations.

上級生たちの動画は、(もちろん)日本語でシナリオを作ったり、ドキュメンタリー風の番組を作ったりしていました。2年生は、文学の授業で学んだ短歌や俳句のイメージビデオを撮り、3年生は「会いに行かなきゃ…」という日本語の歌(寡聞にして誰の曲かは知りませんでした)に合わせて街中を練り歩く動画で、最後に会場の外から主役の学生が入って来て私にプレゼントを渡すというサプライズ、4年生は卒業年ということで、「卒業したらどうするか」をクラスメイトに聞いてまわるインタビュー番組(そして誰も進路が決まっていないというオチ)で、たいへん盛り上がりました。いよいよ学年末です。最後の試験に向けて、学生ともども気合を入れました。
The advanced students made videos about scenarios that use the word “of course” in Japanese, and made them into a documentary-like series. The second-year students made a video of stills about the tanka and haiku they learnt in their literature class, and the third-years made a video walking around the city to the Japanese song “Ai ni Ikanakya”, or “I must go and see you” (I don’t know whose song this is). At the end of this video, some students entered the venue and surprised me with a present. The fourth-year students will be graduating this year, so they made a video interviewing their classmates on what they were going to do after graduating (the joke being that no one had any plans). Everyone was in high spirits after this video. It’s finally the end of the academic year. The students all worked hard together for their final exams.

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【バイオリンを伴奏に歌う1年生たち / First-year students singing to a violin accompaniment】


活動日誌 2018年4月/Activity Information 2018.4

2018年5月2日 / May 2nd 2018
GJOコーディネーター 正木みゆ Masaki Miyu, GJO coordinator

4月のベオグラードは、すでに夏のような日照りです。/ We have been experiencing a drought here in Belgrade, so it was just like summer.
日中は25度を超える気温になり、長袖を着ている人がさっぱり見当たりません。とはいえ、朝晩は涼しく過ごしやすいです。6月、7月ともなると、朝でも夜でもエアコンが欠かせないような暑さになってしまいますから、今はまだ快適な方です。/ During the day the temperature rises to over 25 degrees, and I haven’t seen anyone wearing long sleeve shirts. However, it is still cool during the morning and night. Come June and July, and air conditioning becomes a necessity, so the heat is bearable right now.
【イースター休み】/ 【Easter Break】
4月上旬、イースター休みがありました。敬虔なキリスト教徒の人々はイースター前、しばらく肉を断ちます。その終わりが、イースターのある週の日曜日です。前日はスーパーから肉と卵がなくなります。ほかのキリスト教圏の国々と同じく、セルビアでも卵をタマネギの皮で染めたり、染料で色を付けたりします。そして、その卵で卵ずもうをして、最後に残った卵が一年、うちを守ってくれるそうです。私も学生から、染めた卵をもらいました。部屋に置いて、お守り代わりにすることにします。/ At the start of April, we had a break for Easter. Devout Christians abstain from eating meat before Easter. This ends on Easter Sunday (the Sunday that falls in the week of Easter). The day before Easter Sunday, all the eggs and meat disappear from the supermarkets. Just like in other Christian countries, in Serbia, people dye eggs with onion skin, and use dyes to paint them. On top of that, people play egg tapping (a Serbian tradition). The egg that lasts the longest is said to protect your household for a year. I received painted eggs from my students. I think I will place it in my room as a good luck charm.

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【日本語普及プロジェクト・修了式】/ 【Japanese Promotion Project Closing Ceremony
大使館・三菱商事と合同で運営してきた「日本語普及プロジェクト」の修了式がありました。今年度は参加校が多かったため、生徒・父兄・学校関係者など、総勢180名を超える賑やかな式となりました。大使館からは丸山大使、三菱からはベオグラード事務所所長の塚田様からご挨拶をいただき、生徒たちによる出し物も披露されました。/ The closing ceremony for the “Japanese Promotion Project”, a collaborative project between the embassy and Mitsubishi Corporation, was held. Since there were many participating schools this year, there were over 180 participants, including students, guardians and faculty, making for a lively gathering. Speeches were given by Ambassador Maruyama from the embassy, and Mr. Tsukada, the General Manager of the Mitsubishi Corporation Belgrade Liaison Office. Programs made by the students were also handed out.
閉会後も、塚田所長や丸山大使に写真をとってもらおうと生徒たちが駆け寄っていく様子が微笑ましかったです。/ After the ceremony, it was entertaining to see so many students run over to take photos with Ambassador Maruyama and Mr. Tsukada.


活動日誌 2018年3月/Activity Information 2018.3

2018年4月2日
GJOコーディネーター 正木みゆ Masaki Miyu, GJO coordinator

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3月だというのに、吹雪が続いたベオグラードでした。/ Despite it being March already, Belgrade has been buffeted by blizzards.
「三寒四温」「寒の戻り」などと日本でも言いますが、同じような言い方がセルビアにもあります。暖かくなってもいったんまた冷える…というのが春先ですが、それにしても連日の吹雪は戻りすぎだと思いました。/ In Japan we say ‘sankanshion’ (alternation of three cold and four warm days) and ‘the return of the cold’, and similar sayings also exist in Serbia. Getting warm and then cooling down again is typical of early spring weather, but continuous blizzards? I think the cold returned a little too much.
月末近くなり、ようやく暖かさが戻ってきて、安心しているところです。/ Near the end of the month the weather became warm again, and I am quite relieved.
【夏学期授業の開始】/【The Start of Summer Classes】
本格的に、「夏学期」が開始しました。開始直後は教室使用の調整などがありあわただしいのですが、3月も半分をすぎたあたりでなんとなく落ち着き、学生たちも休みモードから勉強モードに変わってきました。/ The summer semester has finally begun. I was a bit busy organizing the classroom allocations immediately after the semester began, but things started to calm down just after mid-March, and the students switched from ‘holiday mode’ to ‘study mode’.
【3月8日―国際女性デー】/【March 8th – International Women’s Day】
日本ではまだそれほど認知されていませんが、セルビアでは他のヨーロッパ諸国と同じように、3月8日に『国際女性デー』があります。日本でいうバレンタインに似ていますが、こちらでは女性が尊重される日です。当日は道端に花屋の屋台が出て、道行く人々が一輪のバラや花束を買っていました。/ While it isn’t really recognized in Japan, in Serbia and other European countries, March 8th is ‘International Women’s Day’. It is a little similar to Japanese Valentine’s Day, except it’s a day where women are celebrated. On the day, flower stalls appeared on the streets and people walking in the streets were either buying single roses or bouquets.
私も課外活動のリーダーたちからバラを一輪もらい、その後授業のあった1年生からも花をもらいました。日ごろは花をもらう機会などあまりないので、気恥ずかしくも面はゆいイベントです。/ I received a rose from the leaders of extracurricular activities, and afterwards I also received a flower from a first year student in one of my classes. I don’t normally receive flowers so I was a bit embarrassed and self-conscious.
驚くべきことに、なんと大学の女性職員には(教授から清掃員の方まで全員に)臨時手当が出ました。少額ながら、毎年のことのようです。こうなってくると男女で不平等な気もするほどですが、ありがたく受け取っておきます。/ I was also very surprised to find that all female faculty members of the university (from the professors to the cleaners) were given extra pay. While it’s only a small sum, apparently it is given every year. While I feel like this could actually lead to inequality between female and male staff, I still graciously accepted the extra pay.
【大使館の『同窓会』イベント】/【Alumni Meeting at the Embassy】
大使館で行われた『同窓会』に招待され、出席しました。/ I was invited to an alumni meeting at the embassy, so I attended.
この集まりは毎年、これまでに日本へ留学した経験のある学生や卒業生を集め、交流を図る会です。/ This gathering is held every year so students and graduates who have gone on exchange to Japan can meet and socialize.
当地では日本語関係の仕事というものがまだまだ少ないので、せっかく留学をして帰ってきても、その後の身のふり方を決めかねていたり、進路に悩む学生は数多くいます。/ Here there are not many jobs that require one to use Japanese, so despite having gone on exchange, many students are unsure of what to do now and are worried about their futures.
このような交流の機会を通して留学生同士の連携を深められ、後輩たちにとっては将来設計にとってとても有用な情報交換の場となっています。/ Through gatherings like this, former exchange students can meet and make connections, and the gathering itself is a very good platform to exchange information that will benefit the next generation of students.


活動日誌 2018年2月/Activity Information 2018.2

2018年2月28日
GJOコーディネーター 正木みゆ Masaki Miyu, GJO coordinator

2月も終わりになり、ベオグラードは急に冷え込みました。/ It’s the end of February, and Belgrade has become much colder.
大寒波で大変そうな東京を暖冬のベオグラードから眺めていたのに、なぜかここに来て吹雪です。セルビアの雪はさらさらで、あまり水分がないのが救いかもしれません。しかし本当につらいのは、雪が降ったあとの雪道です。ベオグラードは、一度寒くなるとしばらく暖かくなりませんから、大勢がブーツで踏みしめて歩いたあとの雪が凍ってツルツルになってしまいます…。/ I watched Tokyo experience a massive cold wave from the warm winter of Belgrade, but now for some reason we are experiencing blizzards. The snow in Serbia is smooth and dry, and it might actually be good that it doesn’t contain much water. However, what is really tough is the roads after snowfall. Once it gets cold in Belgrade, it doesn’t get warm again for a while, so the footprints of many people walking around in boots freeze over again and become slippery.
雪がとけたあとも、本当に暖かくなるのは5月ごろです。長い冬です。/ Even after the snow melts, it doesn’t get warm until around May. It’s a long winter.
【定期試験の実施-後期開始】/【Examination Period】
外が寒いため、室内は暖かいのがせめてもの救いです。前期最後の定期試験が実施されました。この時点で前期試験に合格できなくても、学年は変わらないのでまだ落第確定ではありません。今回落ちた学生には、後期試験でがんばってほしいです。/ Since it is cold outside, the fact that it is warm inside is a godsend. The final examinations for the first half of the semester were held. Even if you don’t pass the exams at this point, students do not go into their next year at this point, so these exams don’t determine whether students can continue onto the next level or not. I hope the students that failed this time will try harder next time.
2月最終週、やっと後期授業が開始しました。文学部は学生数のわりに教室に余裕がなく、毎学期開始時には時間割の調整が大変です。教室の有無に加えて、学生たちの都合を鑑みなければなりません。/ In the last week of February, the final examinations for the second half of the semester were held. There isn’t enough space in the classrooms for all the students of the literature department, so designing an exam timetable at the start of the semester is stressful. On top of this, we have to take into account the schedules of the students.
【中東欧地域の日本語教員研修への参加】/【Central and Eastern Europe Japanese Teacher Training】
国際交流基金ブダペスト文化センター主催の教員研修会があり、ベオグラード大学からの招聘参加者として参加してきました。/ A teacher training workshop was held by the Japan Foundation Budapest, and so I participated as an invited guest of the University of Belgrade.
中東欧地域で日本語教員をしていらっしゃる先生方が集まる研修会で、高等教育機関から高校、日本語学校まで幅広い現場のご意見をうかがうことができました。普段はベオグラード大学の日本語科以外の先生方とお会いすることがないので、大変励みと勉強になりました。/ It was a workshop that gathered Japanese language teachers from all over Central and Eastern Europe, and so I was able to ask the opinions of teachers from a wide range of schools including higher education institutions, high schools and Japanese language schools. I don’t usually meet teachers aside from the Japanese department staff at the University of Belgrade, so it was a very inspiring and informative opportunity.

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【夜のブダペスト】/【Budapest at Night】
文化をどう日本語教育に取り入れるか、をテーマに各国・地域の先生方とディスカッションをしました。/ I had a discussion with a few teachers from different countries/regions on how to tie culture in with Japanese language education.
また他機関の先生方とお話しし、ベオグラード大学の日本語科としてどのような力を養うべきか、と考えさせられました。/ Through talking with teachers from other institutions, I started thinking about what kind of power we should be helping our students cultivate as the Japanese department of the University of Belgrade.
後期からの授業もわずか3か月ほどですが、研修会で考えたことを活かせるような授業を考えていきたいと思います。/ I only have about three months of classes left, but I want to think about how I can apply the things I learnt at the workshop to my classes.


活動日誌 2018年1月/Activity Information 2018.1

2018年1月31日 / January 31st 2018
GJOコーディネーター 正木みゆ Masaki Miyu, GJO coordinator

2018年1回目の活動日誌です。 / This is the first Activities Report for 2018.
本年も当地の様子を、ベオグラードからお送りしてまいります。 / I will continue to report on happenings in Belgrade this year.

実は、2017年の1月は数十年に一度の寒さを記録する大変な冬でした。連日すごい吹雪の週もあり、寒すぎて外に出られない!歩けない!という状況でしたが、2018年はその反動か、暖冬だと言われています。 / January in 2017 was actually the coldest recorded winter in years. There were weeks where blizzards lasted for days on end, and it was a situation where it was too cold to go outside or even walk. However, perhaps because of this, winter 2018 was a warm one.
今月、ベオグラードで雪が降ったのは2回ほどでしたし、もう春が来たかと思うような陽気の日もありました。私事ですが年末年始はエジプトに旅行に出ていたため、帰ってきて相当の寒さを覚悟していたのですが、飛行機から降りても「まだエジプトにいるんだろうか…」と思うような暖かさでした。 / This month, snow only fell twice in Belgrade, and some days it seemed like spring had already arrived. I went to Egypt over the New Year, and so I was prepared for the cold when I came back, but it was so warm that when I got off the plane in Belgrade, it felt like I was still in Egypt.

【定期試験の実施】 / 【Examination Period】
そんな暖冬の中、今年度の初めての定期試験が実施されました。2017年度入学の1年生にとっては、初めての大事な試験です。これに1月試験で合格すれば、2月最終週までは冬休みです! / During this warm winter, the first examinations of 2018 were held. For the first year students who entered the university in 2017, it is their first examination period. Assuming they pass all their exams in January, students have winter break until the last week of February.
一番大事な「現代日本語」の試験は毎回、日曜日の朝8時に実施されます。1月にしては暖かい日だったので学生の手がかじかむこともなく、我々教員としても比較的楽な試験期間となりました。 / The most important exam, ‘Modern Japanese’ is held every year on Sunday morning at 8am. It was a warm day for January, so the students weren’t having trouble with their hands becoming numb, and it was comparatively a more relaxing examination period for us teachers too.

【小学校への視察】 / 【Elementary School Observation】
日本語科が三菱商事・大使館と合同で行っている日本語普及プロジェクトの業務で、コーディネーターとして派遣校へ視察に行ってきました。 / As part of a Japanese promotion project run by the Japanese department together with Mitsubishi Corporation and the Japan Embassy, I went to observe a school as coordinator of the GJO.
今回はベオグラード新市街にある小学校で、今年が初めてのプロジェクト参加となったところです。加えて派遣講師も今年からの参加で、初参加同士の組み合わせでした。 / This time, I went to an elementary school in a new urban area in Belgrade that is participating in this program for the first time. In addition to this, it was also the first time for the participating teachers, so we were all newbies.
しかしお邪魔してみると校長先生が講師ともども温かく迎えてくださり、何より生徒たちと講師の信頼関係が出来ていました。送り出した側としては、ほっと一安心です。 / However, the principal and teachers welcomed us with open arms, and trusting relationships with students and teachers were formed. As a visiting teacher I felt very relieved.

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【小学校での授業の様子】/ 【A class at the elementary school】

今年度、日本語学科が卒業生を日本語講師としてトレーニングして派遣している学校は全部で17校あります。全てに視察に行くことは難しいですが、なるべく色々な講師たちの現場を見ていきたいと思います。/ This year, there are 17 schools training Japanese department graduates to become Japanese teachers. It’s difficult to go and observe all of these schools, but either way I want to go and observe how these teachers are doing.


活動日誌 2017年12月/Activity Information 2017.12

GJOコーディネーター 正木みゆ Masaki Miyu, GJO coordinator

12月、いよいよ2017年最後の月になりました。
今月で冬学期が終わり、長い試験期間に入ります。しばらく学生たちとも顔を合わせないと思うと、休みがくるのもすこし寂しく感じます。
さて、セルビア・ベオグラードでも他のヨーロッパの国々と同じく、広場にクリスマスの屋台が並ぶ時期が来ました。おかしから軽食、この時期の風物詩です。寒かったり暖かかったりと落ち着かない気温ですが、北海道のごとく、室内はたいてい暖かく過ごしやすいです。/It is now December, the very last month of 2017. The winter semester ends this month, and the long exam period is about to start. I feel a sense of approaching loneliness when I think that soon I will no longer see my students once the vacation starts. As in many other European cities, the squares of Belgrade are now home to a number of Christmas stalls. It is the seasonal tradition to serve anything from candy to light meals. Temperatures are unstable, sometimes cold and sometimes warm, but it is usually warm and cozy inside people’s homes, just like in Hokkaido.

【2017年度第2回 日本語能力試験実施】
12月3日、日本語能力試験の12月回が実施されました。当日は朝からあいにくの初雪となったベオグラード、なんと当日には市内を走るハーフマラソンも予定されていました。
しかし幸いそこまでは勢いがなかったので、交通に大きな影響を与えることもなく時間通り開始することが出来、安心しました。/On the third of December, the Japanese Language Proficiency Test for the December sector was carried out. That morning saw Belgrade’s first snowfall of the year; an unfortunate event for participants in the Belgrade half-marathon scheduled for that day. Thankfully however it did not snow heavily, and with only minor effects on traffic it was possible to start the test on time.

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【当日、朝6時のベオグラード/Belgrade at 6a.m. on the day】

申込者数は100名程度で、日本語能力試験会場としてはさほど大規模ではありませんが、やはり運営スタッフたちも緊張します。受験生たちはそれ以上に緊張していました。ここ数か月の努力が報われる時です。/There were about a hundred applicants, making it a relatively small exam site, but the operations staff were nervous, the examinees even more so, as this was the time when their several months of effort would finally pay off.

【中間試験「コロキウム」】
12月に入り、中間試験の「コロキウム」がいろいろな科目で実施され始めました。12月の中旬からだんだん出始め、月末までにすべての科目で行われます。コロキウムの点数も成績評価の中で大事な要素となるため、学生たちは勉強漬けの一か月でした。/It was December, and there was the mid-term “Colloquium” starting in many subjects. The exams start from the middle of December, and all subject exams are completed by the end of the month. Since scores from the Colloquium form an important component of the final assessment, students had to spend the entire month cramming.


活動日誌 2017年11月/Activity Information 2017.11

GJOコーディネーター 正木みゆ Masaki Miyu, GJO coordinator

11月、寒くなったり少しマシになったりを繰り返したベオグラードでは、風邪が大流行しました。11月にはセルビアでの大事なお祝いごとである「スラヴァ」の日(各家庭によって違います)が多いので、風邪とスラヴァで学生数が半分ほどにまで減った授業もありました。/In November in Belgrade, the weather pendulates between cold spells and warm spells; this particular November a cold has made an outbreak among the students. November is also witness to a number of “Slava” days, which are important family celebrations (celebrated on different days in each family), so there were classes in which the number of students decreased by half, due to a combination of the cold and Slava.
スラヴァは各家庭の守護聖人の日に親族一同、近所の人々で集まって大いに飲んだり食べたりする日です。この日は仕事も学校も休み、実家に集まります。
日本では仕事を休めるような行事は葬式、法事の類ですので、お祝い事で休める日があるのを羨ましく思ってしまいました。/On the day of the Slava, in which families celebrate their own patron saint, relatives and neighbors gather together for a feast of eating and drinking. On this day everyone takes the day off of work or school and gathers at home. In Japan the only occasions for which we are allowed to take the day off are funerals or memorial services, so I envied the Serbs their opportunity to take time off work and celebrate.

【鈴木先生のご訪問】
TUFSの留学生センターから、鈴木智美先生がご調査のために本学へいらっしゃいました。学生たちへの日本語教育アンケート調査を数日にわたり行われ、合間に学生たちとの交流もしてくださいました。/Professor Tomomi Suzuki from the Japanese Language Center at TUFS came to our university to conduct research. Over the course of a few days she had students answer questionnaires regarding Japanese language education, and also mingled with students in her free time.
部活動の一つ「ぺらぺらカフェ」活動の一環として鈴木先生に町を案内し、カフェに

【カフェで日本語ゲームをする様子】/【Playing Japanese games at a café】
入って日本語を使ったゲームなどをしました。
コーディネーターと部活動リーダーの学生とでアレンジしましたが、日本語ゲームという新たな試みも成功して楽しい時間となりました。/Members of the “Fluency Café” club showed Professor Suzuki around the city as part of their club’s activities, and then played Japanese-language games. These activities were arranged by the coordinators and the student leaders of the club; this new attempt at playing Japanese-language games proved successful, and everyone had an enjoyable time.

【JLPTの対策授業開始】/【Start of lessons targeting the JLPT】
10月の終わりから、JLPTの対策授業を実施していました。それぞれのレベルごとに毎週90分、問題集を解いたり講師作のプリントを解いたりします。時間割の関係上、早朝か夕方になることが多いので学生にとっても軽くない負担になっていたと思いますが、だいたいの学生は熱心に受講していました。/We have been carrying out preparatory classes for the JLPT since the end of October. Every week for 90 minutes, students would do workbooks or worksheets prepared by the teachers according to their levels. Because of issues with the time table, students either had to attend said classes early in the morning or in the evening, so it was probably not easy for the students, but most of them participated earnestly.

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カフェで日本語ゲームをする様子/Playing Japanese games at a café


活動日誌 2017年10月/Activity Information 2017.10

GJOコーディネーター 正木みゆ Masaki Miyu, GJO coordinator

【入学式・初顔合わせ】/【Entrance Ceremony & Meeting New Students】
10月2日、新一年生の入学式があり、語科ごとの説明会がありました。/On the 2nd of October, the entrance ceremony for the new first-year students was held, and the orientations for each language major were also held.
そこそこ広い教室に、一年生たちがぎゅうぎゅうに詰まっています!/Despite the fairly large classroom, the students were packed in pretty tightly!

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【語科の説明会の様子】/A Language Department Orientation

ここから最短四年、日本語の旅が始まります。この中にはすでに日本語を勉強したことがある人もいますが、ほとんどがひらがなも初めての学生です。右も左もわからない状態からだんだん世界が開けていくのを見るのは、毎年とても面白いです。かれらはどんな日本語を話すようになるのか、そばで見られるのが楽しみです。/From here on begins their (at least) four year Japanese journey. In this group of students, there are some people who have already studied Japanese before, but for most of the students it is their first time even learning hiragana. Every year, it’s very interesting watching the students go from barely knowing left from right, to having the whole world gradually open itself before their eyes. I look forward to seeing what kind of Japanese they will become able to speak.

【日本人アーティストの個展開催】/【Japanese Artist Solo Exhibition】
10月半ばから二週間ほど、ベオグラード中心部のギャラリーで版画アーティスト・永井研治氏の個展が開催されました。/From mid-October, a solo exhibition of Kenji Nagai’s woodblock prints was held for two weeks at a gallery in the center of Belgrade.
ベオグラード大学の山崎佳代子教授のお知り合いだったご縁で、日本語科の学生たちとギャラリー内でワークショップ形式の授業がありました。/Thanks to the University of Belgrade’s Professor Kayoko Yamazaki, I was able to hold a special workshop in the gallery with the Japanese department students.
絵を見て感じたことをそれぞれ口にしたり、日本語テキストの朗読を聞きながら絵を鑑賞したりと、インスピレーションに満ちた空間となり、学生たちにとっては刺激的な日本語体験でした。。/It was a place full of inspiration and a stimulating Japanese experience for the students, who walked around commenting on the art, and appreciating the art while listening to the explanations.

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活動日誌 2017年9月/Activity Information 2017.9

GJOコーディネーター 正木みゆ Masaki Miyu, GJO coordinator

9月、そろそろバカンス期間も終わりです。9月半ばまでは「まだまだ夏」といったふうだったベオグラードですが、下旬に近づくにつれ寒い日が多くなりました。/It is September, and so the vacation period will soon come to an end. Until mid-September, Belgrade was hot enough to say ‘it’s still summer,’ but as we reach the end of September, the cold days are increasing.
日本には夏と冬の間に秋がありますが、当地では夏の後、冬が来ます。昨日まで暑いなと思っていたのに今日はもう寒い、という…切り替わりの時期には風邪が流行しました。/In Japan, autumn comes between summer and winter, but here in Belgrade it seems that winter comes straight after summer. Although I thought it was hot until yesterday, today was cold already. In this changing of the seasons, everyone seems to have a cold.
今月、大学では定期試験に加え、12月の日本語能力試験(以下、JLPT)に向けて出願受付を実施しました。また、学生がバカンスを終えて戻ってきたので、部活動も再開です。/This month, in addition to regular examinations, I am preparing applications for December’s Japanese Proficiency Examination (JLPT). The students have come back from their vacations, and club activities have started again.

【JLPT 2017の出願受付】/【JLPT 2017 Application Period】
9月の4日~11日、ベオグラード大学文学部にてJLPTの出願受付がありました。大学の試験期間をかぶせて出願期間を設定していることもあり、学内の受験者が毎年たくさん挑戦します。もちろん、高校生や他の機関で学んでいる受験者、また近隣諸国からの受験者もいます。当地では年に二回あるうちの一回(12月試験)のみの実施ですが、年に一度でも自分の成長を測ることができる機会があるのはモチベーション維持のためにも良いことです。/From September 4th-11th applications for the JLPT were accepted by the University of Belgrade Literature Department. This application period is set to coincide with the university’s examination period, and so, every year, many students step up to the challenge. There are also applicants from other universities and high schools, and applicants from neighboring countries. Here, only one of the two annual JLPT’s is held (the December examination), but despite this I think it is good to have even one chance to measure one’s growth so that students stay motivated in their studies.
今年も100名以上の出願がありました。ここから3か月、12月の本番に向けて、どのレベルの人にもがんばってほしいですね。/This year there were over 100 applicants. I hope that all the applicants, no matter what level they are, use the following three months to study hard for the examination in December.

【9月期・10月期の定期試験実施】/【September/October Term Regular Examinations】
JLPTの出願と共に、定期試験が再開しました。9月頭に「9月期」の試験があり、終わりには「10月期」の試験があります。なかにはバカンス中の旅行で黒くなった学生も。楽しそうな夏休みの余韻を感じます。/Regular examinations were held at the same time as the JLPT application period. At the beginning of September the ‘September Term’ examinations were held, and the ‘October Term’ examinations were held at the end of September. Some of the students became very tan over the summer vacation, like lingering memories of a great summer.

【部活の再開―ぺらぺらカフェ】/【Club Activities – Pera-Pera Café】
試験期間の合間、ぺらぺらカフェを再開しました。10名ほど集まって、カフェで飲み物を注文して、久しぶりに日本語を話します。/During intervals in the examination period, we reopened ‘Pera-Pera Café.’ Around 10 students gathered, and we ordered drinks at a café while speaking Japanese for the first time in a while.
数か月ぶりの日本語だった学生もいたようですが、夏休み中のことについて、話すことはたくさんありました。/It seems that there were some students who had not spoken Japanese for a few months, but everyone tried their best discussing their summer vacations.
夏休みは不定期でしたが、新学期からはまた定期開催に戻ります。リーダーの学生たちと、時間の設定など相談をする予定です。/Pera-Pera Café was held irregularly over the summer vacation, but, from this semester, we will hold it regularly. I intend to choose the time with the student leaders.


活動日誌 2017年8月/Activity Information 2017.8

GJOコーディネーター 髙見あずさ Takami Azusa, GJO coordinator

日本では厳しい暑さが続いているようですが、ベオグラードでは朝晩の涼しさと日差しの柔らかさから、秋を感じる季節になりました。もっとも、秋を感じている間もなく冬に入ってしまう年も多いのですが…。/It seems that Japan’s intense heat is not letting up, but here in Belgrade, the coolness of morning and evening, and the gentleness of the sunlight makes me feel that autumn has arrived. Although there are many years where winter comes straight away without a trace of autumn.
実家で夏休みを満喫していた学生たちも徐々に街に戻り、9月初旬の試験に向けて少しずつ大学の勉強を再開しようとしています。/Students that enjoyed their summer vacation back home are slowly returning, and are starting to study again in preparation for the examinations in the beginning of September.

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【日本人高校生との交流会】/【Exchange Meeting with a Japanese High schooler】
8月28日に、「トビタテ!留学JAPAN」に採用され、日本から一ヶ月のチェスの短期留学のためにセルビアに滞在していた高校一年生の大多和優斗さんが、ベオグラード大学を訪問し、日本語科の学生と交流会を行いました。/On 28th August, as part of the ‘Tobitate! Ryugaku JAPAN’ campaign, Yuto Otawa, a first-year high school student on a one month chess exchange in Serbia, visited the University of Belgrade and met with the students of the Japanese department.

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交流会のはじめには、ベオグラード大学の学生生活に関心があるという大多和さんに、日本語科のある言語学部棟内を案内しました。/At the start of the meeting, we showed Otawa inside the linguistics department building, home to the Japanese department, which he seemed to have an interest in.

その後は、ベオグラードの中心街でアイスクリームを食べたり、学生や一般の人々の憩いの場であり、観光地でもある城壁カレメグダン公園を散歩したりしました。/Afterwards, we ate ice cream in the center of Belgrade, and went for a walk around the popular tourist attraction and local relaxation spot, Belgrade Fortress’s Kalemegdan Park.
最後は、カフェに座って大多和さんと学生たちが会話を

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する時間もありました。普段は教員以外と日本語で話す機会がほとんどない学生たちは、
気恥ずかしさもあって、散歩中はなかなか話せずにいましたが、カフェではお互いの話を少しずつできたようでした。/In the end, there was time for the students to sit and chat with Otawa in a café. The students felt a little embarrassed, as they had never had the chance to speak Japanese with anyone but their teachers, so while they did not talk a lot during the walk, they began to speak more and more while in the café.
このような若い世代の学生同士の交流をきっかけに、これからベオグラードへ留学する日本人学生が増えるといいなと思っています。/After seeing this exchange meeting between such young students, I hope more Japanese exchange students come to Belgrade.


活動日誌 2017年7月/Activity Information 2017.7

GJOコーディネーター 正木みゆ Masaki Miyu, GJO coordinator

7月になりました。/It is now July.
「厳しい冬」という言い方がありますが、ベオグラードの日差しも「きびしい…」と唸りたくなるほど、まっすぐ肌に刺さります。すばらしく暑いです。今年は冬もここ数年で一番寒かったそうなので、反動で酷暑になりそうです。寒いほど空調の効いている日本の公共交通機関とはちがって、路線バスなどはサウナのようで、つい外出の足が鈍ります。/In Belgrade they have the phrase ‘harsh winter,’ but the sunlight pierces right through your skin, and makes me moan that it is just as ‘harsh.’ It is very hot. This year’s winter was apparently the coldest in years, it seems like summer is going to be intensely hot in return. Unlike the heavily air-conditioned public transport in Japan, the buses here are like saunas, so I am losing the will to go out.

【ブルガリアサマーキャンプ】【Bulgaria Summer Camp】
7月の2日~7日に、ブルガリアの海辺の町・キテンにて「バルカン半島日本語サマーキャンプ」が行われました。/From 2nd – 7th of July, the ‘Balkan Peninsula Japanese Summer Camp’ was held in the seaside town of Kiten.

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各国紹介の時間/Presentations on each of the students’ countries.

このキャンプはブルガリアのソフィア大学日本語科が国際交流基金の助成を受けて主催している日本語の合宿で、例年バルカン近隣の日本語教育機関から学習者を招待して様々な活動を行います。日本語や日本文化だけでなく、それぞれの出身地域の文化・言語について交流しながら学べるとても貴重な機会となっています。/This camp is a Japanese training camp organised by the Japanese department at Bulgaria’s Sofia University, funded by financial aid from The Japan Foundation, in which students from neighboring Balkan Japanese educational institutions are invited every year to participate in. This camp is not only a chance to learn about Japanese language and culture, but also an opportunity to learn about the culture and language of the participating students’ countries, making it a very valuable experience.
今年もベオグラード大学から、コーディネーター1名と学生4名が招待を受けて参加しました。/As in previous years, the University of Belgrade received an invitation for four students and one coordinator to participate.
今年のキャンプのテーマは「言語変種」。各機関の先生方から日本語の方言や役割語についてのワークショップを受けたり、また書道・着物体験もありました。/This year’s camp’s theme was ‘Linguistic Variety.’ Teachers from each institution held workshops on topics such as Japanese dialects and role language, and there were also calligraphy and kimono-wearing workshops.

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着物体験の時間に浴衣を着てうれしそうな学生たち/Students enjoyed trying on Yukata.

セルビアの学生たちは、普段、ベオグラード大学の教員以外と日本語で話す機会がほとんどありません。出発時には「自信がありません」と口々に言っていた学生たちでしたが、終わるころには「話すときに緊張しなくなりました」と笑えるほどになりました。楽しそうに他大学の学生たちと日本語で話す姿を見て、大変な道のりを頑張ってブルガリアまでやってきて良かった…と思いました。/The Serbian Students usually do not have the chance to speak Japanese with anyone except the staff at the University of Belgrade. When we left for the camp, the students were saying ‘I don’t feel confident,’ but by the end of it they were laughing that they ‘were not nervous to speak (Japanese) anymore.’ Seeing my students speaking Japanese happily with the students from other universities, I felt… really glad that I tried my best and came to Bulgaria.
(ブルガリア・キテンまでは、バスを3回ほど乗り継ぎます。18時間ほどかかります…)/(We had to change buses three times on the way to Kiten. It took 18 hours…)
ともかく、楽しくケガもなく、サマーキャンプを終えることができました。参加した4名には、大きな成長の機会となったことでしょう。これからの勉強の糧にしていってほしいと思います。Anyhow, we managed to enjoy the camp, and it ended without any injuries. For the four students that participated, I think it was a very good opportunity to grow. I hope they use this experience to further their study from now on.


活動日誌 2017年6月/Activity Information 2017.6

GJOコーディネーター 髙見あずさ Takami Azusa, GJO coordinator

 6月のベオグラードは、少し肌寒いぐらいの朝晩にひきかえ、昼間は真夏のような強い日光で、日照時間も長く夜まで明るいので外で人々が楽しく集っています。この季節になると、まだまだ明るいと思ってふと時計を見ると9時前、あわてて夕食の支度をするということも珍しくありません。大学では、学年末の試験期間が始まり、提出物なども重なって学生たちは寝不足を隠しきれない様子でした。/June in Belgrade is a little cold in the morning and evening, but as hot as a midsummer’s day during the daytime, with strong sunlight and long daylight hours, allowing people to gather outdoors until late at night. It is the season where I often think ‘oh it’s still early’, then look at my watch to find it is already 9pm, and so I end up hurrying about preparing dinner. At the university, end of (school) year examinations have begun, and the students cannot hide their lack of sleep from the piled up assignments.

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【学年末試験開始・卒業】【The Beginning of Exams and the Graduation Ceremony】
2016年~17年度の学期末試験が、ベオグラード大学全体で始まりました。日本の大学の制度とはだいぶ違い、同じ学期末試験でも何度も試験期間があります。授業を同じ時期に終わっても、どの科目をいつ受けるか、または合格するかによって、学年の修了や卒業時期が変わるというわけです。/The 2016-2017 end of semester examinations have begun at The University of Belgrade. The examination system here is very different to Japan, with many examination periods occurring over one semester. Regardless of when your class ends for the semester, the end of the semester and graduation period can change based on what classes you take and when you take them, and whether you pass them or not.
今年の四年生は、学期末最初の試験期間に多くの学生が勉強に励み、四年間過ごした日本語科からの卒業を決めることができました。コーディネーターにとっては、ベオグラードへ赴任して初めての一年生だった学生たちが卒業することとなり、それぞれの道へ進んで行く姿を見るのは、大変感慨深いものでした。/Many of this year’s fourth years studied very hard to sit exams in the first exam period, and were able to graduate from the Japanese department. As a coordinator, they were my first year group I taught upon coming to Belgrade, so it was very moving to see them graduate and go down their own paths.
まだ全ての科目を合格していない学生もいますが、それぞれ、あと数回の試験期間のうちに卒業できることを心から祈っています!/There are still some students that have not passed all their subjects, so I hope they can pass and graduate during one of the other exam periods.

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【ベオグラード大学部活 代替わり】【University of Belgrade Club Activities Substitute】
これまでも何度かご紹介してきたように、ベオグラード大学日本語科では学生が主体となって、多読活動、会話クラブ、書道など教室ではできない活動を有志で集まって、授業外で行なってきました。/As I have introduced many times before, the Japanese department here at the University of Belgrade has club activities run by students such as reading club, conversation club, and calligraphy club. These clubs all feature things that cannot be done in the classroom, and members gather voluntarily outside of class times.
 今月、部活を作り、仲間や後輩のために毎週計画や連絡係をしてくれていた四年生のヤナさんとアナさんが卒業することになったため、今年度最後の会話クラブ「ぺらぺら日本語カフェ」を行い、次の「部長」を選ぶことになりました。/This month, Yana and Ana, two fourth year students who started a club and worked hard to organise activities every week, will graduate, so during this year’s last ‘Pera-Pera Japanese Café’ we decided to choose the next leader of the club.
頼もしい先輩が抜けたらどうなるかな、というコーディネーターの心配をよそに、後輩たちから次々に候補者が推薦され、活発な意見交換が行なわれていました。まだ最終決定には至っていませんが、どの学生が選ばれても責任感があり、みんなから信頼されている学生が部長になることは間違いありません。/The students seemingly ignored my worries as to whether the club would survive without Yana and Ana, and had a lively discussion in which several candidates were suggested. While a final decision has not yet been made, all of the candidates have a sense of responsibility, so no matter who is chosen, the next leader will definitely be someone that the other students can rely on.
教員であるコーディネーターにとってこれほど頼もしいことはなく、これからもより活発で、楽しく和やかな部活が続くことを信じています。/As a coordinator there is nothing more promising than this, and I believe that club activities will continue to be lively, enjoyable, and harmonious.


活動日誌 2017年5月/Activity Information 2017.5

GJOコーディネーター 正木みゆ Masaki Miyu, GJO coordinator

5月、いよいよセルビアにも夏がやって来ました。町中でも学生寮でも、老若男女問わず、みんなが太陽を満喫しています。私たちコーディネーターもすっかりセルビアの「太陽人気」に染まっていて、レストランやカフェではもちろん外の席を選びます。
本格的に暑くなる前で、木陰が気持ちよいひと月でした。/In May, summer arrived in Belgrade at last. Both in town and the student dorms, men and women, young and old were enjoying the sunshine. We coordinators have also soaked up Serbia’s ‘sun-loving’ culture, and we always chose the outdoor seating at restaurants and cafes. This was a month where you could enjoy the shade of a tree before it really gets hot.

【年度末 合同発表会】
5月23日、町の文化センターの一室を借りて全学年の合同授業が行われました。この会では、それぞれの学年が一つずつ出し物を用意して、発表します。
一年生と二年生は日本語の歌、三年生は自作のドキュメンタリー風動画(!)、そして次の試験で卒業となる四年生は日本語科の先生方への感謝のスピーチが披露されました。
今年度いっぱいで離任となる髙見コーディネーターへの感謝の言葉の際、涙ぐむ学生たちが多数…日本語で自分の気持ちを伝える学生たちを見て、私も感動させられました。それぞれの学年のカラーが出るこの催し、また次も笑顔で迎えられるよう、一年間がんばろうと気持ちを新たにできた日でした。

End of Year Group Presentations
On 23rd May, we borrowed a room at the town’s culture centre for a joint lesson with all year groups. In these meetings, each year group prepares and gives some kind of presentation.
The first and second years chose a Japanese song, the third years made their own documentary-style video (!), and the fourth years, who will be graduating after their exams, gave a speech thanking their Japanese teachers.
During the words of thanks to coordinator Takami, who will soon be leaving, there were several students who were moved to tears… I too was moved while watching the students convey their own feelings in Japanese. These presentations which showed each of the students’ individualities renewed my desire work hard so that I can greet them with a smile next time, too.

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練習した日本語の歌を歌う学生たち。ギターも自分たちで弾きます!/Students performing the Japanese songs they have practised.  They even played guitar themselves!

【夏学期 最後の書道クラブ&読書&ぺらぺらカフェ】
日本人・日本文化に直接触れる機会の少ない当地。授業以外で日本語使うチャンスとなる課外活動の上記三つは、どれも学生たちに好評です。
書道クラブは特に熱心な学生が多く、コーディネーターたちが教室に行くとすでに新聞・道具など準備済みで、学生たちがきちんと座っている…ということも。

Summer Term Final Calligraphy Club, Reading Club and Pera-Pera Café
There are few opportunities to come into contact with Japanese people or culture in this area. The three above extracurricular activities, which offer the chance to use Japanese outside of lessons, are all popular with the students.

In particular, there are a lot of students who are enthusiastic about the calligraphy club, and they often sit having prepared the newspapers and tools etc. even before the coordinators arrive.

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それぞれの「本日の作品」を持つ学生たち

ぺらぺらカフェや読書も、「その時間があるから読んだり話したりできる」という声が多く、こちら側も続けてきてよかったと感じます。/With the Pera-pera Café and reading club as well, there are lots of students who say “because we have these sessions we can read and talk in Japanese”, and I too am glad that they have continued.

学生たちへの声掛けや準備は先輩の学年が主導してくれるので、なんとか続けることができました。代替わりはしますが、来年度も楽しく課外活動が出来そうです。/Since the more senior students had the initiative to spread the word and make preparations, we somehow managed to continue these activities. There will be a change of leadership, but it seems that they’ll be able to have these extracurricular activities next year too.

今までは休暇中には行っていませんでしたが、9月の試験期間ごろには再開を考えています。みんな、9月にはもう「一」の書き方も忘れてしまっているかも…。/Up to now, we haven’t been holding activities during the holidays, but we are thinking of re-opening them around the exam period in September. Even though by then, everyone might have even forgotten how to write ‘一’…


活動日誌 2017年4月/Activity Information 2017.4

GJOコーディネーター 髙見あずさ Takami Azusa, GJO coordinator

4月は正教会の復活祭があり、卵を染めたり、豚や羊の丸焼きを食べながら三連休を過ごしました。一方で、寒の戻りが激しく4月末日に雪が降るほどでした。露店のアイスクリーム屋は開いたり閉まったり…。しかし、3月に一度でも天気が良くなってしまったからには、外に座らなければならないのがセルビア人。カフェの中には座らずテラス席でコーヒーやビールを片手に、ひざには毛布をかけて外でがんばっている人が見かけられます。/In April is the Eastern Orthodox Church’s Easter, and the three-day holiday was spent doing things such as dying eggs and eating spit-roast pork and lamb. Meanwhile, the cold returned with a vengeance, and there was even snow at the end of April. The ice cream stalls keep opening and closing… However, Serbians seem to think that since the weather turned nice once in March, you have to sit outside. I have caught sight of people defiantly sitting out on the terrace instead of inside cafes, with a coffee or a beer in one hand and blankets on their laps.

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【三菱商事 日本語普及プロジェクト2016年度 修了式】
4月27日に、在セルビア日本国大使館で日本語普及プロジェクトの修了式典が開催されました。このプロジェクトは、2014年度からこれまで、三菱商事および日本大使館と協力しながら、セルビア各地の小学校・高校に私たちの日本語科の卒業生を派遣して日本語の授業を行ってきたものです。今年は、3年間の中で最多の小学校7校、高校9校が参加しており、修了式にはベオグラード市内だけではなく地方からも大勢の学生や教師が集まりました。

/2016 Mitsubishi Japanese Diffusion Project Closing Ceremony

On 27th April, the closing ceremony was held for the Mitsubishi Japanese Diffusion Project at the Japanese Embassy in Serbia. This is a project in collaboration with Mitsubishi Corporation and the Japanese embassy that has continued from 2014 to now, sending graduates of our Japanese department to primary and secondary schools in various regions of Serbia to conduct Japanese lessons. This year saw 7 primary schools and 9 secondary schools participating- the highest numbers within the three years. At the ceremony, many of the teachers and students who were learning Japanese came not just from within Belgrade but from other regions as well.
修了式のプログラムの中には、毎年恒例である日本語を学んだ高校生や小学生による発表会があり、日本語でのスピーチや、合唱、俳句の暗唱などが行われ、終始和やかな雰囲気でした。また、派遣講師として日本語の授業を行っていたベオグラード大学の卒業生たちも、自分が担当した学生たちの成果発表を感慨深く、温かい目で見守っていました。/There was a harmonious atmosphere from beginning to end, with a programme including the yearly tradition of high school and primary school student presentations of speeches, choruses and haiku recitals in Japanese. The University of Belgrade graduates who held lessons as Japanese language teachers were deeply moved by seeing the fruits of their labours in the presentations by the students they took charge of.

さらに、修了式典の終わりには、3年間のプロジェクトの成功を祝して、在セルビア日本大使、三菱商事ベオグラード駐在所所長、ベオグラード大学言語学部副学部長とコーディネーターで、日本酒の鏡割りをしました。/In addition, at the end of the ceremony, to celebrate three years of the project’s success, the Japanese ambassador to Serbia, the head of Mitsubishi in Belgrade, and the deputy head and coordinator of the Language department at the University of Belgrade broke open a ceremonial sake barrel.

セルビア人の来賓や18歳で成人した高校生の中には日本酒を味わうのが初めての人も多く、驚きや笑顔にあふれた締めくくりの会となりました。このようなプロジェクトが、日本語学習者や教師にとってはもちろんのこと、親日のセルビア社会に少しでも役に立つプロジェクトとして継続されていくことを願っています。/Among the Serbian guests and the 18-year-old high school students, there were many who had never tasted Japanese sake before, and so the meeting ended full of surprise and smiles. I hope that projects like this will be continued as projects that are helpful, if even just a little, to a pro-Japanese Serbian society including learners and teachers of Japanese.

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活動日誌 2017年3月/Activity Information 2017.3

GJOコーディネーター 正木みゆ Masaki Miyu, GJO coordinator

 みなさま、こんにちは!東京では桜の季節になりましたが、ベオグラードにも春がやってきました。こちらでも桜やモクレン、たんぽぽが咲いていますよ。あたたかい日が多いです。町中にはアイスの露店が復活してきましたが、食べ過ぎには要注意です。50~150円ほどなので、つい気軽に買ってしまいます。/Hello everyone! Cherry blossom season has started in Tokyo, and spring has finally come to Belgrade. Cherry blossom, lily magnolias and dandelions are blooming here too. There are lots of warm days. Ice cream stalls have come back to the town centre, and one had to take care not to eat too much. They’re about 50-150 yen each, so it’s easy to buy them without thinking.

【TUFSからのゲスト①:藤森弘子先生のご講演】
3月17日、留学生日本語教育センター(以下留日センター)の藤森弘子先生をお招きし、日本語教育に関するご講演を行っていただきました。/

/Guest from TUFS 1: Lecture by Fujimori Hiroko

On 17th March, we invited Fujimori Hiroko from the Japanese Language Center for International Students (JLC) and received a lecture from her on Japanese language education.

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留日センターから4月に発行される新しい教科書について、実際の問題を見せながらご説明いただきました。/We received an explanation of the new textbook that will be published by the JLC in April while being shown some of the exercises from the book.

ほぼ全て日本語でしたが、学生たちにも分かりやすいようにご配慮いただき、集まった2~4年生たちも興味深そうに聞き入っていました。普段は疑問もなくただ眺めている「教科書」の開発意図や効果の検証などについて聞くことは、学生たちにとっては大層新鮮だったようです。/The lecture was almost all in Japanese, but Ms. Fujimori put consideration into making it easy for the students to understand, and the second to fourth year students gathered there were listening intently with what seemed like great interest. In general they simply watched without having any questions, and it seems that hearing about the development aims and verification of the textbook’s effectiveness was a fresh, new experience.

【課外クラブの活動:書道&読書】
3月は毎週の読書と、2回の書道を行いました。GJOコーディネーターの髙見先生が指導してくださる書道は、毎回とても人気があります。今月は「一」から始まった書道、今月は「水」「道」などに進んで、それぞれの学生が自分なりの字をしたためていました。

/Extracurricular Activities: Calligraphy and Reading

In March, weekly reading sessions as well as the second calligraphy session took place. The calligraphy activity led by GJO coordinator Takami Azusa is always popular. Last month, we started from the character ‘一’, and this month we progressed to characters such as ‘水’ and ‘道’. Each of the students wrote up their own unique characters.


活動報告 2017年2月/Activity Information 2017.2

コーディネーター 髙見あずさ Takami Azusa, coordinator

 2月上旬に冬学期の試験が終わり、夏の授業期間が始まりました。中旬からは天気のいい日も徐々に増えてきて、学生たちと共に和やかな雰囲気で授業や課外活動を行なっています。太陽が出た途端、にこにこ笑顔で元気になるセルビア人とともに暮らしてきて、ここ最近は私もすっかり「春を待つ人」になったなあと改めて気づきました。

In the first part of February, the winter term exams finished and lessons of the summer term began. The number of days with nice weather gradually increased from the middle of the month, and there has been a calm atmosphere in the lessons and extracurricular activities with the students. As soon as the sun came out, I found myself alongside smiling, cheerful Serbian people, and recently I’ve realised once again that I’m full of spring.

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【日本語普及プロジェクト 授業視察】
ベオグラード大学の日本語講師として、2014年度からこれまで、三菱商事および日本大使館と協力しながら「日本語普及プロジェクト」の運営に携わってきました。これは、セルビア各地の小学校・高校に日本語科の卒業生を派遣して日本語の授業をするというプロジェクトで、世界各地に拠点がある三菱商事および日本大使館では、日本語・日本文化をより一般に普及し、地方の若い世代にまで学びのチャンスを提供するプロジェクトとして非常に高い評価を受けています。

Japanese Diffusion Project- Lesson Observation

As a teacher of Japanese at the University of Belgrade, from 2015 to now I’ve been collaborating with Mitsubishi Corporation and the Japanese embassy in running the ‘Japanese Diffusion Project’. This is a project of recruiting graduates of Japanese language to teach in primary and secondary schools around Serbia, and is an extremely highly-valued project at Mitsubishi Corporation, which has locations all around the world, as well as the Japanese embassy, to further spread Japanese language and culture and offer the chance to learn Japanese even to young people in the area.

その中で、小学校および高校に派遣されて実際に日本語を教えている日本語科の卒業生たちを指導することが、私たちの重要な役割の一つとなっています。1月と2月には、大学の授業がない期間を利用して、ベオグラード郊外にある小学校一校と高校二校で授業の様子を視察してきました。日本人を始めて見る年少の学生も多く、驚いたり緊張したりしているようでしたが、一方で熱心に教える派遣講師と興味をもって日本語を勉強している若い学生たちの様子を見ることができました。派遣講師たちも自分なりの工夫をしながら授業を準備していて、私からのアドバイスにも耳を傾け、より良い授業を行なっていけるよう努力しています。現地の教員や地域の人々の助けもあって、有意義なプロジェクトになっています。

Giving guidance to the Japanese graduates who are posted at and actually teach at the primary and secondary schools is one of our important roles. In January and February, making use of the period when there are no lessons at the university, I observed lessons at one primary school and two secondary schools in the outskirts of Belgrade. There were many young students who hadn’t seen a Japanese person before, and they seemed surprised and nervous, but I could see young students taking an interest in studying Japanese with the enthusiastic temporary teachers.

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【課外活動「日本語で読書」の授業内プロモーション】

これまでも少しずつご紹介してきたように、私たちの日本語科では4年生の学生が中心となって、多読・会話・書道といった課外活動を行なっています。しかし、毎年1年生は日本語が上手な先輩に混じってそのような活動に参加することに引け目を感じ、積極的に参加する人が少ない傾向にありました。そこで、2月の新学期最初の授業時間を利用して1年生に「日本語で読書」のプロモーションをやってみました。

’Japanese Reading’ Extracurricular Activity

As I have described a little before, our Japanese department holds extracurricular activities centred on fourth year students, such as reading, conversation and calligraphy activities. However, the first year students felt self-conscious in activities with their seniors who are skilled in Japanese, and they tended not to actively join in. So, in February I took the chance to promote the ‘Japanese Reading’ activity in the first Japanese lesson of the new term.

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 「日本語で読書」はいわゆる多読活動なので、まず簡単なスライドを使ってそのルールを説明し、60分好きな本を好きなように読ませました。非常に楽しい雰囲気である中、集中して本を読む姿が多く見られ、授業が終わった後、翌週からは多くの学生がリラックスして課外活動に気軽に参加できるようになりました。

これからも、学生と力を合わせて、授業内だけではできない活動をやっていきたいと思います。

‘Japanese Reading’ is an extensive reading activity, so after first explaining the rules with a simple slideshow, I let them read any book they liked at their leisure. There were lots of people reading books in a fun environment, and when the lesson had finished, and from the next week many students were able to relax and join in the activity.


活動報告 2017年1月/Activity Information 2017.1

コーディネーター 正木みゆ Masaki Miyu, coordinator

 2017年、あけましておめでとうございます。
この1月、ヨーロッパ全体が寒波の影響で寒さの大打撃を受けました。ベオグラードも例にもれず、例年にない冷えだそうです。私は昨年4月からの赴任ですので初めての冬で、「こんなに寒いなんて」とショックを受けましたが、次の冬はそうでもないことを願っています。

Happy New Year!

This month, the whole of Europe has been suffering from a cold wave. Belgrade was no exception, and apparently it was colder than a normal year. I took up this post in March last year, so it was my first winter here. I was shocked that it was so cold, and I am hoping that next winter is different.

【冬学期 終了!】
さて、今年度授業の半分が終了しました。
ベオグラード大学は日本の多くの大学と同じく二学期制で、冬学期(前期)と夏学期(後期)があります。それぞれの学期終わりに二回ずつ試験期間があり、次の年度へ行く前にも、原則二回、試験があります。一年で最低六回の試験があるので、年中試験をしているような気にも…。学生たちは試験の結果により奨学金の受給可否が決まるので、懸命に勉強しています(もちろん、そのためにだけではありませんが)。努力に点数はつけられませんが、やっぱり日ごろから真面目な学生が良い点数をとると、こちらも自分のことのように嬉しく思います。

The End of the Winter Term
Half of the lessons for this year are over. The University of Belgrade, like most Japanese universities, has a two-term system, and has a winter term (the first term) and a summer term (the second term). At the end of each term there are two end of term exam periods, and, as a general rule, there are also two exams before the next year begins. There are a minimum of six exams a year, so I have a feeling that there are also exams during the year… Whether the students can receive a scholarship or not is decided by their exam results, so they are studying earnestly (although of course, that is not the only reason). There are no marks for effort, but of course when a habitually diligent student gets a good grade, I feel as happy as though it were my own.

10月に入ってきた一年生にとっても、初めての学期が終わりました。新入生特有の、何がというわけではないけれど高揚したような雰囲気も落ち着いてきました。それぞれの勉強のペースもつかめてきたように思います。
文学の授業での取り組みで、1年生たちがそれぞれ好きな俳句や詩に絵をつけて教室を飾る、という活動がありました。日本語学科の学生たちは絵が上手な人が多く、どれも素敵な仕上がりです。

For the first year students who enrolled in October, their first term has finished. The air of excitement characteristic to new students has also calmed down. I feel as though they have each found their own study pace.
As a part of the literature class, there was an activity where the first year students decorated their favourite haikus and poems with pictures and displayed them in the classroom. There are many who are good at drawing amongst the students of Japanese, and all of them did a fantastic job.

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出来上がった絵を、上級生たちもしげしげと眺めていました。今まではあまり掲示などはしていませんでしたが、いつも同じ教室を使うので、こんな風にして飾り立てていくことも可能です。学生たちの評判もとても良く、これからは学生たちの作品で埋めていけたらいいなと思いました。

The advanced level students also came to view the completed pictures. Until now we haven’t been putting many things up on the walls, but since we always use the same classroom, we can dress it up it like this. The students have a very good reputation, and I thought it would be good if we showed off their work as well.


活動報告 2016年12月/Activity Information 2016.12

コーディネーター 正木みゆ Masaki Miyu, coordinator

 12月は、最高気温が氷点下のままの日も増え、日照時間も短く本格的な冬を迎えます。ベオグラード大学では、学期末にむけて、授業にも熱が入り、学生も教員も課題などに追われ、あっという間に2016年の最終月が過ぎていきました。セルビア正教では、クリスマスは1月7日なので、クリスマスや年末の雰囲気はあまり感じられず、例年通り12月30日の夜まで授業が行なわれました。

In December, the number of days where the temperature stayed below freezing increased, and as the daylight hours grew shorter we approached the middle of winter. At the University of Belgrade, as the end of term drew near, both students and teaching staff were absorbed in lessons and pressed for time to finish the curriculum, and before we knew it the last month of the year had passed. The Serbian Orthodox Church celebrates Christmas on 7th January, so there wasn’t much of a Christmas or new-year atmosphere, and like most years lessons continued until the evening of 30th December.

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【ベオグラード大学 部活:日本語で読書】
これまでもベオグラード大学の「部活」について紹介してきましたが、最近は学生も運営に慣れてきて、参加する学生も増えてきました。
特に、初めは認知度が低く、参加者がまばらだった「日本語で読書!」という多読活動が軌道に乗ってきたように思います。

The University of Belgrade Activities: Japanese Reading

I have introduced several activities at the university so far, and now that the students are used to the procedure, more and more are taking part. In particular, the extensive reading activity, which at first received little attention, is now, I think, going very smoothly.

日本語科で貸し出したり、閲覧したりできる蔵書は、国際交流基金の教材助成や大使館からの寄贈によって近年著しくその数や種類が増加しました。多読教材として世界各地で広く用いられる「よむよむ文庫」のほかに、マンガ、絵本、小説、ファッション雑誌、旅行ガイドブック、趣味(料理、園芸、手芸等)の雑誌など幅広いジャンルの書籍があり、学生たちは目を輝かせて読む本を選んでいます。また、時間の都合が合わず活動に参加できない場合や自宅で少しずつ読みたい学生には、教員であるコーディネーターがその学生とレベルや好きなジャンルなどを相談して、貸し出しも行なっています。
一方、仲がいい友達と誘い合って活動に参加する学生も増えてきています。一人だとなかなか踏み出せない「日本語で読む」という作業も、友達と集まってわからない部分やおもしろい発見を共有することによって、笑いもあるリラックスした雰囲気になっています。

The collection of books which we are able to borrow from and browse has increased considerably in number and variety in recent years thanks to teaching assistance materials from the Japan Foundation and to donations from the embassy.

Aside from the ‘Japanese Graded Readers’ collection, which is used as a reading material around the world, students were eagerly selecting reading materials from a wide range of genres, including manga, illustrated books, novels, fashion magazines, travel guides, and hobby magazines (on food, gardening handicrafts etc.). Also, with students who couldn’t make it to the activity and those who wished to read at home in their own time, the coordinatior discussed their reading level and let them borrow reading materials.

Meanwhile, there have been more students inviting their friends to join the activity. Even with Japanese readings that are difficult to progress with by oneself, being together with friends means that students can share parts they don’t understand or interesting passages in a fun and relaxed atmosphere.

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これまでもご紹介してきたように「ベオグラード大学の部活」では、読書のほかに、会話クラブ「日本語ぺらぺらカフェ」と「書道」を行なっていますが、12月はベオグラードでのウィルスの大流行と学業面の忙しさで、実施できない週もありました。1月の試験の終わるころには、学生に大人気の「書道」の活動や、日本人留学生との交流を兼ねた「ぺらぺら日本語カフェ」も活発に行なっていきたいと思っています。

Aside from reading, we are holding the ‘Pera-Pera Japanese Café’ conversation activity and calligraphy activates, although because of viruses going around and because of how busy classwork has been in December, there have been weeks when we couldn’t host any. Around the time when exams finish in January, I hope to once again hold the extremely popular calligraphy activities and the ‘Pera-Pera Japanese Café’, where students can mix with Japanese exchange students.


活動報告 2016年11月/Activity Information 2016.11

コーディネーター 正木みゆ Masaki Miyu, coordinator

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 11月、ベオグラードはぐっと寒くなっています。
まだ冬の風物詩である風はさほど吹いていませんが、
咳をする学生たちも多くなってきました。
ベオグラードのスーパーでも時々、みかんを売っているので(マンダリーナといいます)風邪予防に、とたくさん食べています!

It’s November, and Belgrade had suddenly got colder.

The winds aren’t really wintry yet, but a cough has started going around among the students. Sometimes the supermarkets in Belgrade sell mikans (they call them ‘mandarins’), so I’ve been eating lots of them as a cold prevention!
【日本語 40周年記念学会】
2016年の11月は、ベオグラード大学で初めて日本語の授業が行われて40年という節目でした。それを記念した日本学・日本語学の学会が開催され、本学の教授陣だけでなく、近隣の国々や日本から先生方が来てくださって講演や研究発表をしていただきました。
平日の開催だったこともあり日本語科の学生たちも大勢聴きに来て、様々なジャンルの日本研究に触れることができました。

Japanese language 40th anniversary academic meeting celebration

November of 2016 marks the 40th anniversary of Japanese language classes first being held at the University of Belgrade. To commemorate the occasion, an academic meeting of Japanese studies and Japanese language studies with addresses and research presentations was held, and was attended not only by those from our university’s faculty but also by teachers from neighbouring counties and from Japan, among other places.

Despite it being a weekday, students of Japanese also came in great numbers and got the chance to hear about Japanese research of many various genres.
【ベオグラード大学 部活:読書】
先月から始まった「ぺらぺらカフェ」に続き、新しく読書の部活動も始まりました。
大学内の司書室から部活用の本を別の部屋に移動させて行っていますが、そんなに日本語の本があると知らなかった学生たちは「日本語の本がたくさんある!」と目を輝かせていました。各自が好きな本を手に取って、もくもくと読む姿が新鮮です。今のところ人気があるのは『日本語多読ライブラリー』シリーズとマンガです。時たま本を読んでクスッと笑う声が聞こえてくると、その場のみんなで笑ってしまいます。気兼ねなく自由に趣味として日本語に触れる時間を学生に提供でき、コーディネーターとしても嬉しく思っています。

University of Belgrade Club Activities: Reading

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Continuing on from the ‘Pera-Pera Japanese Cafe’ which began last month, a new reading club has been started. The books to be used by the club were brought from the university’s library to a separate room. The students who didn’t know that university has such Japanese language books were exclaiming “there’s so many!”, with eyes lit up. I watched each pick up a book that took their fancy, and enthusiastically begin reading. The most popular books at the moments are the “Extensive Japanese Library” series and manga. Occasionally you could hear the sound of someone letting out a giggle while reading, which resulted in laughter from the whole room. As a coordinator, I’m glad that we’re able to offer time for students to freely enjoy Japanese reading as a hobby.
【ベオグラード大学 部活:書道】
もう一つ、11月には新たな活動がありました。日本大使館の方のご厚意で書道セットをお借りすることができて、「書道」を始めることができました。コーディネーターの髙見指導による一回目の「書道」活動には、土曜日でしたが多くの学生が集まり、わいわい賑やかな活動になりました。
学生のほとんどが「書道は初めて」なので、まずは道具の名前や姿勢、腕の角度、墨の付け方…などなどの練習から始まって、「一」の書き方、右はらい、左はらい等パーツの練習をした後、最後は「木」の漢字を完成させてこの日の作品としました。セルビアでは、合気道や空手など、武道は多くの人に親しまれていますが、書道や茶道などの活動にはなかなか触れることができません。部活を通して体験してもらうことができるのは本当に貴重なことです。今後も、部活として続けていきたいと考えています。

University of Belgrade Club Activities: Calligraphy

There is one more activity that began this month. The people at the Japanese Embassy kindly allowed us to borrow a calligraphy set, and so we were able to begin having a calligraphy activity.The first session, led by coordinator Takami, was joined by many students and turned out to be a busy and lively activity, despite it being a Saturday.

For most of the students, it was their first experience of calligraphy, so after learning the names of the tools; posture; arm angle; ink application etc., they went on to practice migi harai (strokes going from upper left to lower right) and hidari harai (strokes going from upper right to lower left); writing the character for ‘one’ (一) and so on. After practicing the different parts, they ended the day’s activity by perfecting the character for ‘tree’ (木). In Serbia, while many are familiar with Japanese martial arts such as aikido and karate, people don’t often get the chance to participate in things like calligraphy and the tea ceremony. Being able to experience them through activities like this is a very valuable thing, and I hope that they will continue in the future.


活動報告 2016年10月/Activity Information 2016.10

コーディネーター 髙見あずさ Takami Azusa, coordinator

10月は、ベオグラード大学の新学期です。毎年日本語科にも大勢の新一年生が入学しますが、特に近年は日本語人気が著しく、今年度も70人を超える1年生が日本語の勉強を始めました。10月1日には、入学オリエンテーションがあり、日本語・日本文化の科目を担当する教員が一同に紹介され、新入生は不安と期待の混ざった眼差しで、真剣に話を聞いていました。ベオグラードの10月は、氷点下近くまで気温が下がる日もありますが、大勢の学生と汗をかきながら、勉強に取り組んでいます。学生にとっても、一クラスの人数が多すぎることや、場所が十分にないことなど不便なことも多々ありますが、それぞれ力を尽くして勉強している姿をみて、コーディネーターも教師として気を引き締めて授業や活動に臨んでいます。

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October marks the start of a new academic year at the University of Belgrade. A great number of new students enter Japanese studies every year, but in recent years the popularity of Japanese has been particularly striking. This year, over 70 first year students began Japanese language study. On 1st October was the freshers’ orientation where staff of Japanese language and culture courses were introduced, with the new students listening earnestly with a mixture of nervousness and excitement. October in Belgrade has days where the temperature drops to almost below freezing, but now the many students are sweating as they knuckle down to their studies. There are often times when the number people in class being to large or the classroom being too small leads to inconvenience, but seeing each student studying to the very best of their ability, the coordinators have also been focusing their energies on making the most of each lesson and activity.

【ベオグラード大学 部活:ぺらぺら日本語カフェ】
授業の開始にともなって、日本語科の学生とコーディネーターによる課外活動も徐々に始まりました。今年度は、4年生の学生の有志によって「ベオグラード大学部活」という名前でfacebookを利用したグループが作られ、多読、会話、書道といった活動でできる限り行なっていくことになりました。その活動の一つとして、毎週土曜日に二時間程度日本語だけで会話をする「ぺらぺら日本語カフェ」が始まり、日本語の練習はもちろん、日本からの留学生と交流する良い機会にもなっています。
コーディネーターもできるだけ参加し、普段の授業では個人的に話すことのできない学生たちと話したり、日本語の学生と日本人留学生が話しやすいようにサポートしたりしています。
これまでも課外活動は行なっていましたが、今年は学生主体で始まり、コーディネーターも教員として心強いです。11月以降は、場所や道具を確保次第、多読や書道などの活動も少しずつ増やしていく予定です。

The University of Belgrade Club Activities: Pera-Pera Japanese Café

Along with the start of lessons, one by one the Japanese studies students’ and coordinators’ extracurricular club activities begin. This year, fourth year students have voluntarily created a “University of Belgrade Club Activities” group on Facebook, and plan to host as many activities as possible, such as reading, conversation, and calligraphy activities. One such activity is the ‘Pera-Pera Japanese Café’, where students converse purely in Japanese in two-hour sessions every Saturday. As well as Japanese practice, this activity will provide a great opportunity to mingle with international students from Japan. As much as possible coordinators will also take part, conversing with students on a more one-to-one level than is possible in normal lessons, and helping Japanese language students and Japanese international students connect. Extracurricular activities have been held before now, but the beginning of student-led activities this year is heartening for coordinators and staff alike. From November, once the locations and materials have been secured, we plan to increase reading and calligraphy activities little by little.

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【ベオグラード ブックフェア】
例年10月の最終週には、ベオグラードの Sajam (大規模なイベント会場)で、Sajam Knjigaというブックフェアが行なわれます。非常に大きな催し物で、ほぼ全ての書店・出版社が出展し、大きな割引もされるため、ベオグラードや近郊の市民から、毎年楽しみにされています。もちろん、言語や文学を専門とする日本語科の学生も会場に足を運び、学業に必要な書籍はもちろん、長い間ほしかった趣味の本や小説を購入しています。同様に毎年出展される日本大使館のブースでは、政府奨学金で日本へ留学した経験のある日本語科の卒業生たちがアルバイトとして、日本語の本を紹介したり、日本での生活の様子を来場者に話したりして経験を活かしていました。

Belgrade Book Fair

Most years, in the last week of October, the Belgrade Book Fair (Sajam Knjiga) is held at the Beogradski Sajam (Belgrade Fair), a large-scale event venue. The event is a huge attraction where just about every book store and publisher comes to exhibit, and because there are large price reductions, every year it is enjoyed by many from in and around Belgrade. Of course, Japanese studies students specializing in language and literature come to visit, not only to buy materials needed for classwork but also long-sought-after books and novels simply for leisure reading. At the booth exhibited by the Japanese Embassy every year, graduates who have experienced studying abroad in Japan on Government scholarships work temporary jobs doing things like introducing Japanese books and talking about life in Japan, making the most of the experience.


活動報告 2016年9月/Activity Information 2016.9

コーディネーター 正木みゆ Masaki Miyu, coordinator

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暑さ寒さも彼岸までとは言いますが、ベオグラードの夏ももう終わり、朝晩は冷えるようになりました。今月、私は月頭から中旬にかけて2週間ほどセルビア国外に居ましたが、出た時はまだ夏だった季節が帰ってきた途端に秋めいていて驚きました。町にももうすっかり人が戻り、私たちコーディネーターの住む学生寮もだいぶ賑やかです。
学生たちは戻って来ていますがまだ学期開始前なので、毎晩のように外の中庭から楽しげな音楽とおしゃべりが聞こえてきます。

In Japan they say that the warm weather lasts until the autumn equinox, but here in Belgrade summer has already finished, and the mornings and evenings have begun to cool down. From the beginning of this month, I was outside of Serbia for around two weeks. When I left it was still summer, so I was surprised when the moment I came back the weather turned autumnal. Just about everyone has returned to the city now, and the student dorm that us coordinators live in is pretty lively. The students have already returned, but the term has yet to begin, so you can hear music and animated chatter coming from the courtyard almost every night.

【日本語能力試験の受付】
8月29日~9月6日の一週間、ベオグラード大学にて日本語能力試験(以下、JLPT)の受付を行いました。
JLPTは世界規模で試験を実施していますが、日本語教育機関のあるすべての国・地域で、というわけではありません。セルビア国内ではベオグラード大学が唯一の実施場所です。国内はもちろん、国外からも受験者が申し込みにやって来きます。
連日、ベオグラード大学の在校生や卒業生、日本語を学んでいる高校生、また独学の学習者などが申し込みにやって来ました。普段書きなれない大規模試験の申込書は、練習してもきちんと書くのが難しいものです。セルビア式の数字と日本式の数字の違いに苦戦し、30分近くかかる人もいます。機械で読み取る部分の数字を書くのがこんなに難しいものなのかと、今回初めて知りました。
一生懸命に申し込んだ試験まで、あと2か月あります。それぞれの目標に向けて頑張ってほしいと思います。

Japanese Language Proficiency Test Reception Desk

In the week from 29th August to 6th September, the University of Belgrade held a reception desk for the Japanese language proficiency test (JPLT).

The JLPT is held on a global scale, but it’s not the case that it takes place in all countries and regions with connection to Japanese language education. In Serbia, the University of Belgrade is the only institution that holds the tests. People come not only from within, but also from outside the county to apply.

For several days, University of Belgrade students and graduates, as well as high school Japanese students and independent students came to apply. Correctly filling out an application form for a large-scale test in Japanese is difficult, even with practice. There are people who take close to half an hour grappling with the differences between Japanese and Serbian numerals. This was the first time I came to know the difficulty of filling in the numbers for the machine-read sections.

Now, there are two months left until the test that everyone has put so much effort into applying for. I’m hoping that everyone tries their best to work towards their own targets.

【日本語教育国際研究大会(ICJLE)への参加】
9月9日~10日の日程でインドネシア・バリにて行われた国際大会に参加し、ポスター発表を行いました。バリは海も空も広く、まさにリゾート地でした!島なのでかなり湿度があり、ベオグラードとは違った、むっとする暑さに日本を思い出しました。
国際大会は世界各地から日本語教育に携わる研究者が集まる場ですが、終始雰囲気がとても和やかで、様々な研究分野の先生方と交流することができました。
もちろん東京外国語大学の留学生センター・大学院からいらっしゃった先生や、他のグローバルジャパンオフィスのコーディネーターとも会うことができ、オフィスのことや現地での日本語教育について報告しあうこともできました。
インドネシアは現在、日本語学習者数が世界第2位という多くの学習者を抱えた国です。今回の学会でも手伝いで日本語を勉強する学生たちがたくさん居ました。どこにいても日本語が聞こえてくるという状況は、観光大国インドネシアといえども多くの学生にとって初めてだったのではないでしょうか。

Participation in the International Conference on Japanese Language Education (ICJLE)

From 9th-10th September I participated in and presented a poster presentation at the International Conference on Japanese Language Education held in Bali, Indonesia. The skies in Bali are vast and the ocean is wide. It was just like a resort! Being an island, the humidity in Bali is fairly high, and unlike Belgrade the muggy heat reminded me of Japan. The International Conference was a place where researchers involved in Japanese education from all around the world gathered, and teachers from many various disciplines were able to network in a harmonious atmosphere throughout the event. I was able to meet with teachers from Tokyo University of Foreign Studies Centre for International Students and graduate school, as well as other Global Japan Office coordinators, and exchange information about the Global Japan Office and local Japanese education among other things.


活動報告 2016年8月/Activity Information 2016.8

コーディネーター 正木みゆ Masaki Miyu, coordinator

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2016年のセルビアの8月は、リオデジャネイロオリンピックのおかげで、熱気にあふれた暑い一か月となりました。国家として決して「大きい」とは言えないセルビア共和国ですが、8つのメダルを獲得、最後の数日間はチームスポーツのメダルラッシュで、参加選手(103名)のうち54名がメダルを獲得したそうです。

August 2016 in Serbia was, thanks to the Rio De Janeiro Olympics, was a month brimming with feverish enthusiasm. As a nation, the Republic of Serbia certainly cannot be said to be big, but after winning eight medals, in the last few days team Serbia experienced a team sports medal rush, with 54 being medalists out of the 103.

ベオグラードの夏は、太陽が強く照りつけ日も長いため、非常に暑いです。一方、人々は「暑い暑い」と言いながらも、一年の中で短い夏を満喫しようと外出を楽しみます。公園を散歩しながらアイスクリームを食べたり、人工的に作ったビーチで日光浴をしたり、遅い時間になっても外でおしゃべりやビールを楽しむ姿が見られます。

Because the Serbian summer sun shines brightly and the days are long, it gets extremely hot. Even while saying “it’s so hot!” people are enjoying their outings and making the most of the short summer. You can see people walking though parks while eating ice creams, sunbathing on manmade beaches, and chatting and drinking beer outside even till late.

7月から8月にかけては、ベオグラード大学をはじめ社会全体が、他のヨーロッパ文化圏と同様、夏の長期休暇になります。学生の多くは帰省し、人々は海のある国へ長期休暇に行くため、一か月ほどは街に人が少なく、ちょうどお盆の東京のようになります。そして、8月末になると、静かだったベオグラードの街に学生や人々が戻り、再びにぎやかな雰囲気になります。大学でも試験期間に入りました。
一方、例年8月下旬には、15名ほどの学習院女子大学の学生がバルカン半島の研修旅行に訪れ、そのプログラムの一部として、ベオグラード大学日本語科の学生との交流を楽しみます。

Through July to August, just like the rest of the European cultural sphere, all organizations including the University of Belgrade have a long summer holiday. Most students return home, and because many people leave to spend the summer in countries with beaches, for around a month there are few people in the city. It’s a little like Tokyo during the Bon festival. Once August arrives, as students and other people return, so does the lively atmosphere of the once quiet city of Belgrade. As for the universities, it’s exam period.

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【学習院女子大学学生と日本語専攻学生の交流会】
今年は8月25日(木)の午後、学習院女子大学の一行がベオグラード市を訪問し、卒業生を含む日本語科の学生と交流会を行いました。天候に恵まれたため、大学の近くにあるカレメグダン公園を散歩しました。カレメグダン公園は、観光地としてはもちろん、激動のバルカン半島の歴史を歩んできたセルビアにとって非常に重要な意味を持つ城壁・要塞です。同時に、観光客だけでなく現地の人々も普段からこの公園で散歩をしたり、ゆっくりと座ってドナウ川とサヴァ川の合流地点を見下ろしたりする、憩いの場所にもなっています。

Cultural Exchange Meeting between Gakushuin Women’s College Students and Students of Japanese

This year, we met with a group from Gakushuin Women’s College in Belgrade on the afternoon of 25 August and held an exchange meeting with students of Japanese, including graduates. Since we were blessed with good weather, we visited Kalemegdan Park. Kalemegdan Park, as well as for being important for tourism, holds historical significance to Serbia, which has survived the turbulent past of the Balkan Peninsula, as the Belgrade Fortress and citadel. At the same time, as well as tourists, local people can be seen leisurely strolling through the park and sitting overlooking the confluence of the Danube and Sava rivers. It also becomes a place for relaxation.

散歩で打ち解けたあとは、街のカフェに座り、会話を楽しみました。同世代の若者同士、いろいろな文化の違いに触れて、おしゃべりがはずんでいました。また、ベオグラード大学の学生にとっては、数少ない日本語母語話者との交流が、日本語の練習はもちろん、今後新学期を迎えるにあたっての良い動機付けとなったようです。

After we’d got to know one another on our walk, we sat and chatted in one of the town’s cafes. Conversation flowed between fellows of the same generation, touching on all kinds of cultural differences. Of course, for the University of Belgrade students, conversing with native speakers was good Japanese practice, but it also seems it was a great way to begin the new term with motivation.


活動報告 2016年7月/Activity Information 2016.7

コーディネーター 正木みゆ Masaki Miyu, coordinator

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 7月になりました!
ベオグラードは夏、真っ盛りです。大学は6月に試験があり、そこで無事に進級できた学生は10月までの長い夏休みに入ります。

It’s July!
Belgrade is in the height of summer. The university has exams in June, after which students enter the long summer holiday which lasts till October.

私たち大学講師は学生寮の講師用フロアに住んでいますが、試験が終わるとほとんどの学生がバカンス&里帰りです。私もせっかくなので、ベオグラード市内のサヴァ教会に行ってきました(大学から15分くらいのところですが…)。青い空に白い壁がきれいです。中はまだ建築中で完成していないのですが、
それでも礼拝に来ている人がたくさんいました。セルビア正教の礼拝の仕方は、今までカトリックやプロテスタントの教会にしか行ったことがなかった私が知っているものとは少し違いました。

Us university teaching staff live on our own floor in the student dormitory, but once exams have finished almost all of the students are on vacation or visiting home. Since I has in the area, I visited the Church of Saint Sava in the city of Belgrade (about 15 minutes from the university). Its white walls look pretty against the blue sky, although the inside is still under construction. Even so, there were lots of people coming to worship. Being someone who, up to now, had only ever visited Catholic and Protestant churches, the way of worshipping at the Serbian Orthodox Church was a little different to what I knew.

礼拝の仕方は宗教によってそれぞれですが、実際に現地に行かない限り、中々その作法を見ることはありません。夏休み明けの授業では、教会や神社、お寺の参拝マナーについて学生たちと話してみるのもいいかもしれないと思いました。

Methods of worship differ from religion to religion, but you don’t really experience them until you actually visit the places. I thought I might perhaps discuss the customs surrounding visits to places like churches, shrines and temples with the students once lessons start after the summer holiday.

【Japanizam 2016】
今月の一大イベントは、バルカン地域でも有名なアニメ・マンガ・ゲーム関連イベント「Japanizam」です。ベオグラード市内のカルチャーセンターにて行われたこのイベント、近隣諸国からも日本のポップカルチャーファンたちが集まって来るようです。今回はハンガリーからのゲストスピーカーもいらっしゃって、まさに東欧地域のオタク交流会…といったところでしょうか。四日間行われて、連日大盛況でした。
主催はベオグラードで活動している、日本のポップカルチャー好きたちの交流団体「Sakurabana」ですが、日本語科の学生で参加している人もいます。一般参加だったり、黄色いスタッフTシャツを着て会場内の案内をしたり大忙しのよう。会場内では格闘ゲームの対戦コーナーや物販スペースの他に、ファンイラストやコスプレ衣装が飾られていました。

Japanizam 2016

The big event of this month is the anime, manga and videogame (well-known even in the Balkan Peninsula) convention ‘Japanizam’. It seems that the event, held in the Belgrade Cultural Center, is attended by fans of Japanese pop culture from both in and around the country. This time, there were speakers coming from as far as Hungary. I suppose you could say it’s the otaku cultural exchange meeting of Eastern Europe. It was held continually for four days, each one being a booming success.

The hosts of the event are the cultural exchange organization for fans on Japanese pop culture ‘Sakurabana’, and there were Japanese studies students taking part. Wearing yellow staff t-shirts, doing things like acting as guides and just helping out in general, they seemed very busy. In the meeting hall, as well as the fighting videogame competition corner and the merchandise stalls, there were fan art and cosplay decorations.

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また、センター内の講堂ではアニメ映画上映会やレクチャーが行われていました。

私もVOCALOIDについての講演を聞きに行きましたが、大ホールが埋まる人気ぶり。日本国内で過ごしていると当たり前に入って来るような情報でも、遠いセルビアではこんな風に紹介の場がないと触れられないものなんですね。こういった交流の場があることの大事さを感じました。

Also, in the center’s auditorium anime film screenings and lectures were being held.

I myself went to see a lecture on Vocaloids, which was so popular that the hall was almost overwhelmed. Even though these things might common in Japan, I never thought that they would be shown in an occasion like this as far as Serbia. I really felt the importance of this kind of cultural exchange occasion.

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活動報告 2016年6月/Activity Information 2016.6

コーディネーター 髙見あずさ

 ベオグラードの6月は、冬日と夏日を繰り返しながら、数日間の春を楽しむかどうかのうちに、突然日差しの強い夏に変わります。大学では、5月末日までで今学期の授業を終え、6月は試験期間です。日照時間も長いこの時期、明るい太陽の下、街行く人も、学生たちや教員も、うれしそうな顔をしているように感じます。/June here in Belgrade whilst repeating the winter sun and summer sun, suddenly turns into summer with strong sunlight during the short few days you think you might be able to enjoy spring. At the university, the classes for this semester were all finished by the end of May, June is the exam period. During this period where the sun shines for a long period of each day, I feel that people going into town, students and teaching staff all have smiles on their faces as they walk under the bright sun.
大学内で試験を実施する一方、コーディネーターにとっては大学外のプロジェクトのまとめの月となりました。/Whilst inside the university exams were being conducted, as the GJO coordinator it was a month of summarizing projects that took place outside of the school.

【日本語普及プロジェクト2015-16 閉会式】/(Closing Ceremony for Japanese Language Project 2015-16)
セルビアでは、2014年夏から二年間連続で「日本語普及プロジェクト」を行ってきました。このプロジェクトは、セルビアの初等・中等教育期間において課外科目として日本語・日本文化の授業を行うものです。この授業で派遣される講師は、ベオグラード大学日本語科の卒業生で、特に日本語能力や指導力のある若い人たちです。/In Serbia, starting from the summer of 2014 and continuing for 2 years the “Japanese Language Project” was conducted. This project consists of conducting Japanese language and Japanese culture classes in the form of extra-curricular subjects at the primary and secondary school level in Serbia. The teachers that were dispatched to teach these classes are young graduates of the Japanese Department of University of Belgrade who have high Japanese language ability and leadership skills.
このプロジェクトは、三菱商事の経済的支援のもと在セルビア日本大使館とベオグラード大学の日本語講師(コーディネーター)が協力して取り組んでいます。/This project was made possible due to the cooperation of the Japanese embassy in Serbia and the Japanese language teaching staff (coordinator) at University of Belgrade under the financial support of the Mitsubishi Corporation.
コーディネーターは、主に日本語教育に関する専門知識を生かして、コースのデザインやシラバスの作成、派遣日本語講師(卒業生)の指導、相談などを行ってきました。一般の人への日本語日本文化の普及だけでなく、日本語を学んだ優秀な若い人材が、卒業後や留学後にはじめて教師としての仕事をする貴重な機会になっています。この二つの側面から、意義あるプロジェクトとして来年度の継続も決定しました。三年目も日本語の授業を希望する学校はますます増え、地方都市での開講希望も増加する一方で、セルビアでの日本人気がうかがえます。/The coordinator mainly focused on using their expert knowledge in the field of Japanese language education to design the layout of the course and create the syllabus, guide the chosen Japanese language teacher (graduates) and to advise wherever needed. Not only does this aid to raising the awareness regarding Japanese language and culture but also offers outstanding young individuals who have studied Japanese the valuable opportunity to work as a teacher for the first time after graduating or returning from studying abroad. Looking at both of these factors, it has been decided that this is a very significant project and continuation for the next academic year has been confirmed. For the 3rd year the schools which are expressing interest in holding Japanese language classes are increasing and as demand for classes are rising from schools in the region, you can feel the popularity of Japan and Japanese culture in Serbia.

6月13日には、本年度のプロジェクト閉会式が行われ、関係者と日本語を学んだ生徒たちが列席しました。セルビア日本国大使、ベオグラード大学日本語科教授のあいさつに続き、三菱商事ベオグラード駐在事務所所長よりプロジェクトの派遣講師9名に感謝の言葉と記念品が贈られました。/On the 13th of June, the closing ceremony for this academic year`s project was held and officials and students who learned Japanese attended. Continuing on from the greetings from the Japanese Ambassador in Serbia, and the Professor from the Japanese language Department, the Mitsubishi Corporation Belgrade Representative Office Director spoke words of gratitude to the 9 young graduates that were dispatched as Japanese language teachers and presented each of them with commemorative souvenirs.

その後は、プロジェクト派遣講師の代表者により、日本語を教えることの喜び、苦労、またこの経験から学んだこと成長したことなどについての発表がありました。さらに、日本語を学んだ小学生や高校生による日本語での歌やスピーチも行われ、半年間授業を担当した派遣講師たちも感無量の様子でした。/Following this, an announcement was made by the representative of the dispatched teachers for the project, they spoke about the joys and difficulties of teaching Japanese and what they have learned and gained from having this experience. In addition, speeches were given and songs were sung in Japanese by the elementary school and high school students who had learned Japanese and the faces of the teachers who had been teaching the students Japanese for 6 months were filled with emotion.

コーディネーターをはじめとするベオグラード大学日本語科の教師陣としても、卒業生がこのような形で日本語に関わりながら成長していく姿に喜びを感じました。この閉会式には、教育省や各学校の教員をはじめとする教育関係者も多く出席し、プロジェクトの充実感を共有した和やかな時間となりました。/Firstly as the coordinator and then as one of the teachers in the Japanese Department at University of Belgrade, I felt very happy seeing the graduates being involved with Japanese in this way and further developing. At this closing ceremony, starting with members of the Ministry of Education and teaching staff from all the schools involved, many officials attended the ceremony and a sense of fulfillment regarding the project was shared in a peaceful atmosphere.


活動報告 2016年5月/Activity Information 2016.5

コーディネーター 正木みゆ

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5月も終わりに近づき、最高気温が30度近い日が続くベオグラードです。
オフィスのある場所周辺はセルビアで一番の都会ですが、例えば新宿や渋谷のように、高層ビルがひしめいているわけではありません。/It is nearing the end of May and the hot days with maximum temperatures of nearly 30 degrees continue here at Belgrade. The office location is right in the middle of the city but there are no high rise buildings surrounding you like in Shinjuku or Shibuya.

晴れた日に見上げると、澄んだ空と青々とした木々がさわやかで、とても気持ちが良いところです。/On days when the weather is good, the clear air and the lush trees are very refreshing; it is a very pleasant place to be.

【日本語科 年度末発表会】/Japanese Language Department, End of Year Presentation Speeches
さて、今月は1年生から4年生までの全員が一堂に会する、年度末の発表会が行われました。/Now then, this month the students from year 1 to year 4 were all brought together for the end of year speech presentations.
この発表会では毎年、それぞれの学年が自由に出し物を発表します。また、その年の前の10月まで日本へ留学していた先輩たちからの留学報告プレゼンテーションも行われます。日本語科の教師はもちろん、ベオグラード大学に留学中の日本人学生や大使館の方もお招きして、学生たちが日本語の歌や自作の(!)日本語劇などを披露しました。/At this speech presentation which is held every year, each individual year group presents a performance of their choosing. The senior students who studied in Japan until the previous October will also make a study abroad presentation. Teaching staff from the Japanese Language Department, Japanese students studying abroad at Belgrade and officials from the embassy were invited to listen to the presentations, Japanese songs and Japanese comedy performances created by the students.

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留学から帰国した学生からのプレゼンテーションは、コーディネーターが原稿のチェックから発表の練習までを一緒に準備して行いました。留学という大きな経験を経て、誇らしげに東京外大や岡山大学での生活について語る先輩の様子に、後輩たちも興味深げに耳を傾けていました。/The presentation conducted by the students who have returned from studying in Japan was prepared with the help of the coordinator from checking the initial manuscript to helping practice the presentation together. Through the experience of studying abroad, the senior students spoke proudly regarding their life at TUFS and Okayama University whilst the junior students listened intently with great interest.
コーディネーターからの紹介もいいのですが、こうして身近な先輩からの言葉に触れることも、普段は距離を感じてしまう「日本」への親しみや留学へのモチベーションを持つことには重要なのだと感じた時間でした。/Of course the introduction from the coordinator is important but even more so, the precious opportunity of hearing the thoughts of their seniors, the familiarity with “Japan” which can often feel like it`s so far away and the importance of having motivation to study abroad were all very significant to the students in the audience.


活動報告 2016年4月/Activity Information 2016.4

コーディネーター 髙見あずさ

【ベオグラード大学Global Japan Office開所式】/Opening Ceremony for Global Japan Office at University of Belgrade

ベオグラード大学では、2016年3月17日に、Global Japan Officeの開所式が行われました。同日の朝、大学間協定の調印式を終えた大学本部代表者と東京外国語大学代表団の一行がGlobal Japan Office(文学部330教室)へ入場する際には、学生による日本語での短いパフォーマンスも行われました。日本語専攻の1年生(約70名)は、廊下から教室まで花道を作り、俳句の朗読をしました。学生たちは、東京外国語大学のモニュメントカラーをモチーフにしたピンク色と紫色の毛糸を手に、花道を作っていました。さらに教室では、2年生(約40名)が自分たちで練習した日本の詩の朗読が行われ、たくさんの笑顔とともに式が始まりました。/On the 17th of March 2016 here at University of Belgrade, a Global Japan Office opening ceremony took place. In the morning of the same day, the signing ceremony for the agreement between both universities was held and the representative for University of Belgrade and the representative group of TUFS entered the Global Japan Office (Literature Department, room 330) for the first time where students held a short performance in Japanese. The Japanese major first year students (roughly 70 students) made flower arrangement from the corridor leading to the classroom and recited haiku. The students based the flower arrangement around the pink and purple colors of which TUFS` motif is formed of. In addition, in the classroom, the 2nd year students (roughly 40 students) recited Japanese poems that they had practiced of their own accord and the ceremony began with a room full of smiles.

式の中では、大学関係者から祝辞が述べられ、教師、学生を含め参加者全員で協定の調印とGJOの開設に至るまでの経緯や意義を確認しました。さらに大学間の今後のさらなる協力関係と発展が約束された後、GJOの開所を記念して除幕が行われました。日本語の学生が思い思いの漢字を書いた布が幕としてかけられた扉からGJOのプレートが現れると、参加者から大きな拍手が沸き起こりました。序幕後も、参加者同士の交流が行われ、和やかで温かい雰囲気で式が終了しました。/During the ceremony, university officials gave a congratulatory address and teaching staff and students alike were able to confirm the significance and position of the GJO from the signing leading up until the opening of the office. Furthermore, after agreeing to further a deeper cooperation and development between the two universities, the unveiling took place to commemorate the opening of the GJO. When the veil which had kanji written on by the Japanese language students dropped down to reveal the GJO plate there was a big applause from all the participants. After the unveiling, there was an opportunity for participants to get to know each other and the ceremony came to a close with a calm yet warm atmosphere.

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【東京外国語大学 教授陣による特別講義】/Tokyo University of Foreign Studies Special Lectures by Teaching Staff

3月17日のGJOの開所式に併せて、ベオグラード大学日本語科の40周年を記念して、東京外国語大学で教鞭をとられる3名の先生方に特別講義をしていただきました。GJOとしては、初めてのイベントとなります。/Timed accordingly with the opening ceremony of the GJO on the 17th of March, University of Belgrade celebrated the 40th year anniversary of its Japanese Language Department with a special lecture given by 3 teachers from TUFS. This became the very first event of the GJO.

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3月14日には、ベオグラード大学文学部大講堂において、沼野恭子教授(ロシア語科)による世界文学科を対象としたオープンクラスが開かれました。『ドストエフスキー、トゥルゲーネフ、ゴーゴリの新訳と受容』というテーマで、日本語科の学生および世界文学クラス、ロシア語科の学生が出席し、様々な興味深い質問が出る特別授業となりました。/On the 14th of March, at the large auditorium of the Literature Department, Prof. Kyoko Numano (Russian Language Department) conducted an open class targeting the World Literature Department. The topic of the open class was “Dostoevsky, Turgenev, the new translation of Gogol and it reception” and students from the Japanese Language Department, World Literature Class and Russian Language department attended and it became a very special lecture where interesting questions were asked.

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3月15日には、伊東祐郎教授(留学生日本語教育センター長)により、日本語主専攻の学生(2~4年生の約120名)およびセルビア日本語教師会メンバーを対象に特別講演が行われました。『これからの日本語教育と日本語力評価』という難しいテーマでしたが、伊東教授のよりわかりやすい日本語とリラックスした雰囲気で、普段なかなか日本語だけで講演会を聞く機会のないセルビアの学生にとって非常に刺激的で有意義な時間となりました。/On the 15th of March, Prof. Sukero Ito (Director, Japanese Language Center for International Students) conducted a special lecture aimed at students majoring in Japanese language (roughly 120 students from years 2 to 4) and Serbia Japanese language teacher association members. The topic was “The future of Japanese Language Education and the evaluation of Japanese language ability” which was a difficult topic however, due to Prof. Ito`s easily understandable Japanese and his relaxed nature, it became a stimulating and significant lecture for the Serbian students who very rarely get the opportunity to listen to a lecture completely in Japanese.

 3月16日には、大学本部の講堂で沼野恭子教授(ロシア語科)による特別講演『ジャポニズムの逆説 20世紀初頭ロシア文化のキモノ受容』が日本語(セルビア語通訳:ダリボル・クリチュコヴィッチ日本語科准教授)で行われ、一般の聴講者を含めて大盛況でした。日本語科の学生にとっても、新たな側面から文化や歴史を知る貴重な機会となったようです。同日の午後には、前田和泉准教授(ロシア語科)によりスラブ学科を対象としたオープンクラスが『マリーナ・ツヴェターエヴァ 今日と女流文学』というテーマで行われました。学生と教員がいっしょになって、ロシア語・セルビア語・日本語の三ヶ国語で活発な議論を行い、外語大とベオグラード大学外国語専攻の交流にふさわしい、にぎやかな授業となりました。/On the 16th of March, at the university`s main auditorium Prof. Kyoko Numano (Russian Language Department) gave a special lecture titled “The Japanism paradox, the reception of kimono in Russian culture during the early 20th century” which was in Japanese(), the lecture was an overall great success. It seemed to become valuable opportunity for students of the Japanese Language Department to see a new side of Japans Culture and History. In the afternoon of the same day, Associate Prof. Izumi Maeda (Russian Language Department) conducted an open class targeting the Slab Department titled “Marina Tsvetaeva, today and women’s literature”. Students and teaching staff participated together and a lively debate was held in 3 different languages; Russian, Serbian and Japanese. It was an energetic lecture that was befitting of the exchange between TUFS and the foreign language majors of University of Belgrade.

【東京外国語大学出版の『世界を食べよう!』の発表会】/Announcement of TUFS Publication “Let`s Eat the World!”

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3月15日には、ローズニツァ市の文化センターで、東京外国語大学出版の『世界を食べよう!』の発表会が行なわれました。そこには、地元メディアの取材や、市内で日本語を学ぶ中学生も見学に訪れ、日本の食文化とセルビアの食文化をテーマに和やかな雰囲気で、質疑応答が続きました。/On the 15th of March, at the Loznica city Culture center, the announcement presentation for the TUFS publication “Let`s Eat the World” was held. At the event, the local media filming crew and middle school students who are learning Japanese in the city gathered and in a calm atmosphere a question and answer session took place regarding food culture in Japan and Serbia.

【ベオグラード言語専門高等学校 日本語弁論大会】/Belgrade Specialized Language High School`s Japanese Speech Contest

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3月16日には、伊東教授およびベオグラード大学日本語科の教員3名の計4名で、在ベオグラード大使館で行われたベオグラード言語専門高等学校の弁論大会に審査員として参加しました。この高等学校からベオグラード大学の日本語科に進学する学生は少なくなく、大学教員に加え日本からのゲストの特別訪問は、日本語を学ぶ高校生に非常に刺激的な経験となりました。審査の結果、上位3名の学生とは別に、4位の特別賞として、東京外国語大学のマスコットが描かれた手提げかばんが、伊東教授から手渡され、学生の新たな動機付けにつながったようです。/On the 16th of March, Prof. Ito and 3 teaching staff from the Japanese Language Department here at University of Belgrade participated in the Belgrade Specialized Language School`s Japanese Speech Contest as judges which was held at the Belgrade Embassy. There are many students who advance from this high school to the Japanese department here at University of Belgrade and the various guests that visit from Japan including teaching staff gave the high school students studying Japanese a very stimulating experience. After the results from the judging were announced, it was decided there would be a special prize for 4th place which differed from the top 3 students, it was a handbag with the TUFS logo drawn on which was presented by Prof. Ito and appeared to give the student a new sense of motivation.

3月は、日本からのお客様も多く、様々な日本に関する行事が行われ学生にとっても良い経験となったようです。4月に入ってからは日本文化の科目をはじめとして中間試験が行われ、日本語の授業も期末に向けて大詰めとなってきました。復活祭の時期としては、かなり冷え込む日が多いベオグラードですが、日本語の教師と学生で厳しく楽しくがんばっています。/During March, there were a lot of visitors from Japan and many Japan themed functions were held which seemed to be great experience for the students. After entering April a mid-term test was held for the Japanese Culture course and the end of the Japanese language classes drew near. The Easter period here in Belgrade has many cold and chilly days but the teachers and students of the Japanese language classes are working hard and enjoying themselves.